2009年09月29日

アンドリュー・リットン&都響 @サントリーホール

今日の都響定期は、新コンサートマスター(ミストレス)となる四方恭子の就任披露演奏会となった。四方恭子といえば、ドイツの名門オーケストラのひとつ=ケルン放送協で長いことコンサートミストレスを務めたことで有名で、私も90年代初めのベルティーニ=ケルンRSOによるマーラー・チクルスの時には、全曲聴きに行った記憶がある。

ケルン放送協は、若杉弘やベルティーニも指揮台に立っていた時代もあり、その二人とも都響の音楽監督を務めた実績があるのは周知の通り。そのケルンでコンミスを勤めた四方は、間接的には都響と共通の音楽的経験を持っているともいえる。まさに都響の新たな看板となるに相応しいコンサートマスター(ミストレス)だろう。開演前、ステージに四方恭子が現れると、会場とステージ上の団員から大きな拍手が贈られていた。

出演者
指揮:アンドリュー・リットン
ピアノ:パウル・バドゥル=スコダ

曲目
ストラヴィンスキー:サーカス・ポルカ
モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番 ハ短調 K.491
ストラヴィンスキー:バレエ音楽「カルタ遊び」
ストラヴィンスキー:バレエ組曲「火の鳥」(1945年版)

まずは、モーツァルトのコンチェルトから書こう。この曲は大いに問題ありの演奏だった。スコダの調子が悪かったのか、それとも80歳を超える高齢ゆえのミスなのかわからないが、最初の出だしから明らかにわかるミスタッチ。その後も、指が十分に廻っていないような演奏が続き、さらに何回かのミスタッチも。非常にスリリングな演奏と言えなくもないが(爆)、安心して音楽を聴けるような演奏ではない。自作のカデンツァがどうのこうのという以前の問題。柔らかで温かみのある音色が美しいのが救いだが、残念ながら楽しめる演奏ではなかった。

ストラヴィンスキーはいずれも好演。とくに「サーカス・ポルカ」は、ショスタコ的なアイロニカルな要素を持つ面白い曲。「カルタ遊び」は視覚的な要素、つまりバレエがないと理解しにくいかも。「火の鳥」は、1945年版での演奏だったが、室内楽的な透徹した演奏に感服。若干のミスもあったが、全体的には引き締まった演奏で、その水準はかなり高い。リットンの指揮は、かなりジェスチャーが大きいが、内容的には正統派の指揮者とみた。

注目の四方恭子のコンミス姿は、とてもしなやか。ソロのパートも、派手さはないがとても安心して聴いていられた。ステージではもうちょっと自己主張をしても良いのかな、と思うところもあったのだが、それはこれからに期待したい。まずは、就任披露演奏会として、成功したのではないか。

posted by のら at 23:14| Comment(0) | TrackBack(0) | orchestra-TMSO
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