7月12日(日)は、東京芸術劇場の都響「作曲家の肖像」シリーズ。テーマとなる作曲家は、シベリウスだ。ホールはほぼ満員。
指揮:ファブリス・ボロン
ヴァイオリン:ペク・ジュヤン
《シベリウス》
交響詩「フィンランディア」 op.26
ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 op.47
組曲「レンミンカイネン」−4つの「カレワラ」伝説 op.22
ちと問題だったのは、ヴァイオリン協奏曲でソリストを務めたペク・ジュヤン。とにかく音程が不安定で、最近の若手演奏家の中では珍しいほど音が微妙に外れてしまう。ヴァイオリンのトラブルもあったのかもしれないけど、この演奏は楽しむことができなかった。
しかし、後半の「レンミンカイネン」はすばらしい演奏! この曲を全曲通しで聴くのは初めてだったが、これはもっと演奏される機会があっても良い曲だろう。シベリウスらしい透明感と融点が低い高揚感が「カレワラ」の伝説を表現する。都響の演奏も、密度感のある弦楽器を基調に、テンションの高い音楽を作り上げる。いやー、最近の都響は、ホントにスバラシイ。