2010年12月20日

大友直人&東響 MUZA名曲全集

MUZA名曲全集の連続券を買うと漏れなく12月の第九がついてくる。個人的には年末に第九を聴く趣味もなく、むしろ悪しき習慣とすら思う天邪鬼なのだがww、連続券なら拒否するわけにも意かないw そんなわけで12月19日の日曜日、満員となったMUZA川崎に行ってきた。チケットは完売らしい。

【出 演】
指揮:大友直人
ヴァイオリン:アリョーナ・バーエワ
ソプラノ:小林沙羅 メゾ・ソプラノ:加納悦子
テノール:佐野成宏 バリトン:三原 剛
合唱:東響コーラス
【曲 目】
J.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲第2番
ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調 作品125「合唱」

最初のバッハのヴァイオリン協奏曲。キレイな音だねー。こういう曲だと東響の弦楽器の美点がよく現れる。透明感があって、その中をソリストが音楽の旋律を構築していく。美しすぎて眠くなるけどww

後半の第九は、前半は正直良くなかったと思う。弦楽器が薄く、全体の音が溶け合わない。こういう音楽は退屈モード。。。。第4楽章は、ようやく音楽の流れが良くなってのってきたけど、テノールの声が不調なのか飛んでこないし、200名を超える大合唱団も、迫力はあるのだけど、単調で平板的。。。。すんまそー、ワタシ的には、いまいちの演奏会ですた。

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2010年04月30日

小松長生&東京交響楽団 名曲全集

第56回
4月29日(木・祝) 14:00開演
指揮:小松長生
フルート:新村理々愛
和太鼓:林 英哲

池辺晋一郎:東京交響楽団のためのファンファーレ
武満 徹:弦楽のためのレクイエム
尾高尚忠:フルート協奏曲
團伊玖磨:管弦楽のための「飛天」
松下 功:和太鼓協奏曲「飛天遊」

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2010年03月21日

ドヴォジンスキ&東京交響楽団 MUZA名曲全集

3月7日、MUZA川崎シンフォニーホール。とりあえず、行ったというコトだけをアリバイ的に掲載(汗)。

【出演】
指揮:ミハウ・ドヴォジンスキ
ヴァイオリン:滝 千春
【曲目】
ボロディン:歌劇「イーゴリ公」より"ダッタン人の踊り"
グラズノフ:ヴァイオリン協奏曲
ドヴォルザーク:スラヴ舞曲集 作品46

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2010年01月31日

飯森&東響 MUZA名曲全集

1月30日(土)は、川崎のMUZA名曲全集。飯森が継続して取り組んでいるマーラーもいよいよ交響曲第10番(クック版全曲)。

【出演】
指揮:飯森範親
ピアノ:ベンジャミン・グローヴナー
【曲目】
リスト:ピアノ協奏曲 第1番
マーラー:交響曲 第10番

グローヴナーは若手ながら、叙情性豊かな音楽性が魅力的なピアニストだ。最初の強い打鍵はやや荒すぎたので「ううむ」と思ったのだが、曲が進むにしたがって彼の美点が現れてくる。途中のリリシズム溢れる音楽性には心惹かれた。アンコールはショパン/リストの「17の歌曲」より「私のいとしき人」。これも良かった。ぜひリサイタルで聴きたいピアニストだ。

後半は、・・・・・かなりの力演ではあったけど、後半から4階席に移ってきた親子と思しきオッサンのマナーの悪さに悩まされた(爆)。途中、盛大に咳き込んだのは、まぁ許すとしても、大鼾をかいて爆睡、・・・となりの人に注意されてもまた爆睡。ホールの係員も入ってきて注意してようやく起床したけど、お前、何しに来たんだっていう感じ。MUZAって、意外と変な客は少ないと思っていたんだけど、この日に限っては・・・。

ただでさえ聴き手として集中力が要求される曲なのに、この状況じゃぁなかなか難しい。弦楽器の音の薄さや、構造自体の弱さは感じたけど、渾身の演奏だったことは窺える演奏だった。

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2009年11月29日

ハリー・ピケット&東京交響楽団 @MUZA KAWASAKI

昨日(土曜日)は、午後から都内某所でロケハン、・・・いい感じで撮影できそうなことを確認して、その後は代々木上原の沖縄料理店で、ちょっと早い忘年会。沖縄文化論について、熱く語り合った一夜であった(汗)。

そして今日はMUZA川崎での名曲全集。インバル&都響のベートーヴェンのコンサートを投げ打っての選択である。

ミューザ川崎シンフォニーホール&東京交響楽団 名曲全集 第51回
指揮:ハリー・ビケット(イングリシュ・コンサート音楽監督)
テノール:イアン・ボストリッジ

モーツァルト:交響曲 第38番「プラハ」 ニ長調 K.504
ヘンデル:アリア集

最初のモーツァルトは、なかなかの好演。ワタシ的にモーツァルトが鬼門であることは何回も書いてきたけど、こういった透明感があって、生命感があふれる演奏は好き。東響の弦楽器が、とてもアンサンブルが整っていたのが好印象。なかなか、こういうレベルの演奏に出会う機会は少ないんだよねー。

後半は、今日のハイライト、・・・イアン・ボストリッジ(テノール)の登場である。ヘンデルの「メサイア」から「シンフォニー」「慰めよ、私の民を慰めよ」「もろもろの谷は高くせられ」、そして同じく「アリオダンテ」から「序曲」「不実な女よ、戯れるがよい」「第二幕のバレエ音楽」、同じく「エイシスとガラアテ」から「愛の神が進軍の鐘を鳴らすと」が上演された。ボストリッジの声は、とてもキレイで、なおかつ理性的、知性的で、声量も申し分ない。

期待に違わぬ歌声である、と、思わ・・れ・る・・・・・でもねー、ワタシにとってはなぜか爆睡の友になってしまったのだよ。なぜか、この声で睡眠に誘導されてしまうのだ。波長が合うんだよねー。いや、決してイヤミではなく、スバラシイ歌手ですよ。会場は、延々と拍手が続き、「オンブラ・マイフ」と、エイシスとガラアテから「愛の神が彼女の目にすわってたわむれ」がアンコールされた。客観的には、きっと良いコンサートだったと思われw

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2009年10月10日

大友直人&東京交響楽団 名曲全集@MUZA

10月10日(土)は、MUZA KAWASAKIの名曲全集に行ってきた。午後6時開演なのd背、川崎駅西口は、すでに日が落ちて夜の景色に。ホールに入ると、9割強の入りの盛況、やっぱ名曲シリーズは人気が高い。

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指揮:大友直人
ヴァイオリン:ジェニファー・ギルバート

エルガー:セレナーデ ホ短調 作品20
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲
サン=サーンス:交響曲第3番「オルガン付き」

エルガーのセレナーデは、たぶん初めて聴いた曲だけど、エレジー(悲歌)のような雰囲気をたたえた10分ほどの弦楽合奏曲。アンサンブルがきれいで、細めの筆致が、悲しげな楽想を描き出す。なかなか良いスタート。それに続くシベリウスのコンチェルトも。ある意味エレジー風の楽想だから、統一感を狙った選曲なのかも。

しかし、シベリウスは、ソリストに問題アリだった。まず音色にソリストらしい輝きが感じられない。オケと比べて微妙にピッチが低いんじゃないの?と思わせるような冴えない音で、第3楽章の速いパッセージもどこか危なげ。途中、ある意味のスリリングさ(冷汗)も感じさせるくらいの演奏で、これでリヨン管弦楽団のコンミス?? 少なくともソリストとしては、ちょっと勘弁デス。

サン=サーンスの「オルガン付き」は久々に聴くのだが、ワタシ的にも大好きな曲。今日の東響は好調で、しなやか&きれいに整った弦楽器が美しい。音の厚みが求められる部分(特に第2楽章後半)では物足りなさを感じるのも事実だが、東響の持つ持ち味は十分に発揮した演奏だったと思う。第一楽章の、オルガンの通俗低音の上にのせて奏でられる敬虔な祈りのような音楽の美しさ、第2楽章の求心力のあるダイナミックな音楽、いずれもこの曲の醍醐味だ。満足。

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2009年09月13日

コバケン&東響 MUZA KAWASAKI 名曲全集

9月13日(日)は、久々のオーケストラのコンサート。これで夏が終わって、ゲージュツの秋が始まるという感じがします。今日のコンサートは、父娘競演のコンチェルトと、コバケンの十八番=チャイコの5番という組み合わせで、かなり早いうちにチケットがソールドアウト。最初の「フィンランディア」から熱気を帯びた演奏だったけど、注目のグリーグ=父娘競演も見もの、聞きモノだった。

【出演】
指揮:小林研一郎
ピアノ:小林亜矢乃

【曲目】
シベリウス:フィンランディア
グリーグ:ピアノ協奏曲
チャイコフスキー:交響曲 第5番

クラシック音楽の世界では、どこかの国の政治の世界と違って「世襲」とかいうことはほとんど聞いたことがない。「兄弟」とか「姉妹」で演奏活動しているのは、時々聞くけど、親子でクラシックの演奏家として成功した例というのは少ないような気がする。

クラシック音楽の世界は、ホントに実力だけがモノをいう世界だ。地縁血縁で演奏会に出演する機会を与えられても、また容姿端麗というだけで注目されても、実力がなければすぐにステージから姿を消すことになってしまう。聴衆の評価は実にシビアで、・・・・だから、親子であってチャンスが与えられても、長い目で見れば実力がなければ皆の記憶から忘れられてしまうノダ。

ステージに登場する小林亜矢乃は年齢は公表されていなかったけど、20代半ばくらい?という印象、・・・なんかステージ慣れしていない感じで、初々しくてカワイイ(爆)。でも、その印象は、グリーグのピアノが始まってすぐ、演奏はその第一印象とは違うことが物語った。打鍵が強く、音が意外とデカく、音楽作りのスケールが大きい。見た目と音楽とのギャップで、「おおっ」と身を乗り出す感じになる。一方、ロマンチックな部分では、かなり感情を込めた演奏で聴かせてくれて、楽想をさらに強調する志向性は父親譲りなのかなぁ・・・とも思わせる。かといって、その表現が過度になることもなく、表現力の幅と奥行きを感じさせるピアニストだ。

その一方で、ピアノの音色は向上の余地がある。宝石や貴金属のようなキラメキ感は少ないし、パールやシルクのような輝きでもない。あえて例えるなら、上質のコットンという感じの音色。肌触り、というか耳障りはいいんだけど、音そのものの美しさは、魅力的というには今イチ感がある。

でも、こういう傾向のピアニストは、きらいじゃない。というか好きかも。テクニックに走らず、きちんと正面から音楽を捉え、表現しようとしているのは、とても好感が持てる。カーテンコールの時の会場の反応も、とっても好意的で、大きな拍手が巻き起こる。小林亜矢乃の反応も、大きな拍手に戸惑った感じが、とてもカワイかったデス。

休憩後は、もう定番中の定番、コバケンの代名詞とも言うべきチャイコフスキーの5番。普段は東京交響楽団の指揮台に上がることはないのに、オケからは凄く魅力的な音を引き出す。華やかな楽想でも、どこかにロシア的な哀愁を感じさせる音楽、・・・それを強調するコバケン独特のタメが効果を発揮して、聞き手をステージから発せられる音の渦に巻き込んでしまう。きっと、他の指揮者がマネしたらアッパラパーな音楽になってしまいそうな気がするけど、コバケンのそれは作為的じゃないし、音楽の流れがとっても自然なのは不思議だ。

終演後は、ブラボーの声が飛び交う。アンコールはいつものトークの後に、これまた定番の「ダニーボーイ」。秋の最初のコンサートだったけど、幸先がいい演奏会になったデス!

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2009年06月21日

高関健&東京交響楽団 @MUZA Kawasaki

6月20日はMUZA川崎の名曲全集。いつもどおり午後2時前にコンサートホールに行ったら、・・・・あれ?まだ入り口閉まってる。お客さんらしき人も、ぜんぜんいない。チケットをよーく確認したら、午後6時開演でした(汗)。

【出演】
指揮:高関 健
ピアノ:セドリック・ティベルギアン

【曲目】
ムソルグスキー:はげ山の一夜(原典版)
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲 第2番
ストラヴィンスキー:バレエ音楽「春の祭典」

20090620

「名曲全集」とは言え、かなりヒネリを加えたプログラムで、「はげ山の一夜」は一般的なR・コルサコフ編曲版ではなく、作曲者自身による原点版。プロコフィエフのピアノ協奏曲は、初演時に大混乱を起こしたとされる「第2番」に加えて、さらに初演時に騒動となった「春の祭典」は現代音楽の出発点となった名曲だ。

まず「はげ山の一夜」は、明らかに響き違う。原点版は初めて聴いたけど、ロシアの土の香りを強く感じされている響きで、なまじR・コルサコフ版を知っていると、ここぞというところで肩透かしをくらうことが多い。原点版には原点版なりの魅力もあるけれど、R・コルサコフが編曲していなかったとすると、この曲がここまで有名になったかどうかは疑問だ。

ピアノ協奏曲は、第一楽章、第2楽章まではプロコフィエフ独特の透徹した響きと、無数の音符の中から浮かび上がってくる美しい旋律を感じられたなんだけど、第3楽章になると・・・ついていけなくなる。とにかく、何を言いたいかよくわからない音符の羅列と、いつ終わるのかどうかわからない構成で、あちゃー! いや、ピアニストのティベルアンは超熱演で、ピアノの響きも美しく、技巧的にも素晴らしいんだけど、いかんせん、この曲にはついていけない。

そして休憩後はハルサイ。高関健の指揮は、いつも安心して聴ける。コンサートに意外性を求める人には向かないと思うけど、アンサンブルはいつもの東響以上だし、安心して音楽に身をゆだねられる。今となってはハルサイは一般的な名曲のひとつになっているけど、初演された当時はバリバリの現代音楽だったと想像できる。ワタシ自身もこの曲を初めて聴いたときは、なんじゃあ、この曲はぁ!と思ったけど、いまではこのリズム感に心地よく身をゆだねている。一度、本来の姿であるバレエのステージ付きで、この曲を聴いてみたいものだ。

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2009年05月25日

現田茂夫&東京交響楽団@MUZA名曲全集

5月24日(日)は、MUZA川崎シンフォニーホールの主催公演「名曲全集」に行ってきた。このシリーズは満席のことが多いけど、今回は4階席周辺あたりに少々空席があって、9割前後の入り。プログラムは北欧・東欧の作曲家を集めたもの。

指揮:現田茂夫
ヴァイオリン:川久保賜紀

グリーグ:2つの悲しき旋律〜過ぎし春
ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲
シベリウス:交響曲 第2番

この日の東響は、弦楽器のアンサンブルがいつもよりも整っていて、とてもキレイ。グリーグの弦楽合奏だけの曲は、やや悲しげな旋律で春の到来を謡ったものだが、晩年のグリーグの心境が伝わってくるかのような演奏。シベリウスは、個人的にはあまり好きな曲ではないが、丁寧かつ情熱がこもったもので、充実した演奏を聞かせてくれたと思う。

川久保のVnははじめて聴いたけど、オケの中で演奏するとこの人の持ち味があまり伝わらないような気がする。アンコールで弾いてくれたバッハは、とても丁寧で美しいニュアンスを秘めた音で、すごく魅力的だったんだけど、ドヴォルザークではそれが十分には生かされていなかった。繊細なニュアンスが、オケの音に埋もれてしまうのかもしれない。決して悪い演奏ではなかったが、この人の真価はこの演奏で計ることはできない。今度はぜひ室内楽かソロで聴いてみたい、・・・そんなことを感じた演奏だった。

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2009年03月09日

飯守泰次郎&東響@MUZA名曲全集

このところ完売が続く人気のMUZA名曲全集、今月はワーグナー指揮者として評価が定着している飯守泰次郎の登場。この人はシティフィル意外を指揮するときは、かならず・・・と言っていいひどワーグナー・プログラムだなぁ。

【出演】
指揮:飯守泰次郎(東京シティ・フィルハーモニー管弦楽団常任指揮者、関西フィルハーモニー管弦楽団常任指揮者)
ピアノ:今川映美子
【曲目】
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第5番「皇帝」
ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」〜前奏曲と愛の死
ワーグナー:楽劇「ワルキューレ」〜ワルキューレの騎行
ワーグナー:楽劇「神々のたそがれ」〜ジークフリートの死と葬送行進曲
ワーグナー:楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲

この日のプログラムで良かったのは、「トリスタンとイゾルデ」。官能的な無限旋律が美しい演奏で奏でられ、やっぱ飯守のワーグナーは素晴らしいなぁ・・・・と思ったのだが、その後がっ・・・!ワルキューレになってからオケを鳴らしすぎて、かえって音楽的に平板になってしまい、「神々のたそがれ」、「マイスタージンガー」もその悪影響を引きずって、音が粗雑になってしまっている。ワーグナーは音が大きければ良いって言うもんじゃない。むしろ音色だ。その意味では今日の演奏はいただけなかった。客席は盛り上がっていたし、私が座席を立ったあとに「リエンツィ第3幕への前奏曲」をアンコールしていたみたいだけど、ワタシ的には不満足。

前半の「皇帝」も、オケとソリストの神合わせが悪く、ピアノの音色的にももう少し多彩なパレットがほしかった。第2楽章以外はちょっと不満足なできばえだったなぁ。

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2009年02月08日

秋山&東響 MUZA名曲全集

2月8日(日)はMUZA川崎の看板演奏会=東京交響楽団の名曲全集だ。チケットは売り切れで、会場はおおむね満員だった。

【出演】
指揮:秋山和慶(東京交響楽団桂冠指揮者、広島交響楽団音楽監督・常任指揮者、九州交響楽団首席指揮者・ミュージック・アドヴァイザー)
ヴァイオリン:ナージャ・サレルノ=ソネンバーグ

【曲目】
ドヴォルザーク:序曲「謝肉祭」
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲 第1番
ブラームス:交響曲 第1番

20090208

秋山の指揮は、いつもどおり安定感がある。明晰でアンサンブルが整っていて、破綻がない。しかし、いつも思うんだけど、それ以上の何か・・・・が足りない気がする。水の如くさらさらと流れてしまって、聴いたあとに残るものが少ない。こんな感想はワタシだけかもしれないが、この日の演奏では特にブラームスの演奏では物足りなさを感じてしまった。「謝肉祭」は派手な演奏だけで十分なんだけど・・・・。

でも秋山の良さが出たのはコンチェルト。こういった合わせモノは抜群に巧い。ソネンバーグのアプローチは、表面的には抑制された表現の中に豊かな感情を漂わせるタイプ。感情を爆発させたりするような派手な演奏ではないけれど、むしろブルッフの秘められた感情が素直に伝わってくる。そのソネンバーグの演奏に、自然に寄り添い、盛り上げていくオーケストラのコントロールは、いつもながら見事だった。ブルッフのコンチェルトは、あまり好きなほうではないんだけど、こういう演奏だったら何度聴いてもいい。アンコールのラフマニノフのヴォカリーズも、とても美しい演奏だった。

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2008年11月16日

井上道義&東京交響楽団 MUZA名曲全集

今日は秋雨の中、MUZA川崎でのコンサート。会場は満員で、チケットはかなり前からソールドアウトだったみたい。これは、指揮者の人気?「のだめ」がらみの選曲?ソリストの人気?、・・・なにはともあれMUZAの名曲コンサートは安定して聴衆が集まっている。

【出演】
指揮:井上道義(オーケストラ・アンサンブル金沢音楽監督)
ヴァイオリン:神尾真由子
【曲目】
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調
ベートーヴェン:交響曲 第7番

神尾真由子を聴くのは、とっても久しぶりな気がするけど、彼女も昨年のチャイコフスキーコンクールで優勝してかなり注目が集まっているヴァイオリニストに成長した。今回はベートーヴェンに挑んだ。彼女のヴァイオリンの音はちょっと個性的で、宝石的なドライな光沢感というよりも、ビロードのような湿度のある光沢感を湛えた音色だ。しっとりとした音の中に上品な輝きを見つけることができる。音色的な好き嫌いだけでいうと、・・・・個人的にはちょっと微妙な感じだが、テクニック的にはかなりスゴイ。それに感心したのは、その少女の面影を残す容貌とは似合わない、堂々とした音楽造りでベートーヴェンの世界を描き出すところ。奇をてらわない、テクニックに溺れないその姿勢は、もっともっと成長したヴァイオリニストに成長させてくれるのではないだろうか。アンコールは、パガニーニの24のカプリースから13番。

後半は、交響曲第7番。リズム感が良い井上道義の魅力が、いちばん発揮できる曲のひとつだろうと思う。そのパワーが一番発揮されたのは、やっぱり第4楽章で、井上の指揮姿はやっぱりダンシング! 音楽よりも指揮を見ているほうが面白いかも(爆)。やっぱり井上の指揮するコンサートは見逃せない。今度はぜひショスタコを希望。

帰りに川崎駅東口のほうに行ってみたら、駅ビルのBeが新装オープンしていた。1階にはあのクリスピークリームドーナツが入っている! 地下の食品街もたくさんの人が。西口にラゾーナができて東口の没落が進んでいたけど、Beの改装で東口の反撃が始まった。

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2008年10月19日

キタエンコ&東京交響楽団 MUZA名曲全集

このところ気乗りがせず、・・・というか日頃の疲れがたまってしまい、都響定期とNJP定期を流してしまったんだけど、10月18日(日)のMUZA名曲全集には行くことができた。ロシアの名匠キタエンコの登場と、チャイコフスキーの名曲ということもあって、ホール内は概ね満員の大盛況だった。

指揮:ドミトリー・キタエンコ
ヴァイオリン:鍵冨弦太郎 

チャイコフスキー:歌劇「エフゲニー・オネーギン」〜ポロネーズ
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35
チャイコフスキー:交響曲 第5番 ニ短調 作品64

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結論から言うと、キタエンコの指揮者としての力量をはっきりと示し、東響の実力を引き出すことに成功し、チャイコフスキーの新たな一面を堪能できた演奏会になった。少なくとも今シーズンの東響のMUZA名曲全集の中で、最も充実した演奏会になったのではないかと思う。

最初の「オネーギン」から、弦楽器は非常に充実した響きを聞かせてくれて、いつもの東響とは一味違う感じ。厚みが増し、しっとりとしたパールのような光沢感を感じさせてくれる。テンポも遅めで、フレーズもじっくりと歌わせ、堂々とした巨匠風のポロネーズ。そして、その傾向はチャイコフスキーの交響曲第5番も変わらなかった。ふつうなら金管楽器全開で華々しく終わるようなところでも、あえて金管楽器軍を抑え、弦楽器の音をメインに音楽を構築する。こういう、美しいチャイコフスキーの5番を聴いたのは、もしかしたら初めてかもしれない。遅いテンポに金管などはツライ側面もあったとは思うが、現在の東響としては最高の演奏でキタエンコの指揮に応えたといって良いのではないか。

ただ残念だったのがコンチェルト。ソリストのヴァイオリンの音色は、ところどころハッとするような美しいところもあったのだが、旋律の歌わせ方が作為的で、早いパッセージがぎこちなくなり、音程も怪しげになる。音量もオケに埋没してしまうところが多く、まだまだこれからのソリストだろうと思う。対して、サポートのオケの響きの充実が印象的だった。

キタエンコは、以前にモスクワ・フィルとの来日公演のときに聴いた記憶があるけど、そのときはこんなに良い識者だとは思わなかったが(爆)、今回の東響との演奏会は素晴らしい力量を発揮して見せた。ぜひぜひ、再来日を望みたい。

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2008年09月23日

沼尻竜典&東京交響楽団 MUZA名曲全集

21日(日)はMUZA Kawasakiのコンサートに行ってきた。なんと9月に入ってから初めてのコンサートで、とっても久しぶり。会場は9割以上の入りで盛況だった。

・ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲
・ムソルグスキー=ラヴェル編曲:展覧会の猫

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ラフマニノフを弾いたニコライ・ルガンスキーは、ステージに登場するとまず長身ぶりが目にとまる。推定185cm程度?たぶん、手も大きいのだろう・・・・難曲のラフマニノフを軽々と弾いている感じだ。軽めのタッチで流れるようなテクニックを見せ、音色は透明感があって美しいのだが、ちょっとメリハリは不足気味か。あっさりしすぎ・・・という評価もあるだろう。8月に同ホールで同曲を弾いた小山実稚恵とは対照的な演奏だが、ワタシ的には両方ともきらいじゃない。沼尻&東響のサポートも堅実で満足。

後半は、聞きなれた名曲だけに、ふつうの演奏では高い評価はしにくい。演奏そのものは堅実で、大きなミスはなかったが、いささかダイナミックレンジが不足していたような感じだ。曲そのものに深みが少ないだけに、オーディオ的な意味で面白い演奏を期待してしまうのだが、音色そのものの磨きこみには向上の余地があると思うし、フォルテシモに近づくとリミッターがかかってしまうようなもどかしさを感じてしまう。その意味ではもの足りなさが残ったなぁ・・・ちょっとキビシイかもしれないけど。 アンコールは、ラフマニノフの「ヴォカリーズ」。

PS. 本文と写真は、直接関係はありません。

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2008年07月13日

MUZA名曲全集 小泉和裕&東京交響楽団

毎日、クソ暑いですな。こういう都会のむわっとした都会特有の暑さは一番苦手なので、夏になると外に出る日が少なくなる。対して、沖縄や奄美の暑さは、日差しの強さに起因するので、風通しが良い日陰にいれば、意外と暑くはない・・・・いや、それでも昼間はクーラーが欲しいけどね。

で、今日は午後からMUZA川崎で行われた名曲全集のコンサートに行ってきた。全体では8割程度の入りで、まずまずの盛況かな。

【出演】
指揮:小泉和裕(東京都交響楽団首席客演指揮者、大阪センチュリー交響楽団首席指揮者、仙台フィルハーモニー管弦楽団首席客演指揮者)
トランペット:フランシスコ・フローレス
【曲目】
ワーグナー:歌劇「リエンツィ」序曲
ハイドン:トランペット協奏曲 変ホ長調
ジョリヴェ:トランペット、弦楽器とピアノのための小協奏曲
ドヴォルザーク:交響曲 第8番

小泉和裕は、都響の何回も聴いたことがある指揮者だけど、他のオケでは意外と聴いたことが少ない。今日、東響では初めて聴いたわけなんだけど、久しぶりに東響から良い音を聴けた気がする。4月の音楽監督スダーンと比較しても、まったく遜色なく、ワーグナーのピアニッシモから始まる序曲の繊細さ、弦楽器の美しさ、・・・東響が本来持つ能力をきちんと引き出している。ハイドンの協奏曲も、古典らしい美しさでサポートし、ドヴォルザークもとても丁寧な演奏だった。さらに望むならば、ドヴォルザーク特有の旋律を、もっと歌わせてくれればもっと良かったのだが。

トランペット協奏曲のソリストは、「ベネズエラ出身フローレスは2005年仏フィリップ・ジョーンズ国際コンクール、2006年モーリス・アンドレ国際コンクール、伊ポルチア国際コンクールに立て続けに優勝という1981年生まれのトランペッター」とのこと(MUZAのHPから引用)。日本人トランペッターからは聴いたことがないような抜けきった軽快な音色は、それだけで快感だ。ジョリヴェの小協奏曲は、ピアノを打楽器的につかったトランペット協奏曲という感じ。現代音楽の傾向が強いが、ハイドンとは対照的に超絶的な技巧が求められる。フローレスは、この曲を難なく吹きこなし、満場の拍手を集めていた。

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2008年06月15日

飯森&東京交響楽団 MUZA名曲全集

昨日はMUZA川崎の名曲全集で、午後6時から川崎駅近くのシンフォニーホールへ。客席は先月よりもたくさん入っていて、約9割程度の入り。

出 演
指揮:飯森範親
ピアノ:コンスタンティン・リフシッツ

内 容
ラヴェル/ピアノ協奏曲 ト長調
マーラー/交響曲 第6番 イ短調「悲劇的」

プログラムは上記のとおり。マーラーの交響曲の場合、前半はピアノ協奏曲がカップリングされることがあるけど、モーツァルトが演奏されることが多く、ラヴェルというのは私の記憶では初めて。ここで、ラヴェルの協奏曲とマーラーの6番の共通点を考えてみると、・・・・1.ムチ、2.第二楽章がむちゃくちゃ美しい、・・・・くらいか。

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前半のラヴェルの協奏曲から、オーケストラの配置は1st Vnと2nd Vnが左右に分かれた対向配置で、Dbは舞台正面奥に一直線に配置されている。ドイツのゲヴァントハウス管弦楽団と同じような配置だ。ピアノのリフシッツは、かねてから名前は知っていたけどその音楽を聴くのは初めて。ステージに登場して客席に挨拶するする姿も、なんか洗練されてないカンジで、ピアノの音も、・・・・なんか媚びないというか、響きがあっさりしていて表情に乏しい。これが彼の解釈なのかもしれないけど、いささか拍子抜け。オケの響きも、出だしから意外なほど貧弱で、ぜんぜん鳴っていない。美しい部分もないワケじゃなかったけど、全体としては期待外れの演奏だった。

しかし、後半のマーラーは熱演。先月の「シェエラザード」のヒドイ演奏が耳に残っていたので、期待値は低かったんだけど、飯森の指揮が醸し出す音楽は明晰で明確。この曲の持つ分裂性とか粘っこさ、濃密さを期待する向きには、いささか物足りない演奏だったかもしれないけど、これはこれで一つのアプローチだ。それに加えて、オーケストラは大熱演。たぶん、練習時間の大部分はマーラーで、ラヴェルの練習時間はほとんどなかったんじゃないだろうか。ただ残念だったのは、木管楽器の音色だ。もう少し洗練された響きがあると、もっと良かった。

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2008年05月25日

広上淳一&東京交響楽団 MUZA名曲シリーズ

今日は、MUZA KAWASAKI で行われた名曲シリーズを聴きに行ってきた。会場は、1・2階は概ね満員に近い状況だったが、3・4階は半分程度の入り。全体で7割程度で、ちょっと空席が目立つ。

なお、下記の写真は、Finepix F100fdで、休憩時間に写したもの。ようやく28mm相当の広角レンズを採用したモデルで、高感度に強いことで有名なハニカムCCDを搭載している。クリックすると1200万画素のフルサイズ画像が展開するので要注意!でも、コンパクトカメラとは思えない解像度と高感度特性だと思う(ISO400 6.4mm f3.3 1/60)

DSCF3174

出 演
指揮:広上淳一
ヴァイオリン:鈴木愛理

内 容
ショスタコーヴィチ/ヴァイオリン協奏曲 第1番 イ短調 作品99
リムスキー=コルサコフ/交響組曲「シェエラザード」 作品35

前半のヴァイオリン協奏曲は、なかなかハイレベルな演奏。この曲は、速いパsッセージを弾きこなすテクニックと、怜悧な音色があれば、あとは曲そのもののパワーで押し切ってしまえそうな曲だけど、鈴木の演奏のレベルは決してそこにとどまるものではない。ショスタコーヴィチ特有の諧謔的な音楽を18歳という若さで十分に理解して弾きこなしているし、リズム感も的確。第3楽章冒頭の切々たるソロもとても美しかった。あとは、音そのものの力強さかなー、・・・・それを兼ね備えれば、この曲をより掘り下げた演奏になりそうな気がする。

後半の「シェエラザード」は、前半とは逆で、とっても残念な演奏。この曲を聴くとき、まず何を聴くかといえば、ワタシの場合はまず音色。音の美しさがこの曲の出来の80%を決めるといっても過言ではない!と思うのだが、この日の東京交響楽団はその意味では良いところが(ほとんど)なかった。特に弦楽器は、密度感がなく、薄っぺらな軽い音・・・。木管も金管も、音色的に良いところがない。トロンボーンのソロはきれいな音だったけど、音でか過ぎ。音が重なると、混濁して見通しが悪くなる。オケ全体の音が美しくないのに、広上の指揮もオケを煽ってダイナミックな演奏を目指すものだから、かえってシラけてしまった。

アンコールもあったらしいけど、ワタシはシェエラザードが終わって拍手もソコソコに帰ってしまった。

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2008年04月14日

ユベール・スダーン&東京交響楽団の名曲全集

昨日は、MUZA川崎シンフォニーホールで行われた名曲全集のコンサートに行ってきた。会場は9割強の入り。指揮は、音楽監督のユベール・スダーンによるベートーヴェン・プログラムだ。

  • ベートーヴェン/劇音楽「エグモント」序曲 作品84
  • ベートーヴェン/交響曲 第1番 ハ長調 作品21
  • ベートーヴェン/交響曲 第5番 ハ短調 作品67「運命」

スダーンのアプローチは、とっても端正でオーソドックス。気をてらったところは微塵もなく、安心して聴ける演奏だ。古典の演奏で大事なリズム感も明確で申し分ないが、スダーンらしい個性は何かと問われると、なかなか答えにくい。ま、古典の演奏は、それでいいのだろう。

エグモントと交響曲第5番の弦楽器の構成は14-12-10-10-8と、低域を重視したもの。弦楽器は硬質ながら、やや薄めに聞こえるのがこのオケの特徴だろう。ハイドンとモーツァルトの影響が強く残った交響曲第1番は、12-10-8-6-4の小編成。第4楽章なんかは、明らかにモーツァルトの音楽の中に、のちのベートーヴェンの個性が見え隠れし、エグモントの主題も垣間見える。単なる名曲プログラムではなく、こういった作曲家の変遷が見えるプログラムも面白い。

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2007年02月25日

ノセダ=東京交響楽団(川崎定期演奏会)

 23日の金曜日、MUZA川崎シンフォニーホールで行われた東響川崎定期を聴いた。出演と曲目は下記のとおり。
人気のヴァイオリニスト=諏訪内晶子の登場と、ドラマの「のだめ」でも演奏されたブラ1が演奏されるとあってチケットは売り切れになり、
会場はほぼ満員になった。


 













・指揮=ジャナンドレア・ノセダ

・ヴァイオリン=諏訪内 晶子



・シューベルト:付随音楽「キプロスの女王ロザムンデ」序曲

・シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 作品47

・ブラームス:交響曲 第1番 ハ短調 作品68


 


 それにしても諏訪内晶子を聴くのは久しぶり。彼女が18歳くらいの時からその演奏を聴き、ステージでの姿に接しているけど、・・・
そんな彼女もすでに30代、それも半ばくらいにさしかかるんだろうとと思う。一昨年だっけ?すでに結婚していたことも報道されていたけど、
ステージでの姿はやっぱり大人の女性だ。私の席からは遠くてよくは見えないけれど、知性的で凛とした雰囲気は相変わらずである。
淡いブルーノドレス姿も美しい。


 シベリウスのVn協奏曲は、ワタシも大好きな曲。以前の彼女ならジュリアード流に、蒸留水のようにあっさりととした音楽作りで、
いささか物足りない演奏になったのかもしれない。しかし金曜日の彼女の演奏は、音量も充分で、澄んだ音色も美しく、
微妙な感情表現も非常にバランスが取れている。そこから感じ取れるのは、北欧的に抑制された情熱だ。ヴァイオリン協奏曲は、
CDで聴くほうが音のバランスが良いと思うことが多いけど、この日の演奏は実演が上回った。満足。


 休憩後、後半はブラームス。これも良かった。ノセダはイタリア人指揮者らしく、旋律を歌わせるのが巧い。
テンポは微妙に速めなのだが、音楽の流れが自然でスムーズ。アンサンブル的にはもう少し向上の余地はあると思うけど、
これも満足度が高い演奏だった。ノセダという指揮者、これまで印象が薄かったけど、かなりの実力者である。

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2005年06月10日

スダーン&東響の「トゥーランドット」ベリオ版

 6月10日はミューザ川崎で行われた東京交響楽団川崎定期に行ってきた。プログラムは、
今年の目玉とでも言うべき演奏会形式のプッチーニの「トゥーランドット」で、しかもベリオ補作版による日本初演というオマケつき。
こういう現代的なエッセンスを加えた大規模かつ声楽付き作品を定期に取り入れるのは、東響の毎年のプログラムの傾向だ。
会場は8〜9割程度の入りで、かなりの盛況だった。


 プッチーニは、個人的には最も好きなオペラ作曲家のひとりだ。あの甘美な旋律はたまらんと思うわけだが、
このトゥーランドットも例外じゃない。未完のオペラとはいえ、やはりプッチーニの官能的な旋律が散りばめられている。
この日の演奏をした東京交響楽団は、そのプッチーニの音楽をきれいに演奏していたのが実に印象的だった。さすがに新国立劇場や、
サントリーホールの演奏会形式にオペラに登場しているだけあって、このようなオペラ作品にも長けている。くわえてスダーンの統率力も確かで、
音楽のタテの線をそろえるだけではなく、甘美な旋律の表現にも長けていて、歌手との呼吸感もきちんと揃えてくる。
スダーンが登場するときの東京交響楽団は、1ランク実力が上がったような印象である。


 さらに歌手も良かった。トゥーランドット姫を演じたルチア・マッツァリアは、その役柄に似合ったクールで強靭な声の持ち主。
カラフのレンツォ・トゥリアンも、やわらかい美声の持ち主で、声量も十分。リウの砂川涼子は、この二人と比較すると分が悪いのは否めないが、
清純な雰囲気があって好演。その他の歌手陣、合唱団(東響コーラス)も、不満の無い出来栄えだった。


 さて、注目のベリオの補作部分だが、はっきり言って違和感がある(^_^;)。
きっと補作した本人もプッチーニの意図したものを完成させることを目的に補作したわけではないだろう。もちろん、
プッチーニの完成させた部分の音楽を無視したわけではなく、そのモチーフも用いているけど、ベリオというと「シンフォニア」
というマーラーの曲のコラージュのような曲を思い浮かべるが、なんとなくそういう匂いも感じさせる補作である。
プッチーニのモチーフを借りて、自らの音楽を織り込んでいる。まぁ、今後、ベリオ版が主流になることは無いような気がするけど、・・・まぁ、
いいか。そんなワケで、ベリオ版かどうかという話は抜きにして、とても満足度の高い演奏会だった。


 

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