2009年06月07日

フェドセーエフ&モスクワ放送交響楽団@サントリーホール

6月4日(木)は、モスクワ放送交響楽団のソワレで、サントリーホールへ。このところ雨模様の天気が続き、アークヒルズで咲いているアジサイの花が梅雨kが近いことを教えてくれています。

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このところ円高にもかかわらずオケの来日公演のチケット高騰が続いていて、ウィーン・フィルやベルリンフィルなんかはS席35,000円が相場になっているし、バイエルン放送響だってヨーヨー・マが登場する日は35,000円、その他のオケもS席は2万円前後が相場になりつつある。はっきり言って、コレはちょっと異常。ワタシがクラシックのコンサートに行きはじめた頃、80年代の終わりくらいかな?・・・カラヤン&ベルリン・フィルのS席が22,000円だった記憶があるから、それから比較して1.5倍以上に上がっている計算になる。

それに比べて今回のフェドセーエフ&モスクワ放送響、この顔ぶれは35年間変わっていないらしいけど・・・、当時はたしかS席13,000円くらいじゃなかったかなぁ。今回の来日公演は、S席15,000円だから、多少上がってはいるけれど、まぁナットクの範囲内。当時は7,000円くらいのC席で聴きに行った記憶があるけれど、今回は4,000円のD席=Pブロックの後方で聴くことにした。音はかなり違和感があるけれど、時には裏側からステージの動きの全体が眺めるのも悪くない。

チケットの値段はソコソコだったけど、売れ行きはイマイチだったらしく、1ヶ月くらい前から割引のチケットが出回った。結果的には、空席は少しあったけど、全体では9割近く入ったんじゃないかな。

チャイコフスキー:バレエ組曲『白鳥の湖』
Tchaikovsky: Ballet suite "Swan Lake"
チャイコフスキー:交響曲第4番
Tchaikovsky: Symphony No.4

「白鳥の湖」は、プティパ版のストーリーの順番に沿って管弦楽曲を40分程度にまとめたもの。先月に新国立劇場でザハロワの「白鳥の湖」を見たばかりだったから、その時の情景とダブらせながら聴くことができました。特別に巧いオケではないけれど、Pブロックから見ていると、さすがに長いコンビだけに指揮者とオケの間には阿吽の呼吸がある感じで、音楽の緩急やデュナーミクの動きなんかは有機的な一体感が感じられる。バレエなしだからこそのスピード感あふれる表現もあって、管弦楽だけの「白鳥の湖」もオモシロイ。というか、ぜひとも聴くべき。

後半の交響曲第4番は、前半以上にテンションが高まり、特に第3楽章以降はかなり白熱した演奏を聴かせてくれました。フェドセーエフは、こうやってモスクワ放送響を聴くだけでは、結果だけしか分らないからその凄さが理解されにくいかもしれないけど、東京フィルに客演したときには見違えるようなサウンドを引き出してくれてスゲー指揮者だと実感させてくれた人。オーケストラ・トレーナーとしてはかなりの実力者なのは確かだと思うのだが、モスクワ放送響を、この先、どのような高みに導こうとしているのか、そこが見えにくい感じはするなぁ。

アンコールは、チャイコフスキー:「四季」より 雪の下と、「白鳥の湖」より スペインの踊り。満場の拍手に応えて、オケが引き上げた後のステージに、フェドセーエフが呼び戻される一幕もありました。

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2009年04月29日

2001年宇宙の旅、そして「惑星」へ 〜小泉&都響 and 秋山&東響〜

4月28日の金曜日は久々にコンサートで、都響のサントリーホール定期演奏会。名曲プログラムということもあって、会場はほとんど満員状態。

指揮:小泉和裕
ヴァイオリン:エリック・シューマン

ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.77
R.シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはこう語った」 op.30

で、最初にヴァイオリン協奏曲。豊かな音量のヴァイオリニストで、温かみのある音色も美しいんだけど、表現力という点ではまだまだ向上の余地がありそう。やや速めのテンポで演奏していくので、若々しさが前面に出てくるんだけど、ブラームスのこの極の持つ滋味豊かな味わいがほとんど感じられなかった。伴奏もちょっと荒めな部分があって、ちょっと不満が残る演奏だった。

しかし後半の「ツァラトゥストラ」はスバラシイ演奏だった。壮大なスケール感で語られることが多いこの曲だが、ナマで聞くと室内楽的に美しいパートが随所に現れるので、意外と奥行きが深い曲であることに気がつく。R・シュトラウスが得意な小泉らしく、丁寧なアンサンブルで磨きこまれた演奏を聴かせてくれた。

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そんな「2001年宇宙の旅」を聴いた翌日、4月29日はMUZA KAWASAKIの名曲シリーズで秋山&東響を聴いてきた。会場は満員!

出 演 指揮:秋山和慶
ピアノ:菊池洋子
スッペ:「詩人と農夫」序曲
モーツァルト:ピアノ協奏曲 第21番
ホルスト:組曲「惑星」

とは言っても、前半のプログラムは、午前中の用事の疲れもあって爆酔・・・(汗)。ところどころの断片的な記憶によると、・・・菊池洋子は音色が美しく、指が良く周るピアニスト。今度は体調が良い時に改めて聴いてみたい。

そして後半は、前日に続いて宇宙プログラム(えっ?)。「惑星」をナマで聞くのは久しぶりだなぁ。それにしても、秋山が振るときの東響は、アンサンブルが数ランク、向上する感じがする。この日の「惑星」も、いつもの東響よりもずっと聴き応えのある演奏を聞かせてくれて大満足。女声合唱は、シンセサイザーにサンプリングされた音をスピーカーから流すのは最近の流行なのか? ラストは、音楽がピアニッシモに近づくにつれて照明が落とされて、最後は指揮者のみが青い照明で照らされ、そして全照明が落とされた。太陽系を抜けて、漆黒の宇宙に抜けたという設定なのだろうか。こういった演出ははじめて見た。

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2008年10月04日

のだめオーケストラコンサート ~アニメ版・巴里編~

10月2日、のだめオーケストラのコンサートに行ってきた。場所はNHKホール。

古くからのこのHPの読者(?)は、「えっ!のだめのコンサートに行くの?」と驚く向きもあるだろう(爆)。そう、ワタシも自分から積極的に行こうとは思わない。そりゃそうだ、どう考えてもオケの実力的に高いレベルは望めないだろうし、ホールは音響的に問題の多いNHKホール、しかもチケットは全席指定の6,300円と高め。それでも行ってみて思ったのは、思ったよりも悪くない、むしろ値段なりの楽しみはあったと思う。

で、当日の終演後に配られていたセットリスト(爆)は下記の通り。全体は二部構成で、前半はコンサートがメイン。後半は司会付きのステージという感じ。

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ちょっと早めにNHKホールに着いたので入場待ちの列に並び、開場と同時にホールに入るとさらに驚いたのはホール内にあるガチャポンに夢中になっている人々の存在だ(爆)。ワタシはガチャポンに全く不案内なのだが、どうやらNHKホールには独自の専用タイトルがあるらしい・・・。しかし、仮にもクラシックのコンサートに来てまで、しかも行列を作ってまでガチャポンをやるとは・・・・・しかも開園時間間際になっても真剣な眼差しで一所懸命お金を入れてハンドルを回している・・・・。すげー。

そして驚いたのが、このコンサートの客層だ。ふつう、オケの定期演奏会に行くと、・・・たぶん平均年齢は50歳オーバーという感じで、かなりの高齢化が進んでいるけど、「のだめコンサート」は平均30~35歳くらいかなぁ・・・という感じ。特に目立つのはおしゃれした若い女性たち、母娘、親子やカップルという顔ぶれ。女子率は75%くらいで、20~30歳の女子率は50%に近いかも。普段はなかなかクラシックのコンサートでは見かけない客層ナノダ。

そんな客層に圧倒されつつ、ワタシは自分の席にたどり着く。一般発売の初日にとってもらったので2階のセンターブロック中央あたり。ステージからはちょっと遠いけど、視覚的には良い席だと思われ。ステージ上には普通のオケの座席が配置されているけど、背後にはスクリーンが設置され、この10月9日24:45~放送される「のだめ」のアニメのPRビデオが流されている。

19:00過ぎ、概ね定刻どおりに開演。第一部は普通のコンサートに近い進行だ。選曲は、「のだめ」で使われた名曲からの抜粋。曲の合間にはすでに放送された「のだめ」のアニメの抜粋がスクリーンに映し出され、その進行に合わせて「ラプソディ・イン・ブルー」やラフ2が演奏される運び。さすがにオケのアンサンブル・・・・特に弦楽器の音はアマチュアに近いものを感じる。既存のプロオケと比較すると音は薄いし、光沢感に乏しい。しかし臨時編成のオケと考えれば立派な水準なのだろうと思う。管楽器のソロなんかを聞くと、意外と水準が高いのに驚かされることもあり、弦楽器も含めてひとりひとりの演奏者のレベルは決して低いわけではない。ただ、やっぱりNHKホールは音響が悪いなぁ・・・・・、このコンサートでクラシック音楽に親しみを持った人!これがホントのオーケストラの音ではナイということを、声を大にして言いたい(爆)。

後半は、フジテレビの軽部真一アナと加藤綾子アナが司会を進行。お笑いの髭男爵もサプライズゲストで登場して「のだめ巴里編」のPR。どうやら髭男爵は毎回、アニメに登場(笑)するらしいし、さらに国立音楽大出身の新人の加藤綾子アナも声優として出ているとのこと。ちなみにこの加藤綾子アナ、遠めに見てもとっても映えるキレイな人にゃー。そしてアニメのエンディングテーマを担当する宮本笑里が「ボレロ」をアレンジした曲を演奏、そしてゴスペラーズがラフマニノフのピアノ協奏曲第2番をアレンジしたオープニングの主題歌を歌う。どちらもなかなか良い曲!これはこれから放送されるアニメを見れば毎回聞けるので楽しみ。

そして、ウィリアムテル序曲、魔法使いの弟子、ボレロ、アンコールの「ロミオとジュリエット」を演奏して終演時間は22時05分。なんと3時間以上のコンサートで内容盛りだくさん。クラシック的な音楽水準を必要以上に求めないのであれば、十分に楽しめる中身だったと思う。行く前は、演奏中の客のマナーについて心配していたんだけど、意外や意外、みんなお行儀が良い。多少のガサゴソとした音は聞こえてきたけど、全体的には通常のオケの定期演奏会の水準に近いマナーだったと思います。

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2008年08月06日

FESTA SUMMER MUZA 尾高&東フィルのラフマニノフ(8/5)

ここ数年、川崎のMUZAで開催されているフェスタサマー ミューザのコンサートに行ってきた。フェスタを統一するようなプログラミングはされていないものの、連日にように在京オケの競演が行われていて、短期間にその個性を聴き比べることができる。会場は概ね満員の大盛況

指揮:尾高忠明
ピアノ:小山実稚恵

ラフマニノフ:ヴォカリーズ<オーケストラ版>
ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲
ラフマニノフ:交響曲第2番 ホ短調 作品27

尾高はラフマニノフを得意とする指揮者という印象があるが、実は私はまだ彼のラフマニノフを聴いた記憶がない。今回は、音響の良いMUZA KAWASAKIで東京フィルを久しぶりに聴く機会ということもあって、1回券を購入した。久々に奮発してS席!

ヴォカリーズは、弦楽器の音が不安定な感じがして、どうも音楽の波に乗り切れない。しかし2曲目の「パガニーニの主題による狂詩曲」以降は、とても充実した演奏を聞かせてくれた。ピアノの小山は、いつもハイレベルな安定した演奏を聞かせてくれるピアニストだが、今日の演奏も期待にたがわぬ演奏。強い打鍵でダイナミックレンジの広い音楽を作り出し、尾高の振る東京フィルも起伏の大きな音楽を構築する。ラフマニノフの独特の叙情性は、すこし後退しているのかもしれないけど、これはこれで一つのアプローチ。さまざまな楽想が交錯するがゆえに、下手をするととりとめのない音楽になりがちだが、今日の演奏は強い緊張感で見事な演奏を聞かせてくれた。

後半の交響曲第2番も、実にいい演奏だった。この曲も、構成力が弱く、とりとめのなさを感じさせやすい曲だが、東京フィルのテンションの高さがそんなことを感じさせない演奏に仕上げたといっても良い。この曲の白眉は、何と言っても第3楽章のロマンティックな旋律だが、それを描き出す弦楽器の硬質で透明感がある響きの美しさ、クラリネットに始まりそれを引き継ぐ木管楽器・・・・、ラフマニノフの旋律の美しさは、ため息モノですね。ラフマニノフ独特の叙情性などはちょっと希薄かもしれないけど、これはこれでイイ。

演奏が終わると、会場からブラボーの声が飛び交い、満場の拍手が送られた。充実した演奏会を聴けて、満足した一夜だった。

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2005年09月06日

小澤&サイトウキネン「グレの歌」

 サイトウキネンに通うようになって10年を超える年月が経った。毎年、この時期に松本を中心に安曇野、乗鞍、
上高地を訪れてきたけど、今年はちょっと趣向を変えてバスに乗って岐阜県側に渡り、平湯温泉と高山に足を伸ばしてきた。
9月2日は特急あずさで松本まで行って、バスの乗り換えて1時間半、平湯温泉の「平湯館」という旅館に泊まった。
平湯では大型の宿に属するんだろうと思うけど、細やかな心遣いで快適な宿。食事もそれなりに美味しいし、温泉も加水ながら天然温泉掛け流し。


 9月3日は、平湯からバスに乗って1時間、高山の街並みを見に行った。江戸時代の面影を残す街並みは、
ちょっと観光地化されすぎている気がするけれど、それなりの情緒もある。ただ、午後になってから天候が急変し、ものすごい雷雨に見舞われた。
急いで高山のバスターミナルから平湯温泉に戻った。


 9月4日は宿をチェックアウトして、新穂高温泉に向かい、そこからロープウェイに乗って、
標高2,100メートルほどの西穂高に上った。空は曇っていて見晴らしは良くなかったけど、晴れていればきっと絶景だったに違いない。
それにしてもここ数年、サイトウキネンで訪れたときの天気に恵まれていない。なんでだろ?(^_^;)


 さて、その新穂高温泉から特急バスに乗って松本に戻り、まつもと市民芸術館で行われたサイトウキネン・
フェスティバルのシェーンベルグ「グレの歌」の初日を聴いてきた。会場は日曜日ということもあって満員だが、
他の平日公演は売れ残りもあるらしい。セミステージ形式で上演されたのだが、ピットは客席と同じ高さまで持ち上げられ、
ピットと客席の間の壁も撤去されて、フルフラットな状態である。ピットに入りきらないオーケストラは、舞台の上にも上げられて、
さらにその後方にステージが設けられている。そのステージは、とてもシンプルな舞台装置で、
三分解された合唱団用の黒い雛壇が置かれているだけ。


 まずオケの演奏のほうだけど、初日ということもあって、前半はガサガサとした荒さが目立つ演奏になってしまった。
もっともこの荒さは、公演日程が進むにつれて改善するんだろうけど、それ以上に気になったのは、小澤がこの曲を通じて何を言いたいのか、
イマイチ伝わってこなかったこと。もともと小澤にはこの曲の持つ官能的な雰囲気、音色を期待することは難しいのだろうけど、
それにしても曲作りが機械的で、一本調子という感じがぬぐえない。場面に応じた音楽を構築しきれていないのだ。
機能性では世界でもトップレベルのオケなんだろうけど、決してそれだけではこの曲の面白さは伝えきれないんだじゃないだろうか。


 一方、歌手と合唱は、きわめて高水準。特にトーマス・モーザーの柔らかい歌声は魅力的だったし、ミシェル・デ・
ヤングの山鳩も上品な歌唱が印象的。そしてフランツ・グルントヘーバーなんて、農夫/語り手のような「端役」
で使うのは実にもったいない歌手である。オペラシンガーズも例年通り、その実力の高さを見せ付けた。


 そして演出だが、ステージ上での動きも乏しく、わずかに照明や男声合唱の衣装で工夫した程度。・・・・
これならハッキリ言って演奏会形式の方が遥かに良かったのではないだろうか。財政難で、
当初の予定よりも遥かに縮小した演出になったという話もチラッと小耳に挟んだので、演出家を攻めるのは気が引けるけど、
それにしてもこのような演奏会形式に毛が生えた程度の演出では、松本市民がこのように立派な歌劇場を作った意味はない。そんなわけで、
今年のサイトウキネン、ワタシ的にはトータルとして残念な内容に終わってしまった。今回はチケットの売れ残りも多かったようだし、・・・
今後の方向性を見直す時期に来ているんじゃないだろうか。

posted by のら at 22:16| Comment(1) | orchestra

2005年06月09日

ヘレヴェッヘ&ロイヤル・フランダース・フィル(初日〜3日目)

 トリフォニーホールの独自企画のヘレヴェッヘ&ロイヤル・フランダース・フィルのベートーヴェン・チクルスが6月7日から始まった。
今日で3日目の公演が終わって、1,2,3,4,6,7番の演奏が終わった。残すは2日のみ。今日までの感想を簡単に。


 結論から書くと、今のところ満足といえる演奏には出会っていない。日が進むごとに良くはなってきていて、
今日の交響曲4番と7番は3日間の中では悪くなかったと思う。でも、全体を通してみれば、指揮者のアプローチに少々、
疑問の残る演奏が続いているのである。その一番大きそうな原因は何かというと、音楽の呼吸が浅いこと。スピードの速いのは良いとしても、
ヘレヴェッヘのリズム感からはせかせかとした慌しさを感じるのである。客席で聞いていても、どうにも居心地の悪さを感じてしまうのである。
ベートーヴェンの交響曲をきちんと聞かせるには、実はリズム感が一番大事なのかもしれないが、
今回の演奏ではそのあたりが欠けているような気がするのだ。


 一方、オーケストラの能力だけど、決して悪くない。音楽のタテの線はピタリとあわせているし、管楽器のソロだって結構良い。しかし、
弦楽器の中ではヴァイオリンの音が細く、全体の中に埋没してしまうことが多い。音色的には、何だか不思議な統一感・・・
というか不統一感を持っていて、何だか、良いオケなのか、それともイマイチなんだか、評価が下しにくいオケである。


 私は明日のチクルスは都合により行けないので、次は日曜日の「第九」を聴きに行く予定である。

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2005年04月23日

飯守泰次郎&東京都交響楽団

 都響の新シーズンは、4月22日のサントリーホールBシリーズ。久しぶりにコストがかかる企画(^_^;)と言う感じで、
ワーグナーの「リング」抜粋。指揮者はシティフィルでの「リング」やワーグナーのオペラで評価の高い飯守泰次郎の登場である。
当日のチケット売り場はソールドアウトになって、キャンセル待ちの列が並んでいた。



  • 曲目 〔ワーグナー:楽劇『ニーベルングの指環』抄〕

  • 楽劇『ラインの黄金』 前奏〜ラインの乙女たちと黄金強奪

  • 楽劇『ワルキューレ』 ワルキューレの騎行〜ヴォータンの告別と魔の炎の音楽

  • 楽劇『ジークフリート』 愛のニ重唱

  • 楽劇『神々の黄昏』 夜明けとジークフリートのラインの旅/ジークフリートの死と葬送音楽/
    ブリュンヒルデの自己犠牲と終曲



    歌手:緑川まり(ブリュンヒルデ)、成田勝美(ジークフリート)、長谷川顯(ヴォータン)、島村武男(アルベリッヒ)、平井香織、
    田中三佐代、大林智子(ラインの乙女) 


 都響はかつて若杉時代にリングの抜粋演奏を定期演奏会で行ったのをはじめ、サントリーホールでのワーグナー全オペラ作品の抜粋演奏、
二期会の「神々の黄昏」、インバルとの「ワルキューレ」全幕演奏などを行っている。その意味で都響は、
ワーグナー演奏には長けているオケである。しかし飯守とのワーグナーは、若杉やインバルのそれとは大きく違う。飯守のワーグナーは、
とても大らかでいて、音楽の流れがとても自然だ。その一方で、音楽に張り詰める緊迫感は若干薄く感じられると同時に、
オケを盛大に煽る一方で、ピアニッシモを使うことが少ないために、意外とダイナミックレンジが狭く感じられる。ただ、ふつーは、
このような飯守のワーグナーのほうがスケール感があって、好まれるだろうと思うし、私も嫌いじゃない。オケは、「ラインの黄金」
冒頭のホルンが不安定だったほかは大健闘。都響特有の硬質な弦楽器を基調に、テンションの高い演奏を聞かせてくれた。


 歌手では、何と言っても緑川まりの存在感がすごかった。声量は申し分なく、オケの音のカーテンを突き抜けて聞こえてくる。
成田勝美も緑川に負けぬレベルだったが、惜しむらくは両者とも絶叫調になってしまったことか。
このあたりは指揮者がオケの音量を上手にコントロールして欲しかった。ヴォータンの長谷川顕は、やや音程的に不安定さを感じたのと、
声そのものがヴォータンと言うよりも巨人族のような感じだ。島村武男は、この役柄では他に追随する歌手はなし。素晴らしかった。
ラインの乙女たちも十二分の出来栄え。


 カーテンコールは大いに盛り上がって、満員のホールはブラボーの声に包まれる。21:15までの長いコンサートだったが、
時間の長さを感じさせない一夜だった。

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2005年04月19日

スクロヴァチェフスキ&読響

 2005年度の読響定期のスタートは、4月18日のサントリーホール、指揮者には人気上昇中のスクロヴァチェフスキの登場である。
今年度の定期でスクロヴァが振るのは、この4月だけではない。冠指揮者でもないのに、
12月の定期にも登場するというのはオケの定期としては異例だろうと思う。
曲目はベートーヴェンの交響曲第1番とブルックナーの交響曲第7番というもの。


 さて、ワタシ的には、最初のベートーヴェンが良かった。単に「良かった」というレベルを超えて、
素晴らしかったと言うべきかも知れない。ベートーヴェンの交響曲第1番と言うと、なんとなく「まだ習作」というイメージがあって、
演奏スタイルによってはモーツァルトやハイドン的な響きに聞こえることがある。でも、スクロヴァチェフスキの演奏はぜんぜん違う。
この曲に込められているベートーヴェンの強烈な個性が開花し、強靭な意志を感じさせる演奏である。颯爽としたスピード感、
明確なアーティキュレーション、・・・目からうろこの演奏である。この曲が一夜のコンサートとなると「前座」
みたいな位置づけで演奏されることがほとんどだと思うけど、こんな演奏だったら十分にメイン・ディッシュになりうることを認識させられた。


 しかし、ブルックナーは少々期待はずれに終わってしまった。読響の名誉のために最初に書いておくけど、これはオケの責任ではない。
ベートーヴェンの演奏を含めて、読響は緊張感の高い演奏を聞かせてくれたし、若干のアンサンブルの乱れがあったとしても、
それはライヴであれば避けられないわずかな乱れでしかなかった。しかし、スクロヴァの指揮する演奏スタイルだと、
そのわずかなアンサンブルや音色の不統一が必要以上に強調されて聞こえてしまうのである。音楽も、いささか分析的に過ぎる感じで、
音楽の流れに安心して身を浸すことが出来なかったのも残念。このあたりは演奏の良し悪しと言うよりも好みの問題だろう。
ワタシ的にはブルックナーのようなロマン派よりも、ベートーヴェンやモーツァルトみたいな古典の方を聴いてみたいと思う。

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2005年03月19日

アルブレヒト&読響「神々の黄昏」第3幕

 在京オケの3月の定期演奏会は、なぜか演奏会形式のオペラが多い。先日のNJPの「レオノーレ」、
都響は29日に「青ひげ公の城」を演奏する。そして読響はワーグナーの楽劇「神々の黄昏」から第三幕を演奏会形式で取り上げた。
シーズンの締めくくりを飾るのに相応しい曲目である。会場のサントリーホールは9割程度は入っているものの、
SやA席の中でも条件が悪そうな席に空席が若干ある。一回券の値段が張るためだと思われるけど、ちょっともったいない。


 さて、ワーグナーのオペラの場合、一番の主役はオーケストラだと思う。特に、この「ニーベルングの指輪」の場合、
管弦楽組曲みたいに取りあげられることもあるくらい魅力的な旋律に満ちている。「指輪」の中から抜粋上演する場合は、「ワルキューレ」
第一幕が演奏されることが圧倒的に多く、今回のように「神々の黄昏」第3幕が演奏されるのを聴くのは初めてだが、実際に聴いてみると
「ワルキューレ」に負けず劣らず、素晴らしい音楽に満ちている。そして、この日の読響定期、その音楽を見事に再現してくれた。


 まず特徴的だったのが、音の厚みである。特に弦楽器は、金管楽器の咆哮にも負けない厚みが必要だけど、
在京オケでここまで厚く弦楽器を鳴らせるのはN響と読響だけかもしれない。もちろん、音がデカければイイというわけじゃない。
ライトモチーフを描き分ける音色のパレットも豊かなので、ダイナミックレンジも広い。
アルブレヒトの指揮はオーソドックスなアプローチだったけど、オケがピットではなくステージ上にいると、響きが直接的で鋭角的である。
同じステージ上で歌う歌手は、このオケに伍して歌うのは大変だったに違いない。


 にもかかわらず歌手も良かった。ジークフリートのペール・リンズコーグは、やわらかい美声の持ち主で、
ヘルデンテノールという感じではないものの オケの厚みに負けない声量と若々しい歌声が心地よい。ブリュンヒルデのクリスティーン・
ブリュアは、ドラマチックな歌声で、ラストの「自己犠牲」ではオケの強奏の上を飛び越えてくるような声量を見せつけた。ハーゲンの工藤博、
グンターの青戸知、グートルーネの林正子も申し分なく、この顔合わせで「神々の黄昏」全曲、いや「リング」
全部を聴いてみたい思いに駆られてしまった。


 演出はほとんど伴わない演奏会形式だったが、ワーグナーは音楽そのものがストーリーを語っていることを改めて実感した。
来シーズンの読響のプログラムも楽しみである。

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2005年03月11日

チョン・ミョンフン&東京フィル

 今シーズン最後の東フィル・サントリー定期は、チョン・ミョンフンの登場。
会場には多少の空席はあるものの、全体では9割程度の入り。曲目はシューマンのピアノ協奏曲(pf:ラルス・フォークト)と、
マーラーの4番というもの。


 結論から言うと、ちょっとガッカリした演奏会だった。まず、ピアノ協奏曲は、独奏の音色的な変化も少なく、やや平板的な出来栄え。
オケとの絡みにも齟齬があり、消化不良な感じが残った。決して悪い演奏ではないものの、チョン&東フィルというコンビならば、
もっと上質な演奏を期待してしかるべきだろうと思う。


 さらに、チョンが東フィルで一貫して採り上げているマーラーだが、これはシューマン以上に不満足な出来栄えである。まず、
音量のバランスが良くない。いつものように弦楽器を拡大した編成なのだが、
音量を抑えようとするあまり音の密度が低くなって緊張感が乏しいし、
そこに木管が加わるときに音量がでかすぎて雰囲気を壊してしまうことしばしばなのだ。この4番は、室内楽的な透明感が求められる曲なのだが、
これでは聴き手を感動に結びつけることは出来ない。とは言っても、4番はマーラーの中で感動させることが最も難しい曲のような気もするので、
厳しすぎる評価なのかもしれないが。


 チョンのマーラーは、東フィル就任以来、継続して聞いてきたが、彼はマーラーには向いていないというのがワタシ的な結論。
どちらかと言うとラヴェルとかドビュッシー、ビゼーなどの感覚的なフランスものを指揮させたら、
かなり魅力的な演奏を聴かせてくれそうな気がするのだが、哲学的・論理的・
思索的なドイツものだと曲全体の統一感が失われてしまうような気がしてならない。また、
アンサンブルの精度を二の次にしたオケの編成の拡大志向なども、私の好みとは違うことがハッキリしたので、
私は東フィル定期会員継続は見合わせることにした。20日にオーチャード定期を最後に、少なくとも一年間は東フィル会員からはお別れである。

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2005年03月09日

インバル&ベルリン交響楽団

 すみだトリフォニーホールとベルリンのコンチェルトハウスの友好提携事業と、すみだ平和祈念コンサートと兼ねて開催されたのは、
インバル指揮のベルリン交響楽団の演奏会である。チケットの値段はS席10,000円〜B席6,000円だったけど、
墨田在住在勤在学とトリフォニーホールの会員はS席のみ半額というスペシャルプライス。私はトリフォニーの会員なので、
もちろんS席を購入して半額、さらにNJP会員の特典を行使してさらに2,500円引き。そして、
こういう機会じゃないと座らないであろう1階席を指定し、いつもの3階席と音比べも楽しもうと目論んだ。



  • 武満徹:弦楽のためのレクイエム

  • ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番(pf:横山幸雄)

  • ベルリオーズ:幻想交響曲


 私が座ったのは1階席やや後方のステージに向かって左側の席。前の席との段差があるので、1階席でも見やすいし、
3階席よりも座席の前後が広い感じなのが良い。でも、オケのコンサートの場合は上から見下ろすほうが全体の見通しが良いので好きである。
それに、音はやっぱり3階席のほうが良いと思う。1階席だと音がナマっぽく、残響音が少ない。そして、オケのパートの音の分離が今ひとつで、
混然一体となって聞こえるのは個人的に好みの傾向じゃぁない。とは言っても、このトリフォニーは、
他のホールの1階席と比べるとかなり良いかも知れない。


 さて、演奏のほうに話を移そう。ベルリン交響楽団は、特別に巧いというオケではない。ベルリン・
フィルと比べると音は渋めで華やかさは乏しいし、テクニック的にもアンサンブル的にも突出したものを聴けるわけではない。しかし、
この渋い音色は魅力ある。日本のオケは器用だから、幻想なんかは結構フランスっぽく演奏も出来るけど、ベルリン響が演奏すると・・・
あたりまえだが、やっぱりベルリン響の響きなのだ。こういう風に、重心が低く、ちょっと渋めで、
色彩感がストイック的に押さえ込まれた幻想も悪くない。逆に、ベートーヴェンのピアノ協奏曲が当たり前すぎる演奏で、
ちょっと退屈なくらいなのである。


 そしてインバルは、80年代後半からデンオン(今はデノン)のマーラー・ツィクルスの録音で一世を風靡した指揮者である。
厳格なオケのトレーニングに裏打ちされた比類なきアンサンブルを構築したフランクフルト放送響との来日公演は、今でも記憶に新しい。
都響の特別客演指揮者を務めていた時期もあって、その録音とライヴの差に驚いた記憶がある。この人、
録音だと緊張感を伴った端正に整った演奏をする人だけど、ライヴだと羽目を外す演奏をよくやる。今日、インバルの演奏を聴いてが、
やっぱりインバルはインバルだ。かつてのフランクフルトのような機能的なオケではないものの、オケを完全にコントロールし、
音楽の中にインバル節を織り込んでいく。特別に変わった演奏ではないものの、アーティキュレーションが面白い。


 でも、インバルの本領を発揮するには、もっと機能的なオケのほうが面白いんだろうし、
それに加えてオケとの長い年月の積み重ねが必要なんだろうと思う。このベルリン響との演奏会はそれなりに面白かったけど、
かつてのフランクフルト放送響との演奏を知っているものからすると食い足りなさが残ったのではないだろうか。(アンコールは、
ブラームスのハンガリー舞曲集から)

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2005年02月22日

ラザレフ&読売日本交響楽団

 今夜はサントリーホールの読響定期で、このところ常連になりつつあるアレクサンドル・
ラザレフが登場し、R・シュトラウスのプログラムを振った。会場は9割程度の入り。



  • R・シュトラウス:祝典前奏曲

  • R・シュトラウス:ブルレスケ(Pf:若林顕)

  • R・シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはこう語った」


 選曲の人気の有無はともかく、3曲とも派手な曲で、オケの編成もきわめて大きい。そして、それにも増して派手なのが、
ラザレフの指揮である。もともと大柄な人であるけど、アクションも大きく、まるでクマのダンスだ。指揮台の面積をフルに使っても足りずに、
片足を踏み外してしまうほどである。そこから表現される音楽も派手かというと、意外とそうでもない。


 最初の祝典前奏曲ははじめて聴いた曲だが、オルガンも加わったド派手な祝典音楽である。
最初は指揮者のアクションの大きさに驚かされるが、そこから醸し出される音楽は意外とオーソドックスで、
ffになっても音が崩れることもなく、アンサンブルもきちんと整えられている。超難曲のブルレスケも、
若林顕の安定感のある演奏で見事に仕上がったし、メインの「ツァトゥストラ・・・」は、
むしろppの音が磨きぬかれていたことに印象が残った。


 ハッキリ言ってビジュアル的にはウザイ指揮者だが、その音楽作りは意外とマトモ。この選曲では仕方がないのかもしれないが、R・
シュトラウスらしい官能的な音色がもっと楽しめれば、さらに素晴らしい演奏会になったと思う。

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2005年01月15日

新春かくし芸大会〜プレトニョフ&東京フィル

 昨日(1/14)はサントリーホールで行われた東京フィル定期演奏会。指揮者のプレトニョフは、
もともとピアニストとして名を馳せた人だけど、その後、ロシア・ナショナル管弦楽団を組織して指揮者としても活動を開始した。
加えて、プレトニョフは曲も書くらしい。プレトニョフは、今回の定期のプログラムに自作のヴィオラ協奏曲を組み込んだ。
これでヴィオラも自分で弾いたら、新春かくし芸大会だが、さすがにそれは無理らしい(^_^;)。ソリストには、ベルリン・
フィル首席で活躍する清水直子を起用した。玄人好みのプログラムのせいか、空席が目立ったのが残念。



  • チャイコフスキー:歌劇「エフゲニー・オネーギン」からポロネーズ

  • プレトニョフ:ヴィオラ協奏曲(Va:清水直子)

  • ショスタコーヴィチ:交響曲第15番


 プレトニョフが指揮台に上り、タクトを下ろす。まずポロネーズの第一音からしていつもの東フィルと違う。華やかで色彩感豊かな音だ。
豪華な舞踏会を連想させる音楽に、この先のプログラムへの期待が膨らむ。2曲目は、プレトニョフ自作のヴィオラ協奏曲で、
3楽章45分に及ぶ大作である。1997年の作曲だが、聞きやすい旋律が折り重なる様子は、ロマン派の作品に近い。ただ、
一つひとつの主題は美しいのだが、その発展性が乏しく、統一感・求心力が少ないため、45分がいささか長く感じられたのが残念だ。
もう少しコンパクトにまとめれば随分と印象が変わると思うのだが。


 それにしてもこの曲、ソリストにとっては気を抜けるところがまったくなく、45分弾き通しである。
清水直子は初めて聴くヴィオリストだが、豊かな美しい音色だし、集中力あふれる演奏を聞かせてくれた。また機会があれば、
バルトークあたりを聴いてみたいものである。


 休憩後はショスタコの15番。最近、定期演奏会でも少しずつ演奏される機会が増えてきている曲である。「ポロネーズ」同様、
非常に音色のパレットが豊かな演奏である。アンサンブルの精度は向上の余地はあるものの、
まるで子どもの頃のオモチャ箱を回想しているような音楽・演奏は聴いていてとても面白い。1月の東フィル定期は、
両方とも充実した演奏を聴かせて頂いた。

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2005年01月09日

チョン・ミョンフン&東京フィル:マーラー交響曲第3番

 今日は今年最初のコンサートで、東京フィルのBunkamura定期である。チョン・
ミョンフンの登場とあって、オーチャードホールはほぼ満員。曲目は、
チョンがコダワリを持ってとりあげ続けているマーラーの交響曲から、第3番が選ばれた。


 マーラーというと、楽想が分裂的で、それをひとつの曲としてどのようにまとめるのかが指揮者としての力量の見せどころだ。
マーラー指揮者と呼ばれるマエストロは、様々な楽想が混在し、交錯する曲を、つながりよく、自然に聞かせることに長けている。その点、
チョン・ミョンフンは、・・・すでに数回のマーラーの演奏を聞いてきたけど・・・マーラー指揮者と呼ぶにはためらいを感じる。
今日の演奏の第一楽章は音楽の起伏が激しく、緩急の入れ替わりも激しい。そういう意味で指揮者の力量が一番問われる楽章かもしれないが、
楽想が入れ替わるたびに音楽の流れが途切れてしまうような感じになってしまったのが残念だ。


 しかし、そういうマイナス点も考慮しても、今日の演奏はなかなか良かったと思う。チョンの演奏で一番の聞きどころは、
アッチェランド・クレッシェンドしながら音楽の頂点を築き上げるスピード感だと、個人的には思っている。そういう意味では、
今日の曲はチョンの美点を生かしやすい曲だったし、東京フィルもチョンのタクトに敏感に反応して気合の入った演奏を聞かせてくれた。


 そしてこの曲の一番の聞きどころは、やっぱり第6楽章だ。この楽章の始まりは、緩やかで叙情的な音楽から始まり、
主題を繰り返しながらオーケストラは熱くなり、音楽の頂点を目指していく。こういう曲の盛り上げ方、やっぱりチョンは巧い。
なかなか感動的だが、・・・でも、まだ、マーラー指揮者としては物足りない(^_^;)。


 長い曲だけに無傷の演奏ではなかったが、オーケストラは大健闘と言って良いと思うし、ソリストの寺谷千枝子、東京オペラシンガーズ、
東京少年少女合唱隊も含めて、満足度の高い演奏だった。


 ※写真は、東京文化村。

posted by のら at 22:21| Comment(0) | orchestra