2010年12月14日

ヤクブ・フルシャPGC就任披露演奏会(都響サントリー定期)

ヤクブ・フルシャをはじめて聴いたのは2008年5月14日のこと。その時のプロコフィエフ「ロミオとジュリエット」抜粋は、若干26歳の指揮者とは思えない完成度で、その才能の素晴らしさを見せてくれた。・・・・あれから2年、フルシャは「ゲストプリンシパル・コンダクター」という立場で都響の指揮台に帰ってきた。いまの都響の顔は言うまでもなくエリアフ・インバルだけど、なんとなく一枚看板というという印象だった。ここにタイプの違う俊英ヤクブ・フルシャが加わったことは指揮者陣の厚みを数倍に増す効果があると思われ。

20101214

第708回定期演奏会
Bシリーズ ヤクブ・フルシャ プリンシパル・ゲスト・コンダクター就任披露公演
2010年12月14日(火)19:00開演(18:20開場) サントリーホール

指揮:ヤクブ・フルシャ
ソプラノ:アドリアナ・コフートコヴァー
アルト:ヤナ・シーコロヴァー
テノール:リハルト・サメク
バリトン:マルティン・グーバル
合唱:晋友会合唱団

ドヴォルジャーク:序曲「フス教徒」 作品67
スメタナ:交響詩「ブラニーク」
マルティヌー:リディツェへの追悼
ヤナーチェク:グラゴル・ミサ

客の入りは9割強。若干の空席はあるものの、ほぼ満席の聴衆からは、フルシャがステージに現れると同時に大きな拍手が贈られた。明らかに普段の定期とは違う雰囲気で、歓迎ムード一色。プログラムは、出身のチェコ・プログラムだ。

で、最初に書いておくけど、上記のプログラムで、聴き馴染んでいた曲は2曲目のスメタナだけで、他は初めて。グラゴル・ミサはYoutubeで聴いたけどw、ま、はじめてと言って良いかも。そんなワケで曲の解釈云々の話はヌキということでww

ドヴォルジャークの「フス教徒」とスメタナの「ブラニーク」は、両方ともローマ帝国と戦ったフス教徒をテーマにした曲で、音楽的にも共通の主題が登場するところが面白いプログラミング。そして序曲「フス教徒」から、明晰この上ない演奏を聴かせてくれた。ボヘミアの香りを適度に漂わせ、「プラジャーク」で聴き馴染んだ主題を織り交ぜながら、ドラマティックな音楽を構築していく。オーケストラを統率する力も抜群で、アンサンブルは緻密で、ダイナミックレンジの広さも印象的。もしかしたらボヘミアの濃厚な民族的な音色という意味では、物足りなく感じる向きもあろうかと思うけど、都響というオケの機能性を最大限に生かし、1曲目からフルシャの実力を見せ付けた演奏になった。

2曲目のスメタナも、とても端正かつ明晰な演奏で好演。厚みのある弦楽器が印象深い。ナチスドイツへの抵抗を描いたマルティヌーの曲も含めて、前半はチェコの悲劇的な歴史の中から生まれた音楽の紹介となった。

後半は「グラゴル・ミサ」。ミサとは名づけられているけれど、派手で多彩な音色が華々しい作品だ。ほぼ初聴きのため、この作品の良さはイマイチわからないのだが、ダイナミックレンジは広く、オルガンも含めて多彩な音色が練りこまれ、オバケの運動会みたいな部分も含めてw、ドラマチックな「ミサ」が上演される。 管弦楽が大規模になった分、前半よりも音の純度が若干低下したような印象も残ったけど、全体的には文句のつけようがない演奏だと思われ。合唱団のパノラマ的な声の広がり、ソプラノを初めとするソリストも申し分なし。

曲が曲だけに、音楽的な解釈はわからないが、オケを統率し、精緻なアンサンブルを作り上げることに関しては、もはや完成の域に達しているように思える。若干29歳のフルシャが、これから都響でどのような演奏を聞かせてくれるのか楽しみ。次はAプログラムだー。

posted by のら at 23:26| Comment(0) | TrackBack(0) | orchestra-TMSO
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