2010年12月20日

フルシャ&都響定期(12/20 東京文化会館)

都響の定期で、東京文化会館が満員になることは少ないけど、まだ知名度が高いとはいえない若手指揮者で、しかもメインがマルティヌーというプログラムにも関わらず、今日の演奏会は5回サイドの端まで聴取が入って、ほとんど満員。若干の空席はあるものの、フルシャの凄さが広まった結果だろうと思う。いまはネット社会、・・・・良い指揮者の評判は、すぐに広がる。

第709回定期演奏会 Aシリーズ
ヤクブ・フルシャ プリンシパル・ゲスト・コンダクター就任披露公演

会場:東京文化会館

指揮:ヤクブ・フルシャ
ピアノ:ニコライ・ルガンスキー

リスト:交響詩「レ・プレリュード」
ショパン:ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 作品11
マルティヌー:交響曲第3番

リストのプレリュードは、もはや巨匠風の堂々たる演奏。都響の暑い弦楽器がオルガンのように響き、音楽の骨格を作り上げる。もう少し早めの演奏のほうがワタシの好みではあるのだけど、これはこれで立派な演奏。つづくショパンは、個人的にはザンネンな演奏ー。ショパン特有の身悶えするようなロマンティックな楽想がぜんぜんイメージと違う。打鍵が強すぎ、詩情が乏しく、歌心がないー!!って単に好みの問題かもしれないけど、ぜんぜんイメージと違う演奏なのだよ。それにコンサート中の客席の雑音も大杉!!演奏はすぐにドアを出てしまったのだが、会場内は大きな拍手で「幻想即興曲」をアンコール。ドアから漏れ聞こえる演奏を聴いていても、・・・・ダメだ、これはww まぁ、でも、このピアニストに関しては、ワタシのような評価は少数派だとは思うw

後半のマルティヌー。これはフルシャの真骨頂が発揮された演奏と言ってよいと思う。まだこの曲の真価を理解できているとは言いがたいのだが、美しくも悲しく、そして戦争への怒りが内包された作品だ。都響の演奏は、室内楽的な演奏で、透明感と密度感がある弦楽器が美しい。いやー、29歳の指揮者がこんな完成度の高い演奏しちゃっていいのかなー?と思うほど、隙のない内容で、これは文句なし。

フルシャには最低でも年2回は都響に客演して欲しいよ。プログラムも東欧系ばかりじゃなくって、もっと多彩なプログラムを聴いてみたい。でも来年12月までおあずけorz

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2010年12月14日

ヤクブ・フルシャPGC就任披露演奏会(都響サントリー定期)

ヤクブ・フルシャをはじめて聴いたのは2008年5月14日のこと。その時のプロコフィエフ「ロミオとジュリエット」抜粋は、若干26歳の指揮者とは思えない完成度で、その才能の素晴らしさを見せてくれた。・・・・あれから2年、フルシャは「ゲストプリンシパル・コンダクター」という立場で都響の指揮台に帰ってきた。いまの都響の顔は言うまでもなくエリアフ・インバルだけど、なんとなく一枚看板というという印象だった。ここにタイプの違う俊英ヤクブ・フルシャが加わったことは指揮者陣の厚みを数倍に増す効果があると思われ。

20101214

第708回定期演奏会
Bシリーズ ヤクブ・フルシャ プリンシパル・ゲスト・コンダクター就任披露公演
2010年12月14日(火)19:00開演(18:20開場) サントリーホール

指揮:ヤクブ・フルシャ
ソプラノ:アドリアナ・コフートコヴァー
アルト:ヤナ・シーコロヴァー
テノール:リハルト・サメク
バリトン:マルティン・グーバル
合唱:晋友会合唱団

ドヴォルジャーク:序曲「フス教徒」 作品67
スメタナ:交響詩「ブラニーク」
マルティヌー:リディツェへの追悼
ヤナーチェク:グラゴル・ミサ

客の入りは9割強。若干の空席はあるものの、ほぼ満席の聴衆からは、フルシャがステージに現れると同時に大きな拍手が贈られた。明らかに普段の定期とは違う雰囲気で、歓迎ムード一色。プログラムは、出身のチェコ・プログラムだ。

で、最初に書いておくけど、上記のプログラムで、聴き馴染んでいた曲は2曲目のスメタナだけで、他は初めて。グラゴル・ミサはYoutubeで聴いたけどw、ま、はじめてと言って良いかも。そんなワケで曲の解釈云々の話はヌキということでww

ドヴォルジャークの「フス教徒」とスメタナの「ブラニーク」は、両方ともローマ帝国と戦ったフス教徒をテーマにした曲で、音楽的にも共通の主題が登場するところが面白いプログラミング。そして序曲「フス教徒」から、明晰この上ない演奏を聴かせてくれた。ボヘミアの香りを適度に漂わせ、「プラジャーク」で聴き馴染んだ主題を織り交ぜながら、ドラマティックな音楽を構築していく。オーケストラを統率する力も抜群で、アンサンブルは緻密で、ダイナミックレンジの広さも印象的。もしかしたらボヘミアの濃厚な民族的な音色という意味では、物足りなく感じる向きもあろうかと思うけど、都響というオケの機能性を最大限に生かし、1曲目からフルシャの実力を見せ付けた演奏になった。

2曲目のスメタナも、とても端正かつ明晰な演奏で好演。厚みのある弦楽器が印象深い。ナチスドイツへの抵抗を描いたマルティヌーの曲も含めて、前半はチェコの悲劇的な歴史の中から生まれた音楽の紹介となった。

後半は「グラゴル・ミサ」。ミサとは名づけられているけれど、派手で多彩な音色が華々しい作品だ。ほぼ初聴きのため、この作品の良さはイマイチわからないのだが、ダイナミックレンジは広く、オルガンも含めて多彩な音色が練りこまれ、オバケの運動会みたいな部分も含めてw、ドラマチックな「ミサ」が上演される。 管弦楽が大規模になった分、前半よりも音の純度が若干低下したような印象も残ったけど、全体的には文句のつけようがない演奏だと思われ。合唱団のパノラマ的な声の広がり、ソプラノを初めとするソリストも申し分なし。

曲が曲だけに、音楽的な解釈はわからないが、オケを統率し、精緻なアンサンブルを作り上げることに関しては、もはや完成の域に達しているように思える。若干29歳のフルシャが、これから都響でどのような演奏を聞かせてくれるのか楽しみ。次はAプログラムだー。

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2010年04月30日

ジェームス・ジャット&都響のエルガー交響曲2番

第697回定期演奏会 Aシリーズ(4/22)

会場:東京文化会館

指揮:ジェームズ・ジャッド
ピアノ:相沢吏江子

モーツァルト:ピアノ協奏曲第17番 ト長調 K.453
エルガー:交響曲第2番 変ホ長調 作品63

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ジェームス・ジャット&都響のエルガー交響曲1番

第696回定期演奏会 Bシリーズ(4/15)

会場:サントリーホール

指揮:ジェームズ・ジャッド
ヴィオラ:今井信子

ヴォーン・ウィリアムズ:「すずめばち」序曲
ウォルトン:ヴィオラ協奏曲
エルガー:交響曲第1番 変イ長調 作品55

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ポシュナー&都響 プロムナード・コンサート@サントリー

プロムナードコンサートNo.338(4/11)

指揮:マーカス・ポシュナー
フルート:寺本義明

ハイドン:交響曲第92番 ト長調 Hob.I:92「オックスフォード」
バーンスタイン:ハリル
ブラームス:交響曲第4番 ホ短調 作品98

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2010年03月21日

インバル&都響のベートーヴェン@東京芸術劇場

インバル月間に突入した都響の「作曲家の肖像」シリーズ。今回は、・・・・というよりも、今年のインバルはベートーヴェン特集。日曜日のホールは満員になった。

「エグモント」と交響曲第5番は、1st16人+2nd14人+Va12人+Vc10人+Db8人という大編成。もちろん管楽器も2バイ。個人的には、演奏者は絞り込んだ純度の高い演奏が好みなんだけど、このホールの容積じゃそうはいかないのかもしれない。

やっぱ都響は美味い、・・・じゃなくって巧い。特に弦楽器の厚みは、ただ人数が多いだけじゃなくて、もともと都響の弦の厚みと透明感には定評がある。やっぱベートーヴェンは、弦の厚み、もしくは弦の密度感が、その音楽の持つ意志の強さを表現してくれる。ただし、管楽器が加わると、ちょっと混濁感が現れてしまったのが、ちょっとザンネンかも。

小菅優のピアノも、やわらかくてキラメキ感のある音色が良かったけど、どうもこの曲は寝落ちしやすい曲なんだよねー(汗)。そんなワケで感想は、控えさせていただきマス。

東京芸術劇場シリーズ『作曲家の肖像』 Vol.76《ベートーヴェン》(3/14)

会場:東京芸術劇場

指揮:エリアフ・インバル
ピアノ:小菅優

《ベートーヴェン》
付随音楽「エグモント」序曲 op.84
ピアノ協奏曲第5番「皇帝」 変ホ長調 op.73
交響曲第5番「運命」 ハ短調 op.67

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2010年01月31日

井上道義&都響 日本管弦楽の名曲とその源流

ちょっと遅くなったが、一応、行ったという報告だけ(汗)。

第692回定期演奏会 Aシリーズ(1/21)会場:東京文化会館

指揮:井上道義
ピアノ:岡田博美
ソプラノ:天羽明惠

《日本管弦楽の名曲とその源流−9(プロデュース:別宮貞雄)》
野田暉行:コラール交響曲
野田暉行:ピアノ協奏曲
ブリテン:シンフォニア・ダ・レクイエム
ベルク:歌劇「ルル」からの交響的小品(ルル組曲)

いや、ホントにこういう選曲のコンサートに行くのがつらくなってきたなぁ。特に前半の2曲はどこが良いのかさっぱりワカラン。楽器の響きの強弱と、不明確なリズムだけで、演奏が終わった後にココロに残るメロディラインは皆無。ぜんぜんワカラン。そのわりに、客席は8割近く入っていて驚いたんだけど。

いや、ホントに行っただけのコンサートですた。Bシリーズは、疲れていたので行きませんでした。おしまい。

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2009年12月27日

秋山和慶&東響の「第九」 @MUZA名曲全集

今年最後のコンサートは、MUZA Kawasakiでの名曲全集。個人的には年末に第九を聞く習慣はないけれど、MUZA名曲全集の年間会員になっていると12月の公演はいやでも「第九」というのが恒例。客層は、いつもの演奏会とは違って、このホールはハジメテっぽいような客も多く、満席になった。

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【出演】
指揮・チェンバロ:秋山和慶
ヴァイオリン:南 紫音
ソプラノ:佐々木典子
メゾ・ソプラノ:清水華澄
テノール:大槻孝志
バリトン:青山 貴
合唱:東響コーラス
【曲目】
ヴィヴァルディ:協奏曲集「四季」〜春、冬
ベートーヴェン:交響曲 第9番「合唱付き」

南紫音は、美貌の若手ヴァイオリニスト。ステージに登場した瞬間から、パッと花が咲いたようなドレス姿。硬質で引き締まった音色ながら、やや線の細さ、音量の乏しさが気になる。「春」と「冬」での音色がいずれも怜悧な傾向。多少は、季節感を感じさせて欲しかった。

第九は、事前に危惧していたんだけど、東響の弱点が出てしまった演奏だったように思う。その弱点とは、弦楽器の薄さ、特に低弦の薄さではないだろうかと、ワタシは思っている。曲目によっては、その弱点は目立たないのだが、やはりベートーヴェンになると目立ってしまうのだ。弦楽器が薄いベートーヴェンは、骨密度の低い音楽・・・音楽に込められたベートーヴェンの意思が、どうしても薄く感じられてしまうのだ。ソリストは若手が多かったが、全体としてはまずます。その中ではバスの声量の大きさが光っていた。

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ワタシ的には、ちょっと物足りない演奏だったんだけど、会場は大いに盛り上がっていたので、もしかしたらワタシだけの感想なのかもしれないけどね。

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2009年12月23日

デプリースト&都響 @サントリーホール (12・18)

ちと遅くなったけど、先週の都響定期のレポ。前常任指揮者のジェイムス・デプリーストの登場を待ちわびていたファンも多かったのか、地味な選曲の割には会場はほぼ満員の盛況だった。

第691回定期演奏会 Bシリーズ(12/18)

指揮:ジェイムズ・デプリースト
ヴァイオリン:イザベル・ファウスト

シューマン:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調
ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調

まぁ、それにしても、なんともトリトメのない曲だなぁ・・・・シューマン(爆)。一度、CDで聴いたことある曲だけど、最後まで聴きとおすことができなかった記憶が蘇る。ソリストの、イザベル・ファウストは、凛とした音色とゆるぎない意思を感じさせるフレージングで、スバラシイ演奏家だというのは伝わってくるのだが、いかんせん曲がコレではどうしようもない。

ブルックナーでは、都響の弦楽器群の美しい音色を堪能できたが、音楽全体を貫くような構造的な柱が乏しいような気がした。ブルックナーの良い演奏を聴くと、西洋の荘厳な教会建築をを思わせるような絵姿が思い浮かぶのだが・・・。金管楽器のミスも散見され、ワタシ的にはイマイチの演奏だった。

でも、演奏の良し悪しというよりも、むしろ選曲の良し悪しの問題のほうが、比重が高かったような気もするけどね。特にシューマンのヴァイオリン協奏曲はナシでしょ。

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2009年11月19日

インバル&都響のマーラー@サントリーホール

昨日に続いて、今日(19日)は都響のサントリー定期。しかも、昨日に続いてマーラー。昨日はマーラーの中では最大の交響曲である8番、今日は最小の交響曲である4番。看板指揮者=エリアフ・インバルの登場とあって、チケットは完売となった。

指揮:エリアフ・インバル
ソプラノ:半田美和子

ラヴェル:シェエラザード
マーラー:交響曲第4番「大いなる喜びへの讃歌」 ト長調

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良くも悪くもインバルらしいコンサートだったなぁ・・・というのが実感。

まずは、ラヴェルのシェエラザードは、フランスらしい繊細な色彩感が感じられる音色を紡ぎだし、インバルらしい濃密さもブレンドされた演奏で、これは良かった。こういう濃密なフランス的な音色を出せるオケって、意外と少ないと思われ。

マーラーの4番は、たぶん好みが分かれそうな演奏。

最初の鈴の音からかなり大きめで、繊細さに欠ける感じ。・・・でも、オケそのものは非常に緻密にコントロールされているんだけど、音の強弱のつけ方や、旋律の揺らし方、歌い回しなどはかなり癖がある。インバル=フランクフルト放送響のCDとは、かなり雰囲気の違う演奏なのは確かだ。

ワタシは以前にもインバル&都響のマーラー4番を聴いたことがあるけど、そのときもかなりガッカリした記憶がある。どうも、この曲に限っては、インバルの個性・・・というか節回しが作為的な感じがして音楽の自然な流れを阻害してしまっているような気がしてならない。

ただ、オーケストラは、たいへんな熱演だったことは、ここに特筆しておかねばならないと思う。インバルの指揮に応え、そのタクトへの反応も鋭く、テンションの高い演奏を繰り広げた。ソプラノの半田美和子は、声量的にはもう少し欲しいところだけど、声そのものはとても美しく、ラヴェルもマーラーも好演だったと思う。

カーテンコールは、とても盛り上がったので、基本的には高評価だったのかもしれないけど、ワタシ的には前日のアルミンク&NJPの8番のほうがずっと印象的。単に好みの問題かもしれないけど。

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2009年10月23日

カエターニ&東京都交響楽団 @東京化会館

えっ?このプログラムで、当日券売り場に行列ができるの? ありゃ?東京文化会館の5階の隅まで客が入ってるじゃん。なんで? というのが第一印象のコンサト。

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東京文化会館と、それを見つめる猫(爆)。

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なんかよくわかんないけど、東京文化会館前には猫たちも集まっていました。猫たちにとっても、注目のコンサトだったみたいです。

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指揮:オレグ・カエターニ
ピアノ:カティア・スカナヴィ

モーツァルト:交響曲第29番 イ長調 K.201
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番 ハ長調 op.26
ショスタコーヴィチ:交響曲第6番 ロ短調 op.54

でもねー、このプログラム、・・・・・タコヲタ以外には注目されないでしょ、ふつー。それが東京文化会館の座席の8割くらいの集客するんだから、なにかあったに違いない! ウワサでは、18日のサントリーホールでの都響プロムナードコンサートがむちゃくちゃ良い演奏だったみたいで、一気に評判が広がって、・・・・みたいな感じらしい。

まずはモーツァルト。ワタシにとっては爆睡之友とも言える鬼門の作曲家だが、・・・・さすが注目の指揮者! やはり全楽章を通して爆睡してしまいますた(汗)。プロコフィエフのソリストをつとめたスカナヴィは、ピアノを打楽器みたいに叩く人ですね(爆)。音色的には、あまり美しいとは思えないんだけど、ピアノを弾く姿を見ると何かが憑依しているみたいに前屈みでピアノに向かい、ひたすらピアノを叩く・・・「弾く」というよりも「叩く」と言ったほうが相応しい感じなのだ。明らかにふつーのプロコの演奏とは違う。この演奏が好きかと問われれば、いささか否定的にならざるを得ないが、まぁ、こーゆー演奏もあるっていうことで。アンコールはショパンの夜想曲。

休憩後はショスタコの6番。なんか、最近、この曲の実演を聴いたような気もするんだけど、気のせいかなぁ? どうも思い出せないんだけど。でも、これは良い演奏でしたよ。ショスタコの怜悧な音をださせたら、たぶん都響は日本一。ここまで密度が高くて音量も兼ね備えた弦楽器は、従来の日本のオケの水準を超えている。第二楽章のダイナミックレンジの広さを生かした演奏と、第3楽章のオモシロイ主題を浮かび上がらせるリズム感は求心力抜群!これぞショスタコの魅力!

第一楽章はなんともとりとめのない音楽で、不思議度120%。ナゾ過ぎる曲なのだが、第2・3楽章のオモシロさでねじ伏せてしまう、この曲は何だ!? いやー、でも、この曲、最近どっかで聴いたような気がするんだけどなぁ・・・・気になるなぁ。

写真はE-P1 & Lumix G 20mm F1.7、文化会館はISO400、猫はISO1600で撮影。RAW現像時に1〜2EV程度明るくしているので、実質的にはISO3200〜6400程度の画質ということを考えるとまぁまぁデス。意外と暗い中でもフォーカスが合うデスヨ。

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2009年10月02日

速報! 東京都交響楽団2010年度プログラム

今日、郵送されてきました。インバルがA/Bそれぞれの定期で3回づつ、大野和士も注目だし、なかなか力が入ったプロミングかと。

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プロムナードにもインバルが3回登場なので、こちらも人気が集まりそう。芸術劇場は、トルトゥリエの登場が嬉しい。インバルと辻井伸行の競演も注目を集めそうだ。

2010tmso-2

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2009年09月29日

アンドリュー・リットン&都響 @サントリーホール

今日の都響定期は、新コンサートマスター(ミストレス)となる四方恭子の就任披露演奏会となった。四方恭子といえば、ドイツの名門オーケストラのひとつ=ケルン放送協で長いことコンサートミストレスを務めたことで有名で、私も90年代初めのベルティーニ=ケルンRSOによるマーラー・チクルスの時には、全曲聴きに行った記憶がある。

ケルン放送協は、若杉弘やベルティーニも指揮台に立っていた時代もあり、その二人とも都響の音楽監督を務めた実績があるのは周知の通り。そのケルンでコンミスを勤めた四方は、間接的には都響と共通の音楽的経験を持っているともいえる。まさに都響の新たな看板となるに相応しいコンサートマスター(ミストレス)だろう。開演前、ステージに四方恭子が現れると、会場とステージ上の団員から大きな拍手が贈られていた。

出演者
指揮:アンドリュー・リットン
ピアノ:パウル・バドゥル=スコダ

曲目
ストラヴィンスキー:サーカス・ポルカ
モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番 ハ短調 K.491
ストラヴィンスキー:バレエ音楽「カルタ遊び」
ストラヴィンスキー:バレエ組曲「火の鳥」(1945年版)

まずは、モーツァルトのコンチェルトから書こう。この曲は大いに問題ありの演奏だった。スコダの調子が悪かったのか、それとも80歳を超える高齢ゆえのミスなのかわからないが、最初の出だしから明らかにわかるミスタッチ。その後も、指が十分に廻っていないような演奏が続き、さらに何回かのミスタッチも。非常にスリリングな演奏と言えなくもないが(爆)、安心して音楽を聴けるような演奏ではない。自作のカデンツァがどうのこうのという以前の問題。柔らかで温かみのある音色が美しいのが救いだが、残念ながら楽しめる演奏ではなかった。

ストラヴィンスキーはいずれも好演。とくに「サーカス・ポルカ」は、ショスタコ的なアイロニカルな要素を持つ面白い曲。「カルタ遊び」は視覚的な要素、つまりバレエがないと理解しにくいかも。「火の鳥」は、1945年版での演奏だったが、室内楽的な透徹した演奏に感服。若干のミスもあったが、全体的には引き締まった演奏で、その水準はかなり高い。リットンの指揮は、かなりジェスチャーが大きいが、内容的には正統派の指揮者とみた。

注目の四方恭子のコンミス姿は、とてもしなやか。ソロのパートも、派手さはないがとても安心して聴いていられた。ステージではもうちょっと自己主張をしても良いのかな、と思うところもあったのだが、それはこれからに期待したい。まずは、就任披露演奏会として、成功したのではないか。

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2009年07月20日

ファブリス・ボロン&都響 作曲家の肖像「シベリウス」

7月12日(日)は、東京芸術劇場の都響「作曲家の肖像」シリーズ。テーマとなる作曲家は、シベリウスだ。ホールはほぼ満員。

指揮:ファブリス・ボロン
ヴァイオリン:ペク・ジュヤン

《シベリウス》
交響詩「フィンランディア」 op.26
ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 op.47
組曲「レンミンカイネン」−4つの「カレワラ」伝説 op.22

ちと問題だったのは、ヴァイオリン協奏曲でソリストを務めたペク・ジュヤン。とにかく音程が不安定で、最近の若手演奏家の中では珍しいほど音が微妙に外れてしまう。ヴァイオリンのトラブルもあったのかもしれないけど、この演奏は楽しむことができなかった。

しかし、後半の「レンミンカイネン」はすばらしい演奏! この曲を全曲通しで聴くのは初めてだったが、これはもっと演奏される機会があっても良い曲だろう。シベリウスらしい透明感と融点が低い高揚感が「カレワラ」の伝説を表現する。都響の演奏も、密度感のある弦楽器を基調に、テンションの高い音楽を作り上げる。いやー、最近の都響は、ホントにスバラシイ。

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2009年06月20日

トゥルコヴィッチ&都響@東京文化会館

6月19日は、都響の定期演奏会。以前は、都響の上野定期は空席が目立ったものだが、最近はかなりの聴衆が入っていることが多く、昨日も8割強〜9割近くの入り。選曲も地味目だし、指揮者のボッセが体調不良でキャンセルしたにもかかわらず、当日券売り場はかなりの客が並んでいたのはナゼ? でも、結果的にはスバラシイ演奏会になったんだなー、これが。

指揮:ミラン・トゥルコヴィッチ
ピアノ:アンティ・シーララ

ハイドン:交響曲第13番 ニ長調 Hob.I.13
モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K.466
ハイドン:交響曲第103番「太鼓連打」 変ホ長調 Hob.I.103

なに、この歯切れの良い疾走感、そして音楽に生命を与える絶妙なアーティキュレーション、最初の交響曲第13番からしてスバラシイ!弦楽器は8+6+4+3+2という小編成を生かした機動性のよさ、見通しの良い透明感、そして適度な筋肉質を感じさせる音の膨らみ、どれもこれもサイコーのアンサンブル! 弦楽器を12+10+8+5+3(だったかな?)に拡大した103番は、13番をさらに上回る名演奏。トゥルコヴィッチの最大の美点は、躍動する生命感!この一言に尽きる!ハイドンの音楽に、新たな生命が与えられた瞬間デスよ。

個人的には、ハイドンの音楽とマトモに対峙した経験がない。コンサートでも、ハイドンが採り上げられることは少ないけど、今年はハイドン・イヤーということで、2月のNJPはブリュッヘンとともにハイドン・プログラムの特集を組んで、高い評価を得たのは記憶に新しい。ワタシはそのうち、定期演奏会の「天地創造」を聴いただけだが、いま改めて思うと、ハイドンってこんなに面白いんだったら、ブリュッヘン&NJPはぜ〜んぶ聴いておくんだったなぁ・・・と後悔している。

こんな名演奏の中で、唯一ザンネンだったのが、シーララのピアノ。ナンですか?あのデリカシーのないピアノの音はっ!音色にはつやつやとした輝きもなく、小編成のオケとのバランスを考えない音量をたたき出すし、第一、ピアノに歌心がない。ピアノ協奏曲で、ここまでヒドイ演奏に出会ったのは久しぶり。この部分だけ、記憶から消すことにしたいですっ。

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2009年05月27日

小林研一郎&都響@サントリーホール

5月26日(火)の夜は、都響のサントリーホール定期演奏会。

・・・・し、しかしその前に会議がっ。午後6時から始まった会議はいつもよりも早く終わったんだけど、それでも会議室を飛び出せたのは6時50分過ぎ!開演時間は7時、あと10分もない。あーこりゃアカン(何故か大阪弁)、間に合わんっと思ったんだが、一縷の望みを捨てずにタクシーを捕まえた。「運ちゃん、サントリーホールまで飛ばしてー」「あいよっ」という感じで急発進。赤信号もなんのその(ウソ)。

サントリーホール前に着いたのは、午後7時05分くらい。「運ちゃん、アンガト!釣りはいらないよ」っと初乗り料金710円だけ置いて(爆)、そこからダッシュ。ホールに着くとレセプショニストのおねーさんの神業的連係プレーの案内で着席したのが、指揮者が指揮台に上ったのとほぼ同時。あー、疲れたー。

そんなワケで、演奏が始まっても呼吸を整えるのが大変だったんだけど、ホールの緊張感がいつもよりもスゴイ感じ。なんか、しーんとした空気の中、スメタナの「わが祖国」の演奏が始まった。会場のサントリーホールは、ほとんど空席がない。チケットは売り切れとは聞いていたけど、A&B定期が同一プログラムの月で、チケットが両定期とも売切れになるのは極めてマレ。チェコフィルの首席客演指揮者として「プラハの春」オープニングコンサートを振る栄誉を与えられた炎のコバケン人気なのかっ。

この日の演奏は、前半と後半で聴いた席が違うんだけど、前半とてもテンションと密度が高く、それでいて見通しがそこそこイイ演奏。多少の混濁感はあるんだけど、全体としてはもの凄い緊張感の高さが骨格のしっかりとした筆致で「わが祖国」の世界を描き出す。たぶん、これまでに聴いたことのある「わが祖国」とは違って、表題性やボヘミア的な空気感は希薄で、コバケン的な浪花節が適度にブレンドされている感じ。コバケンのタクトに対する都響の反応は、とても俊敏だ。インバルの時も俊敏なんだけど、インバルの時は指揮者に強引に操縦されている感じがするけど、コバケンの時の俊敏さはまさに「阿吽の呼吸」。すげー、いつもと違う。

後半の3曲は、いつもの定期会員席。どうも前半と音が違う。もしかしたら前半と演奏も変わっていたのかもしれないけど、それ以上に席による音の違いを実感した。後半のほうが音が良くないのだ。音のテンションがちょっと低下して、混濁感が強くなり、見通しが多少低下した感じ、激甚な変化ではないけれど、はっきりと実感できるだけの差はある。どうもワタシが座っている席は、鳴らす系の演奏だと、音があまり良くないのかもしれない。

ただ、席から見えるオーケストラの動きは、ひとつの生命体のように有機的に反応し、「わが祖国」の音楽を構築ためだけに意思をひとつにしているのが、ハッキリとわかる。こういった演奏に出会えることは、意外と少ない。いや、稀有の機会だったのかもしれない。

終演後のカーテンコールもスゴイ熱気に包まれた。コバケンは、いつものように挨拶をしていたけど、ホントにこの人は人情の琴線をゆさぶる人だ。いろんな意味で。

また、都響に客演して欲しい。ぜひ。

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2009年04月06日

インバル&都響のベートーヴェン@東京芸術劇場

今シーズンの都響「作曲家の肖像」シリーズは大人気で、会員券は売り切れ状態。4月4日の会場も、ほぼ満員状態。これはひとえにインバル効果だろう。今シーズンの「作曲家の肖像」シリーズは、5回中3回もインバルがタクトをふるうのだ。ある意味、定期演奏会以上の力の入れようである。これで人気が出ないはずがない。ワタシがこのシーリーズの定期会員に復帰したのも、まさしくインバル効果である。

指揮:エリアフ・インバル
ピアノ:ゲルハルト・オピッツ

《ベートーヴェン》
序曲「コリオラン」op.62
ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 op.19
交響曲第3番「英雄」 変ホ長調 op.55

しかし、インバルがホントにベートーヴェン向きの指揮者かという点については、かねてから不信感?を持っていた。彼は後期ロマン派のスペシャリストとしては高く評価されているけど、古典の演奏を聴いた記憶はほとんどないし、彼の傾向から考えてベートーヴェン以前の古典に向いているとは到底思えなかった。そして、このベートーヴェン・プログラムを聴いて思ったのだが、どうも適性に乏しいのではないかということだ。

演奏のレベルとしては、都響は最善を尽くしたと思う。あの弦楽器の厚みと光沢感を出せるオケは、たぶん国内には都響のほかにはない。その他のパートも、ほとんど文句はない。もっともffの限界に近づくと、急にリミッターがかかってしまうように感じるあたりは、オケの機能性の限界点なのだろうけど、それを除けばすばらしいレベルだと思う。

しかしインバルの「エロイカ」は、おのおのの楽想やフレーズが細かく切れてしまうような感じで、音楽的な繋がりが乏しい。後期ロマン派の曲ほどではないけれど、ところどころで加えるデフォルメがかなり強烈な違和感を生み出していることも指摘しておく必要がある。力演ではあるけれど、音楽的な美しさや、音楽に身を任せるような陶酔感はほとんど感じることができなかった。むしろ退屈と言ったほうがいいかもしれない。まぁ、インバルはもともとこういう傾向の指揮者なので、あらかじめ予想はしていたけれど、やっぱりインバルはインバルなのだ。

こう書くとインバルを貶しているように感じるかもしれないが、インバルはもともとハズレの演奏が多い指揮者だ。彼の場合、10回中1〜2回程度の当たりがあれば良いと思っているのだが、その当たりが超巨大なホームランを生み出すバッター、・・・じゃなくて指揮者なのだ。

なおピアノ協奏曲のオピッツは、初めて聴いたピアニストだが、とてもスバラシイ。ピアノの音色の真珠を思わせるような有機的な光沢感の美しさ、速いパッセージでも雑にならずに、きちんと分離して聞こえるテクニック、正統的な表現力、・・・・チェルカスキーとはタイプは違うけど、こういうピアニストを今まで知らなかったとは!!ぜひ、また聴きたいピアニストだ。

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2009年03月29日

インバル&都響のプロムナード・コンサート

29日のマチネは、発売即完売となった都響のプロムナードコンサート。アークヒルズに行ってみるとアーク桜まつりをやっていて、カラヤン広場は出店やイベントなどで華やかな雰囲気。ただ、桜の開花は、この間の冷え込みで当初の予定よりも遅れていて、だいたい五分咲きといったところ。この様子だと、今年は意外と長い間、桜の花が楽しめるかもしれない。

指揮:エリアフ・インバル
ピアノ:田村響

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 op.18
チャイコフスキー:交響曲第5番 ホ短調 op.64

20090329-01

さて、この公演は、ワタシも会員向け発売日に事務局に電話をしてチケットを確保した公演だ。会場は定期会員のものと思われるわずかの空席はあるものの、ほぼ満員となった。

まずはラフマニノフ。田村は、ロマンチックな思い入れを込めて、間をとりながら音楽を進めていこうとする。対してインバルはそっけない。第一楽章は両者の思い入れが噛み合わず、どうもちぐはぐな感じがしたのだが、第二楽章は田村の感情過多とも思えるようなフレージングが勝り、かなり遅めのテンポ。しかし、さすがに遅すぎの感がぬぐえず、音楽が停滞感が漂う。第三楽章は起伏の大きな音楽で締めくくる。田村の目指したい方向性はわかるけど、ロマンチック系の甘い調味料がココまで多いとさすがに食超気味になるし、インバルとの志向性の違いがどうにも気になる。アンコールはメンデルスゾーンの無言歌集より。

後半のチャイコは、壮絶な演奏。トシはとってもインバルはやっぱりインバルなんだと、改めて実感させられた。たぶん、彼のチャイ5は前にも聴いた事があるんじゃないかと思うけど、そのときも全楽章をアタッカで演奏したような、やや怪しげな記憶がある。今回は2楽章の後でインバルは違和感を感じたのか、指揮台を移動するために少々の間をとったけど、たぶん彼は全楽章を続けて演奏したかったのではないか。

さらにインバルはオケに極限的な緊張感を強いるように、旋律を揺らしたり、間をとったり、ダイナミックレンジを最大限に活用しようとする。オケを鳴らしすぎで、音の美しさが後退した感はぬぐえないし、不自然なフレージングは違和感が残る。音楽的に、こういうチャイ5が好きかと問われると否定せざるを得ないが、このインバルの指揮に喰らいつこうとする都響の大熱演を前にすると、インバルの音楽が好きか嫌いかなどは仔細な問題に思えてくるから不思議だ。

普通、インバルくらいの年齢になると、音楽的にも円熟味が増すような気もするが、彼の音楽的な志向性は、80年代後半〜90年代前半のときのそれと本質的には変わっていないことに驚いた。インバルはやっぱりインバルだったのだ。

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2009年03月23日

インバル&都響の「ダフニスとクロエ」@サントリーホール

この季節にサントリーホールに行くと、桜並木の様子が気になる。アークヒルズ脇の桜の木は、場所にもよるけど一分咲きから二分咲きといったところ。たぶん、予報どおり今週末あたりが桜の見ごろになりそう。そして今月は、都響のプリンシパル・コンダクターのエリアフ・インバルの登場する定期演奏会とあって、チケットは完売。会場のサントリーホールは満員となった。

指揮:エリアフ・インバル
ピアノ:横山幸雄
合唱:晋友会合唱団

ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調
ラヴェル:バレエ音楽『ダフニスとクロエ』 全曲

まずはラヴェルのピアノ・コンチェルト。インバルの指示は、テンポ速めでこの曲の独特のリズム感を強調し、横山のピアノとともに明晰であると同時にスピード感のある第一楽章でスタート。物思いにふけるようにロマンチックな第二楽章も、感情移入は控えめにして、楽譜そのものに音楽を語らせる。余談だが、この楽章のピアノのトリルは、昨日の晴海で見たガラスを伝う雨だれを思い出した。そして、スピード感ある第三楽章。ただ、オーケストラの音色には、もうひとキラメキが欲しい気がしたが。

圧巻だったのは、「ダフニスとクロエ」全曲。これは文句なし!昨年のマーラー交響曲8番も凄かったが、それに勝るとも劣らない演奏レベルだ。マーラーチクルスで全盛期のインバルを思い起こすようなオーケストラ・ドライヴで、一糸乱れぬアンサンブルを繰り広げる壮大な音絵巻。ややラヴェル的な空気感が希薄になって、なんとなくストラヴィンスキーを聴いているような感じになったが、気のせいか?でも、このテンションの高さは、まさにインバルならではの演奏である。都響の大熱演に拍手!!!願わくば、この演奏で「ダフニスとクロエ」のバレエの実演を見たいものだ。

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2009年03月21日

キンボー・イシイ=エトウ&都響 @東京文化会館

18日(木)は、都響の上野定期。ふだんなら空席が目立つ東京文化会館だが、この日はラヴェルを中心とした名曲プログラムということもあって、5階のサイドまで概ねいっぱいという大盛況。

指揮:キンボー・イシイ=エトウ
ヴァイオリン:ユージン・ウゴルスキ

ラヴェル:古風なメヌエット
ラロ:ヴァイオリン協奏曲第2番 ニ短調 『スペイン交響曲』 op.21
ラヴェル:ボレロ
ラヴェル:スペイン狂詩曲
ラヴェル:ラ・ヴァルス

キンボー・イシイ=エトウを、都響で聴くのは初めてだが、オケを緻密にコントロールしようとするタイプではなく、自発性を尊重して自由に鳴らすほうの指揮者だと感じた。最初のプログラムではそれが裏目に出て、「古風なメヌエット」では、弦楽器が美しいはずの都響としてはかなりギスギスした音が聞こえてきてがっかり・・・しかし後半は持ち直して、スペイン狂詩曲やラ・ヴァルスは平均点以上のイイ演奏を聞かせてくれたと思う。フルネ的な上品な音楽とは対極的な音楽作りだが、こういう変則的なリズム感の曲を盛り上げる指揮はなかなかうまいかもしれない。

ヴァイオリン協奏曲は、いささかザンネンな演奏だった。そこそこテクニックはあるのかもしれないけど、曲の節回しがぎこちなく、音楽の横の線がつながらない。長い曲だけに、途中は退屈感が漂ってしまった。アンコールにバッハの無伴奏からサラバンド。

posted by のら at 23:08| Comment(0) | TrackBack(0) | orchestra-TMSO