5月26日(火)の夜は、都響のサントリーホール定期演奏会。
・・・・し、しかしその前に会議がっ。午後6時から始まった会議はいつもよりも早く終わったんだけど、それでも会議室を飛び出せたのは6時50分過ぎ!開演時間は7時、あと10分もない。あーこりゃアカン(何故か大阪弁)、間に合わんっと思ったんだが、一縷の望みを捨てずにタクシーを捕まえた。「運ちゃん、サントリーホールまで飛ばしてー」「あいよっ」という感じで急発進。赤信号もなんのその(ウソ)。
サントリーホール前に着いたのは、午後7時05分くらい。「運ちゃん、アンガト!釣りはいらないよ」っと初乗り料金710円だけ置いて(爆)、そこからダッシュ。ホールに着くとレセプショニストのおねーさんの神業的連係プレーの案内で着席したのが、指揮者が指揮台に上ったのとほぼ同時。あー、疲れたー。
そんなワケで、演奏が始まっても呼吸を整えるのが大変だったんだけど、ホールの緊張感がいつもよりもスゴイ感じ。なんか、しーんとした空気の中、スメタナの「わが祖国」の演奏が始まった。会場のサントリーホールは、ほとんど空席がない。チケットは売り切れとは聞いていたけど、A&B定期が同一プログラムの月で、チケットが両定期とも売切れになるのは極めてマレ。チェコフィルの首席客演指揮者として「プラハの春」オープニングコンサートを振る栄誉を与えられた炎のコバケン人気なのかっ。
この日の演奏は、前半と後半で聴いた席が違うんだけど、前半とてもテンションと密度が高く、それでいて見通しがそこそこイイ演奏。多少の混濁感はあるんだけど、全体としてはもの凄い緊張感の高さが骨格のしっかりとした筆致で「わが祖国」の世界を描き出す。たぶん、これまでに聴いたことのある「わが祖国」とは違って、表題性やボヘミア的な空気感は希薄で、コバケン的な浪花節が適度にブレンドされている感じ。コバケンのタクトに対する都響の反応は、とても俊敏だ。インバルの時も俊敏なんだけど、インバルの時は指揮者に強引に操縦されている感じがするけど、コバケンの時の俊敏さはまさに「阿吽の呼吸」。すげー、いつもと違う。
後半の3曲は、いつもの定期会員席。どうも前半と音が違う。もしかしたら前半と演奏も変わっていたのかもしれないけど、それ以上に席による音の違いを実感した。後半のほうが音が良くないのだ。音のテンションがちょっと低下して、混濁感が強くなり、見通しが多少低下した感じ、激甚な変化ではないけれど、はっきりと実感できるだけの差はある。どうもワタシが座っている席は、鳴らす系の演奏だと、音があまり良くないのかもしれない。
ただ、席から見えるオーケストラの動きは、ひとつの生命体のように有機的に反応し、「わが祖国」の音楽を構築ためだけに意思をひとつにしているのが、ハッキリとわかる。こういった演奏に出会えることは、意外と少ない。いや、稀有の機会だったのかもしれない。
終演後のカーテンコールもスゴイ熱気に包まれた。コバケンは、いつものように挨拶をしていたけど、ホントにこの人は人情の琴線をゆさぶる人だ。いろんな意味で。
また、都響に客演して欲しい。ぜひ。