2010年06月08日

ジャン=クリストフ・スピノジ&新日本フィル サントリー定期

6月4日は、NJPサントリーホール定期演奏会。すこし空席が多く、全体では8割程度の入りだったかなぁ・・・ワタシの周囲だけで見ると7割以下だったかもしれないけど、・・・そんな感じ。だから世間一般的には注目ではない部類のコンサートだあったと思われるのだけど、NJPの触れ込みによると「ヨーロッパオペラ界で飛ぶ鳥落とす勢い、と同時に問題児(?)スピノジが登場、初来日、よって日本デビューが新日本フィル定期公演、しかもこのサントリーホール定期限定である。」とのこと。その真価はいかに。

モーツァルト作曲:歌劇『コジ・ファン・トゥッテ』 序曲
モーツァルト作曲:歌劇『フィガロの結婚』より『恋とはどんなものかしら』
モーツァルト作曲:歌劇『コジ・ファン・トゥッテ』より『この心の中の苛立ち、鎮めがたい思いよ』
ハイドン作曲:交響曲第83番ト短調『雌鶏』Hob.I-83

ロッシーニ作曲:歌劇『セヴィリアの理髪師』序曲
ロッシーニ作曲:歌劇『アルジェのイタリア女』より『むごい運命よ、はかない恋よ』
ロッシーニ作曲:歌劇『セヴィリアの理髪師』より『今の歌声は』
ハイドン作曲:交響曲第82番ハ長調『熊』 Hob. I-82

指揮:ジャン=クリストフ・スピノジ
メゾ・ソプラノ:リナート・シャハム

まず、スピノジのステージへの登場。スリムで長身、ダークなスーツ姿なのに、ちょっとカジュアルな空気感を漂わせるのは、颯爽とした軽快な足取りとスマイルゆえだろうか。実際には1964年生まれの46歳らしいけど、それを知らなければ20代後半〜30代の青年指揮者に見えるだろう。指揮台でのタクトを振る姿は実に表情豊かで、私の席からはもちろん後姿しか見えないけど、ダンシングタクトって感じ。日本人指揮者だと、井上みっちー系かもww ちなみに広上系ではないwww

そして、そのタクトから奏でられる音楽には、強いリズム感と生命力が宿される。食事の席でBGM風に流されるさらさらのモーツァルトやロッシーニではなく、ダンスホールで踊っている人たちが盛り上がったときに奏でられるノリノリの音楽なのだ。オケの持つダイナミックレンジを、ピアニッシモ方向に拡大し、聞こえるか聞こえないかギリギリのピアニッシモから急峻に駆け上がるクレッシェンド、そして明確に強調されたリズム感、そして絶妙なアンサンブル、・・・もしかしたら正統的なモーツァルトやロッシーニとは違うのだろうけど、音楽をエンターテイメントと考えれば、納得できる演奏だ。

メゾのリナート・シャハムは、艶っぽい声の持ち主で、どちらかというとモーツァルトよりもロッシーニのほうが似合う。ステージでの立ち振る舞いは、セミステージ形式に近く、スピノジとのユーモラスな掛け合いもあって、やり過ぎと思えるほどww聴衆を楽しませてくれる。

「雌鳥」で出だしを振り間違える?トラブルはあったものの、トータルで凄く刺激的かつ楽しめるコンサートであったことは間違いない。「熊」では、終わりそうで終わらない第4楽章で、ワザとタクトを下ろして聴衆の拍手を誘発するイタズラまでして、楽しませてくれたw

いや、このスピノジのコンサートが、この一夜だけというのはあまりにももったいない。この人の音楽は、録音ではぜったいに伝わらないものを持っている。その意味ではチェルカスキーと同じ、エンターティナータイプの音楽家だ。次回の来日が実に楽しみだ。

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2010年04月30日

井上道義&新日本フィル@サントリー定期の「青ひげ公の城」

バルトーク作曲弦楽のためのディヴェルティメント
バルトーク作曲歌劇『青ひげ公の城』op.11(演奏会形式)

指揮:井上道義
青ひげ公:イシュトヴァーン・コヴァーチ*
ユーディト:イルディコ・コムロシ
吟遊詩人:押切英希

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2010年02月11日

ヒュー・ウルフ&新日本フィル サントリー定期

2月11日、冷たい雨がパラパラと降り始める中、サントリーホールでのNJP定期に行ってきた。客の入りは8割程度。まぁ、曲目がこれだけ地味だと、むしろよく入ったのかなという感じ。コンマスは、久々の豊嶋氏。

プロコフィエフ作曲交響曲第1番ニ長調『古典交響曲』op.25
プロコフィエフ作曲ヴァイオリン協奏曲第1番ニ長調 op.19
ドヴォルジャーク作曲交響曲第6番ニ長調 op.60

指揮:ヒュー・ウルフ
ヴァイオリン:イェウン・チェ

まずはヴァイオリン協奏曲から。ソリストのチェは韓国出身で、まだ21歳のヴァイオリニスト。ステージが遠かったので断言できないけど、たぶんキレイな人(^-^;)。まだ華々しいコンクールの優勝歴みたいなものはないけれど、とても誠実な音楽作りをする人だ。テクニックに走るところもなく、堂々とした音楽を志向するところが好ましい。怜悧な音色も、プロコフィエフに適していて、とても美しい。演奏頻度が高い曲ではないけれど、プロコフィエフ独特の鋭角的な音楽が垣間見えて、なかなかの好印象の演奏だった。アンコールはバッハの無伴奏からサラバンド。

一方で、プロコの古典交響曲とドヴォルザークの6番は、評価はビミョー。決して悪い演奏ではないのだが、どちらも力が入りすぎてffの部分だけが目立ってしまい、起伏が乏しくなって平板な演奏になってしまった感じ。古典交響曲は、ホントはもっと面白い曲のはず。ヴォ6ははじめて聴く曲だったけど、これは多分もとから冗長な曲なんだから仕方がないのかも。第4楽章のラストは、なんとなくブラームスの2番のラストに似ているなぁ。

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2009年11月18日

アルミンク&NJPのマーラー交響曲第8番@サントリーホール

今日は新日本フィルのサントリー定期。曲は一夜限りのマーラー「千人の交響曲」ということもあって、チケットは完売。

20091118-1

指揮:クリスティアン・アルミンク
ソプラノ:マヌエラ・ウール、宮平真希子、安井陽子
アルト :アレクサンドラ・ペーターザマー、清水華澄
テノール:ジョン・ヴィラーズ
バリトン:ユルゲン・リン
バス:ロベルト・ホルツァー
合唱:栗友会合唱団、武蔵野音楽大学室内合唱団
合唱指揮:栗山文昭
児童合唱:東京少年少女合唱隊
児童合唱指揮:長谷川久恵

アルミンクのマーラーに熱心の取り組んでいるけど、その評価は賛否両論。マーラーファンの多くがバーンスタイン的・・・・いや、そこまでいかなくても、ある程度、濃密系の音楽作りを好んでいるのに対し、アルミンクのマーラーは明らかに淡麗系。新日本フィルの音自体が薄めということもあるけど、あっさりとした音楽作りをしている印象が強い。そんなアルミンクが、マーラーの中でも最大級の交響曲に挑んだ。

ステージには150人程度のオーケストラ、Pブロックには250人程度の合唱団、RBブロックの後ろには50人程度の少年合唱、LDブロック前には数人のバンダという規模。さすがに無傷の演奏というわけにはいかない。独唱では、バスが不調な感じがしたし、合唱もやや力が入りすぎて美しさに欠ける瞬間もあった。オケはやはり薄めだし、アルミンクの第一部のアプローチは、あっさりとしすぎている。それでも、全体的に見れば、非常に感動的な演奏だったことは、声を大にして行っておきたい。

特に第二部のテノールのソロ以降は、とても美しく、純度が高く、天国的なマーラーを聴かせてくれたことは特筆に価する。ワタシは、その美しさ、感動的な音楽に落涙しました。いや、ワタシ的に、この曲を聴きたい気分だったのかもしれないし、多少の欠点なんて吹き飛ばしてしまう力が、この音楽にはあるんじゃないかと思う。カーテンコールは盛り上がって、大きな拍手に包まれ、何度も何度もアルミンクやソリストがステージに呼び戻された。

ま、いいじゃないか、淡麗系のマーラーだって。

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2009年10月22日

イオン・マリン&新日本フィル @サントリーホール

今日はNJPサントリー定期。ちと疲れ気味だったので気が重かったけど、仕事が終わってから歩いてサントリーホールまで向かった。道中、新しい店ができていたり、これまであった店が無くなっていたり、工事中だったりと、都会の景色の移り変わりの早さを感じつつ、サントリーホールへ。会場は約7割弱の入りで、ちょっと空席が目立つ感じ。

エネスコ作曲/ルーマニア狂詩曲第1番イ長調 op.11-1
ガーシュウィン作曲/ヘ調のピアノ協奏曲
ストラヴィンスキー作曲/バレエ音楽『火の鳥』 (全曲)

指揮:イオン・マリン
ピアノ:江口玲

20091022-1

結論から言うと、ちょっとモノ足りない演奏会だったかなぁ。

最初のエネスコは、音色や豊かな残響が心地よく、おもちゃ箱みたいな楽想の移り変わりを楽しめたんだけど、2曲目のガーシュウィンは遊び心が足りない感じ。たぶんチェルカスキーが健在だったら、彼のキャラクターにピッタリの曲だったんだろうけど、江口のピアノは生真面目さが残ってしまって、リズムのメリハリ、音のキレ、音色のパレットも不足しているのが印象だ。決して悪い演奏ではなかったとは思うけど、この曲はもっともっと面白く演奏できるはずだと思う。

メインの「火の鳥」はダイナミックで、音の強弱を最大限に生かした演奏ではあったけど、・・・・良いところはそれだけ。音色のパレット、音の美しさが不足気味で、ずっと聴いていると飽きてきてしまう。この曲は、豪華な音の絵巻物だ。モノトーンで、音の曲弱だけで物語を紡ごうともしても、絵巻物にはならない。もっと歌って欲しいところであっさりと流してしまったり、もう少しスピード感が欲しいところでゆっくりとだったりと、ワタシ的な好みとは違うところもあって、やや退屈な演奏だったのはザンネン。カーテンコールの拍手も、この手の曲の後としては盛り上がりに欠けたものになったような・・・・。

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2009年09月23日

アルミンク&新日本フィル @サントリーホール

NJP新シーズンの開幕を飾る定期演奏会、今年はサントリーホールで迎えることになりました。これまでずっとNJPのフランチャイズたる墨田トリフォニーの定期会員だったんだけど、思うところがあって今シーズンは「異動」することにしたノダ。

理由その1=自宅や勤務先から遠い気がする・・・・実際はそんなに時間は変わらないんだけど、距離的に錦糸町は遠く感じてしまうのだよ。理由その2=トリフォニーは3階席からステージが見にくいし、音も硬すぎる。一方、トリフォニーのほうがプログラム的には興味をそそられるモノが多く、サントリーだと座席ランクを上げないと正面側に座れないというのがあって、ずっとトリフォニーに行っていたんだけど、今シーズンは思い切ってサントリーに変わってみたというワケ。

・シュニトケ作曲 モーツ・アルト・ア・ラ・ハイドン (1977)
・シマノフスキ作曲 交響曲第4番『協奏交響曲』 op.60
・シューベルト作曲 交響曲第8番ハ長調『グレイト』 D.944

・指揮:クリスティアン・アルミンク
・ピアノ:クン=ウー・パイク

プログラム的にビミョーなせいなのか、それとも元々定期会員が少ないのか、それとも連休最終日のせい?・・・会場は空席が目立ち、8割ちょっとの入り。で、・・・すいません、前半の2曲は正直言って全く波長が合わない曲ですた(汗)。

一曲めは、モーツァルトをモチーフにしたシュニトケ流のパラフレーズ。最初に舞台が完全に暗転し、そこから夜の森の中から聞こえる動物や鳥の鳴き声のような響きが聞こえてくる。少人数の弦楽器だけで構成された奏者たちは、コンマスの音だけが頼りで弾いてると思われ。そして舞台の照明が点り、モーツァルトの断片と思われる戦慄がいくつも登場し、消えていく。最後はハイドンの「告別」よろしく、VnとVla奏者は、弾きながら舞台袖に消えて行き、指揮者のスポットだけを残すだけになる。アルミンクは指揮棒を振り続けるが、あれっ? 誰もいないっ!というオチで終わる。シアターピース的な要素があるけど、面白いかと問われると否定的な答えになってしまう。アイデアとしても凡庸な印象がぬぐえない。音楽的にも?。

シマノフスキは、鋭角的な響きが印象的な曲だが、・・・・聴き疲れする曲ですな。

後半は「グレート」。晩年のシューベルトの作品だが、その演奏はとても若々しく清冽な印象だ。「晩年」とはいってもシューベルトが死去したのは31歳。グレートの作曲はその数年前、・・・現代で言えばまだ青年の作曲した曲である。よくありがちな重厚な演奏はむしろ似合わないのかもしれない。サントリーホールで聴くNJPの響きは、トリフォニーのそれと比べて、とても豊かで弦楽器がとてもキレイに響く。アルミンク流の「グレート」、特に第3楽章、第4楽章は良かったデス。

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2009年07月20日

アルミンク&新日本フィル オラトリオ「7つの封印を有する書」

かなり時間が経過してしまったけど、八重山から帰ってきて一番最初に行ったコンサートが、7月10日(金)のNJPトリフォニー定期演奏会。ウィーンの作曲家であるシュミットの『7つの封印を有する書』というオラトリオで、ヨハネの黙示録をテーマにした5人のソリスト、合唱を要する大作。上演される機会はきわめてマレで、ワタシ自身始めて聴く曲になる。

フランツ・シュミット作曲 オラトリオ『七つの封印を有する書』

指揮:クリスティアン・アルミンク

ヨハネ:ヘルベルト・リッペルト(テノール)
ソプラノ:増田のり子
アルト:加納悦子
テノール:吉田浩之
バス:クルト・リドル
オルガン:室住素子
合唱:栗友会合唱団

20世紀前半に作曲されたこのオラトリオ、音楽的にはゲンダイ音楽というよりも濃密なロマン派の系統を感じさせる。その意味では、難解さ、聴きにくさはなく、とても聴きやすい作品だ。しかーし、音楽のテーマは、強烈な違和感を禁じえない。

同じキリスト教をテーマにした作品は山のようにあって、ワタシたち日本人でも馴染みが深い。特にバッハの「マタイ受難曲」なんかは、宗教的というよりも、より普遍的な人間性を感じさせて、とても深い共感を呼び起こす。でも、この「七つの封印を有する書」は、キリスト教の中でも議論のマトとなることが多かった黙示録。ゆえに、そこから感じ取れるのはキリスト教を弾圧してきた者たちへの怒りであったり、憎悪であり、そして「最後の審判」で救済されるのはキリスト教を信じるものたちだけという思想なのだ。いや、ワタシはキリスト教の信者ではないので、解釈が間違っているかもしれないけど、演奏会の字幕スーパーから感じた歌詞から感じたのは、そーゆー思想なのだ。

音楽的には、こういったおどろおどろしいトコロは少なく、とても美しい旋律が響く。この思想にアレルギー反応を示すか示さないかによって、この日の演奏会の評価は変わってしまうかもしれないけど、純音楽的に評価するとすればヨハネを歌ったリッペルドは、美しい声の持ち主だけど、やや不安定さを除かせていっぱいいっぱいの様子。その他の歌手は、クルト・リドルを筆頭に申し分ない出来栄え。合唱団も素晴らしかったし、管弦楽も非常に高い完成度を見せてくれた。

ただ、・・・・また聴きたい曲かと問われると、否定的にならざるを得ないのだが(爆)。

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2009年03月07日

ダニエル・ハーディング&新日本フィル

3月6日の金曜日は冷たい雨が降りしきる中、新日本フィルのトリフォニー定期演奏会で、フランスの名曲プログラムに行ってきた。指揮は、注目を集めているダニエル・ハーディングだが、ワタシ的にははじめて聴く指揮者。

ドビュッシー作曲 牧神の午後への前奏曲
ラヴェル作曲 ラ・ヴァルス
ベルリオーズ作曲 幻想交響曲 op.14

指揮:ダニエル・ハーディング

オケの配置は、1stと2nd Vnを左右に振り分ける古典的な対向配置で、Dbは1stの後ろに配置されるタイプ。「牧神・・・」は、最初のホルンから躓いてしまって、・・・こういう神秘的な雰囲気が漂う曲は演奏する側ももちろんだけど、聴き手の心の準備という点からもプログラムの最初というのは難しいような気もする。2曲目はラ・ヴァルス、こんな変態的な3拍子でどうやって踊るんだ!というツッコミを入れたくなるようなリズム感が心地よい(爆)。結局、この日のプログラムで一番良かったのは、この曲だった。

休憩後の「幻想」は、かなりアザトイ演奏。まずオケの配置は、前半と同じ対向配置なんだけど、ステージを見て驚くのはハープが指揮者の前に4本!!!どどーんと置かれている。2楽章の舞踏会のシーンで奏でられるハープは、ふつうは2本のはずだけど、左右に振り分けられていて、それが交互に演奏され、立体的な音響効果を生み出している・・・・はずなのだが、ワタシの座席位置だとその効果はいまひとつ(ザンネン)。ハーディングもいろいろな小細工を仕込んでくるんだけど、それが音楽的に効果をあげているかというと、ちょっとなぁ・・・・という感じで、音楽的なつながりだけでなく、音楽の持つドラマ性・ストーリー性までが希薄になってしまうのだ。

終焉後の客席はおおいに盛り上がっていたので、私のような感想は少数派かもしれないけど、個人的には好みの対応の指揮者ではないなぁ・・・。もしかしたら10年くらい前のワタシだったら別の感想を持ったのかもしれないけど。

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2009年02月07日

ブリュッヘン&新日本フィルの「天地創造」

2月6日(金)はトリフォニーホールで行われたNJP定期演奏会に行ってきた。指揮は、18世紀オーケストラを率いて古楽演奏のブームを牽引したフランス・ブリュッヘンが登場で、曲目は、ハイドンのオラトリオ「天地創造」だ。

指揮:フランス・ブリュッヘン
天使ガブリエル、イヴ : マリン・ハルテリウス(ソプラノ)
天使ウリエル: ジョン・マーク・エインズリー(テノール)
天使ラファエル、アダム : デイヴィッド・ウィルソン=ジョンソン(バス)
合唱:栗友会合唱団

「天地創造」もワタシ的には、えーと、・・・・確か聴くのは2回目。前に聞いたのは、はたして何年前だったか思い出せないくらいに久しぶり。そんなワケで、初めて聴く曲のような新鮮なキモチ(ウソ)で演奏会に挑んだのだが、曲そのものは・・・古典だから当たり前といえば当たり前だが、とても明晰でわかりやすい曲である。聖書の天地創造のストーリーながら、曲の部分によってはモーツァルトのオペラのように聞こえるところもあって、その意味では音楽の時代による変遷が伝わってくる。

演奏はもちろんモダン楽器を使った演奏。ブリュッヘンの指揮は、とっても端正で明晰な演奏である。いつもはチカラが入りすぎて音が硬くなってしまう傾向が強いNJPだが、この日のオケは適度に力が抜けた感じがして、そのおかげもあって響きも芳醇。失礼ながら、「NJPってこんなにアンサンブルが良かったっけ?」って思うほど美しい管弦楽が響いてくる。長時間の演奏ながら、時間の長さを感じさせない。

ソリストの3人もとても高水準で、清純なソプラノのハルテリウス、柔らかく伸びやかなテノールのエインズリー、これまた柔和で深い歌声のバスのウィルソン=ジョンソンは、いずれ劣らぬ素晴らしさ。さらに栗友会の合唱も、とても高水準で文句なし。日本でこの「天地創造」が演奏される機会はとても少ないと思うけど、たぶん、これだけの水準の「天地創造」に再び出会うことは少ないんじゃないかと思う。

残念だったのは、客席で対訳のページをめくる音のヒドさ。あれだけ無遠慮にページをめくる人の多さ、マナーの悪さはザンネン。

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2008年09月28日

アルミンク&NJPの「ばらの騎士」

新日本フィルの新たなシーズンの幕開けを飾る9月の定期演奏会は、R・シュトラウスの歌劇の中でも最も高い人気を誇るであろう「ばらの騎士」、その演奏会形式での上演だ。ホントは26日(木)のチケットを持っていたんだけど、仕事の都合で振替制度を利用し、ランクアップの差額を払ったもののなんとか土曜日の公演に振り替えが可能となった。会場のトリフォニーホールは、9割強の入り。

指揮:クリスティアン・アルミンク
元帥夫人:ナンシー・グスタフソン
オクタヴィアン:藤村実穂子
オックス男爵:ビャーニ・トール・クリスティンソン
ゾフィー:ヒェン・ライス
ファーニナル:ユルゲン・リン
マリアンネ:田中三佐代
ヴァルツァッキ:谷川佳幸
アンニーナ:増田弥生
歌手:佐野成宏
合唱:栗友会合唱団・東京少年少女合唱隊

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今回の座席は、3階のバルコニーR側。ステージは、後方にオーケストラ、前方左側に三角形のステージが作られ、コンサートオペラの形式ながら、そこで物語が展開される。したがって、私の席=バルコニーR側からは、ちょっと見にくいステージになってしまった。ちなみに上の写真は第2幕が終わっての休憩中のステージだ。

まずは飯塚励生のつくった演出から。このステージの一番の特徴は、たぶん元帥夫人の幼少時代と少女時代をイメージした天使が登場し、その二人がずっと物語の進行を見守り、そしてハッピーエンドに導くために舞台上で狂言回しを演じていることだろうと思う。この天使は劇団ひまわりの子役が演じていて、最初は何かな?と思ったし、天使がいなくても十分に物語としては成立するだけに必然性には乏しいと思うけど、まぁ、新しい試みとして率直に面白かったと思う。

登場人物の衣装を見ると、時代設定は20世紀前半か。飯塚の演出は、アイデアに満ちていて、それが最もたくさん凝らされていたのは第2幕。ばらの騎士が登場するシーンでは、1階客席通路に合唱団を並ばせて「ロフラーノ!」の合唱、そしてサイドの扉からオクタヴィアンが登場し、ステージに駆け上る。さらにオックス男爵の手下のチンピラが、ファーニナル家の女中たちを追い掛け回すシーンも1階と2階の客席だ。このようなコンサートオペラ形式の場合、客席とステージを一体化させる手法は定番だけど、とても効果的だ。このような形式での上演としては、やや演出過剰という声もあるだろうと思うけど、個人的には好きな系統の演出だ。また飯塚の演出する舞台を見てみたいと思う。

次に歌手。一番の収穫は、ゾフィーを歌ったヒェン・ライス。リンク先をごらんいただければお分かりの通り、とっても美人。ステージでの姿も良く映える。よく営業用の写真と実物で、「何年前の写真を使ってんねん」とか、「どんな修正してんねん」とか、その格差に驚かざるを得ないヒトも多いけど、この人に関してはそんな心配はご無用。声は、硬質でよく通るコロラトゥーラ系か。第2幕冒頭での結婚にあこがれる夢見る少女としての表現はイマイチだったけど、その後の気丈でしっかり者のゾフィーは、とても澪力的に演じてくれた。

ついで、オクタヴィアン役は初めてといいう藤村実保子。いまや日本を代表するメゾである藤村が、少年の役を歌うというのは注目だ。それにしても彼女の声量はスゴイ。メゾとして美しい声を保ちながらも、ホールを満たす声量の豊かさには驚くばかり。ビャーニ・トール・クリスティンソンの演じたオックス男爵も、往年のクルト・モルを思わせるような声で、これからが楽しみな歌手だ。ナンシー・グスタフソンの元帥夫人も良かったが、もう少し地位の高さに裏付けられた凛とした強さを感じさせても良かったのではないかと思う。ファーニナルを歌ったユルゲン・リンは、この役柄としてはちょっと声が強すぎるイメージかも。歌手の佐野は、端役であるにもかかわらずサスガです。

オケは、R・シュトラウスの官能的な色彩感が不足気味。それに旋律の歌わせ方が浅い感じがしたし、歌手も含めた全体のアンサンブルとしてはもっともっと向上が望めるのではないかと思う。私の席の位置に原因があるのかもしれないけど、声とオケのバランス、歌手同士の声のバランスがイマイチのシーンも多かった。

それでもこの「ばらの騎士」を見終わった後は、あの三重唱〜二重唱の美しさが心に残る。やっぱり、「ばらの騎士」はいいオペラだよなぁ。

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2008年07月19日

アルミンク&新日本フィル トリフォニー定期(7/18)

いやー、今月の新日本フィルのプログラムは凄いっ。どういう風に凄いかっていうと、まず、この定期の一回券を買って聴きに来る人というのは、稀有なリスナーの方々でしょ・・・と確信するに十分なプログラム。下記のプログラムを見て、聴きに行きたいと思った人・・・います?

・ショスタコーヴィチ作曲 ヴァイオリン協奏曲 第2番 嬰ハ短調 op.129
・ウィリ作曲 永劫〜ホルンとオーケストラのための協奏曲(2007)(日本初演)
・ベートーヴェン作曲 交響曲 第2番 ニ長調 op.36

・指揮:クリスティアン・アルミンク
・ヴァイオリン:崔 文洙

選曲された三曲に特別な関連性があるとも思えないし、ショスタコv協も演奏頻度が一番よりもかなり少ない二番が選曲され、日本初演の現代音楽が続き、そしてメインにはベートーヴェンの中でも最も演奏されることがすくないと思われる交響曲第二番・・・・。まぁ、いいんですけど、中にはこういう曲が好きな人もいるでしょうし。 会場は空席ばかりというワケではなく、1階席は7割くらいは入っていたので、そんなに閑古鳥度が高かったわけではなかったのは、定期会員の律儀な出席率によるものだろう(汗)。最近は個人的な音楽的嗜好性にも変化があって、音楽に癒しを求めるようになったので、小難しい音楽を聴くのが少しづつしんどくなってきている。

で、演奏内容的にはどうだったかというと、ぼけーっと聴いていたのでよくわからないのだが、チェ氏がソリストとなったヴァイオリン協奏曲を聴くのは初めてだと思うのだが、ショスタコらしい怜悧な音色が魅力的な演奏だった。ただ、この曲の前半は作曲者のひとりごとみたいな音楽が延々と続く感じなので、どうも楽しみにくい。後半は、推進力がある音楽に変わり、身を乗り出して聴きたくなる音楽だ。

ウィリの初演作品は、最初にはジャズの要素も取り入れられた、現代音楽と中では親しみやすいタイプの音楽で、10分程度の小品だ。でも、また聴きたい音楽かというと・・・・。

ベートーヴェンの2番は、初期の作品で、演奏する指揮者によってはモーツァルトのような雰囲気が醸し出されることもあるけど、アルミンクの演奏はそれとは対照的で、むしろエロイカ的な響きが感じられる演奏だった。しかし、まぁ、なんというか、・・・印象に残りにくい演奏だったなぁ。プログラムに原因があるのかもしれないけど。

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2008年03月15日

アルミンク&新日本フィル

3月14日(金)の錦糸町トリフォニーホールで行われたNJP定期に行ってきた。あ〜、久々じゃ。

今日は天候不順で、昼過ぎにはお日さまが顔を出したりしたけど、大粒の雨が降ったり止んだりで、かなり変わりやすい天気。コンサートが始まる前も大雨の状態で、客席も空席がちょっと目立ってしまった。指揮者は音楽監督のアルミンク、曲目はシベリウスのヴァイオリン協奏曲とマーラーの交響曲第4番。

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まず前半は大好きなシベリウスのヴァイオリン協奏曲で、独奏はジュリアン・ラクリン。期待して聴いたんだけど、・・・・うーん、ちと期待外れ。まず問題なのは音色。音量は大きく、豊かな低音は魅力的なんだが、音色はどう考えても美しいとは言えない。あえて渋めの音色を目指したんだろうとは思うけど、音が濁ったような印象はぬぐえないのだ。何よりも音色の美しさ、多彩さを重視するワタシとしては、これはイタダケナイ。旋律の歌いまわしなどは面白かっただけに残念。でもアンコールのバッハの無伴奏サラバンドは美しい音色だったことは付け加えておきたい。

後半はマーラーの4番。もともとこの曲はマーラー特有のねちっこさや分裂性が希薄なだけに、アルミンクらしいとっても爽やかな演奏だった。オーケストラの演奏も美しく、とても丁寧に練り上げられている印象があったし、ソプラノのアルヴィア・シュヴァルツも若々しい歌声を聴かせてくれた。まぁ、マーラー好きからすると、もう少し濃密な演奏が好みという向きも多いと思うけど、4番に限ってはこういうさわやかな演奏も悪くない。個人的には満足。

で、今回はトリフォニーの1階後方にはじめて座ったなんだけど、意外と音がきれい。もちろん3階席の方が弦楽器の音が厚く、バランスが良いのは言うまでもないけど、1階席だからと言って大きな不満は感じなかった。それにステージが3階よりもはるかに見やすい。視覚を重視するか、音を重視するかは好き好きだけど、さて、来シーズンはどっちを重視しようかな。

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2006年01月07日

大野和士&新日本フィルのショスタコーヴィチ

 今年最初のコンサートは、1月6日にトリフォニーで行われた大野和士&新日本フィルの定期演奏会。
久しぶりに大野和士を聞いてみたかったし、ショスタコの選曲も興味深かったので、異常に冷え込む気温の中を錦糸町まで足を伸ばしてみた。


 最初に江村哲二という人の作曲した「武満徹の追憶に《地平線のクオリア》オーケストラのための」という曲が初演された。
オケのパートを左右に振り分けての編成で、ハープが印象的に使われて響きがとても美しい。武満にも通じる、響きの透明感を感じさせる。


 続いてショスタコのピアノ協奏曲第一番で、ソリストはシモン・トルプチェスキという人。この曲は、ピアノと独奏トランペット
(この日はNJP首席のデイヴィット・ヘルツォーク)との掛け合いがスリリングで、個人的にも好きな曲のひとつである。このピアニスト、
透明感のある冷色系の音色が美しく、ショスタコの楽想に良く似合う。テクニック的にも不安を感じさせず、この曲の魅力を存分に引き出した。
終曲のスピード感に、ちょっとトランペットが付いていけていないような感じもあったけど、全体としては満足の演奏を聞かせてくれた。


 休憩後は、メインのショスタコ交響曲第4番。演奏される機会は少ないが、これもとてもスリリングな曲である。
1時間にわたる大作だけに、途中で緊張感が緩んでしまったような箇所もあったけど、個人的にはすごく良かった。
大野和士を久しぶりに聞いたけど、オケをまとめる統率力の確かさ、これはサスガである。弦楽器を冷色系の音色を整え、
破天荒な構造のこの曲を、決してバラバラにならないように描ききったのがひとえに指揮者の力量だろう。時としてNJPは肩に力が入りすぎて、
音が硬くガサついたりすることもあるんだけど、この日のNJPは適度に柔らかさを兼ね備えていて、とても良い出来栄え。
久しぶりに良いオケの演奏を聴けた。


 ところで、この日のNJPのプログラムには、次シーズンのプログラムが掲載されていたんだけど、
その予定を見るとサントリーホールは2007年4月からしばらくの間休館するみたいですね。
他オケの定期演奏会もサントリーに集中しているから、かなり大きな影響がありそう。

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2005年03月17日

アルミンク&NJP「レオノーレ」日本初演

 3月の新日本フィル・トリフォニー定期は、演奏会形式のオペラで、ベートーヴェン「レオノーレ」
の日本初演である。「レオノーレ」は、ベートーヴェン唯一のオペラとして知られている「フィデリオ」の原型となった作品で、
基本的なストーリーは同じものだと思って間違いないけど、
音楽的にはベートーヴェン以前の作曲家の作風もところどころ顔を覗かせる。ただし、私は「フィデリオ」
は2回くらい見たことはあるけれど、残念ながらあまり好きな作品ではないので、聞き込んでいるオペラではない。そんなワケで
「フィデリオ」と「レオノーレ」との相違点については、そんなに気にしていないので、
まったく新しいオペラとして楽しませていただいた。


 最初から余談だが、NJPの音楽監督のクリスティアン・アルミンクは、ビジュアル的に「のだめカンタービレ」に出てくるジャン・
ドナディウのイメージに似ている。「のだめ」を指揮者コンクールのストーリーにジャンが登場したときに、
真っ先に思い浮かんだのはアルミンクだった。漫画の中のジャンはフランス的に軽やかな音楽を得意とするタイプであり、
現実のアルミンクはドイツものを得意とする指揮者なので、対照的なタイプである。そして、この定期演奏会で「レオノーレ」を聴いて、
アルミンクという指揮者の力量を実感した。NJPは本当に良い指揮者を音楽監督に迎えたものである。


 アルミンク&NJPが描き出す「レオノーレ」は、ドイツ的な渋めの音色で描きつつも、オケの音の重なりがクリアーで見通しが良い。
そして何よりも、音楽の流れに変な作為やよどみもなく、とても自然なのだ。もしかしたら、
ベートーヴェン的な重量感が足りないと言う向きもあるかもしれないが、私は鈍牛のような音楽作りだけがベートーヴェンだとは思わない。
アルミンクの指揮だと、繊細な筆致で描く若々しく生命感がある作風に、聴き手は安心して音楽に身を任せられる。この日の演奏は、
セリフを大幅にカットしての上演だったと言うこともあるのだろうけど、以前に見た「フィデリオ」よりも音楽を楽しめた。
演出は少し陳腐な感じはしたけれど、歌手は総じて高水準。中でもドン・ピツァロを歌ったハルトムート・ヴェルカーの表現力を特筆したい。


 新日本フィルと言うと、良くも悪くも小澤のオケというイメージが付きまとっていたけれど、
アルミンクはそのイメージを払底する可能性を持っていると思う。将来性を考えると、
これからが旬の指揮者として今のうちに聴いておきたい音楽家ではないだろうか。

posted by のら at 23:32| Comment(0) | orchestra-NJP

2005年02月25日

ブリュッヘン&新日本フィル

 25日の金曜日はブリュッヘン&新日本フィルのサントリーホール定期である。トリフォニー定期では、
モダン楽器を用いながらピリオド楽器の奏法を応用して清新な演奏を聞かせてくれたが、このサントリー定期ではシューベルトの「未完成」と
「グレイト」が演奏された。


 以前にも書いたけど、私はあまり古楽器演奏を聴く機会は少ない。というのは、私の経験の範囲内では、
古楽器による演奏で魅力的な音を聴いた記憶がないからである。古楽器演奏がブームの頃にライヴでの演奏を聴いた経験は何回かあるけど、
今の私は好んで古楽器演奏を聴こうとは思わない。むろん、古楽器にもそれなりの魅力はあると思うけど、
それは古楽器演奏に適したホールで演奏しての話であろうと思っている。古楽器オケを現代の2000人近い収容人員の大ホールで演奏しても、
古楽器の評価を低くする結果しか生まないだろう。


 そんなワケで、もし、作曲された当時の演奏を現代に再現するのであれば、
個人的にはモダン楽器を使ってピリオド奏法で演奏するほうがベターなのではないかと思っている。実際、このブリュッヘン&
新日本フィルの演奏を聴いて、改めてそう思った。シンプルなボウイングから醸し出される清新な弦楽器の響き、
そこに積み重なる木管や金管楽器の音。それは重層的な響きの積み重ねを持ちながら、スケルトン的な透明感すら感じさせる。
贅肉をそぎ落としたシューベルトの世界。ロマン派の手垢にまみれた演奏スタイルから、ブリュッヘンは贅肉を削ぎ落とし、
解放したかのようである。


 ま、もともとシューベルトが好きな曲かというと必ずしもそうではないし、
解釈の好き嫌いもあるのでワタシ的には感動の境地には至らなかったのだが、
新日本フィルの潜在能力を十二分に引き出したブリュッヘンの力量も凄いと思う。今度、来日するときがあったら、
もっとコテコテのロマン派的な曲を聴いてみたいものである。ブリュッヘンによって、曲のイメージがどれだけ変わるのか、興味はつきない。

posted by のら at 23:30| Comment(0) | orchestra-NJP

2005年02月18日

ブリュッヘン&新日本フィル

 2月18日は、新日本フィルのトリフォニー定期一日目。このコンサートの注目は、古楽演奏の草分けであり、
日本のオケを始めて指揮するブリュッヘンだ。どうしても「ブリュッヘン=古楽演奏」というイメージが付きまとうけど、
この演奏会はもちろんモダン楽器がメインである。



  • ラモー:歌劇「ナイス」から序曲・シャコンヌ

  • モーツァルト:交響曲第31番

  • シューマン:交響曲第2番


 最初のラモーだけはナチュラル・トランペットと思われる管楽器を使っていたほかは、すべてモダン楽器による演奏である。正直、
前半の2曲は「ぼけーっ」という感じで聴いてしまったのでノーコメント(^_^;)。しかし、後半のシューマンには感銘を受けた。
シューマンもあまり馴染みのある曲ではないのだが、ブリュッヘンのアプローチは極めて丁寧で、ロマン派的な贅肉をそぎ落とした、
とてもシンプルな演奏である。各楽器のパートがきれいに分離して、混濁のない室内楽的な演奏は好感が持てる。音楽の流れもとても自然で、
こういう空気感を醸し出せる指揮者はなかなかいないように思う。最後の高揚感に至るまで、
ゆったりじっくりとシューマンの交響曲を堪能させていただいた。うん、意外とシューマンの交響曲もいいじゃん! 


 25日はサントリーホールでシューベルトの「未完成」と「グレイト」である。こっちのほうが馴染みの曲なので、個人的には楽しみ!

posted by のら at 23:27| Comment(0) | orchestra-NJP