2009年03月29日

インバル&都響のプロムナード・コンサート

29日のマチネは、発売即完売となった都響のプロムナードコンサート。アークヒルズに行ってみるとアーク桜まつりをやっていて、カラヤン広場は出店やイベントなどで華やかな雰囲気。ただ、桜の開花は、この間の冷え込みで当初の予定よりも遅れていて、だいたい五分咲きといったところ。この様子だと、今年は意外と長い間、桜の花が楽しめるかもしれない。

指揮:エリアフ・インバル
ピアノ:田村響

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 op.18
チャイコフスキー:交響曲第5番 ホ短調 op.64

20090329-01

さて、この公演は、ワタシも会員向け発売日に事務局に電話をしてチケットを確保した公演だ。会場は定期会員のものと思われるわずかの空席はあるものの、ほぼ満員となった。

まずはラフマニノフ。田村は、ロマンチックな思い入れを込めて、間をとりながら音楽を進めていこうとする。対してインバルはそっけない。第一楽章は両者の思い入れが噛み合わず、どうもちぐはぐな感じがしたのだが、第二楽章は田村の感情過多とも思えるようなフレージングが勝り、かなり遅めのテンポ。しかし、さすがに遅すぎの感がぬぐえず、音楽が停滞感が漂う。第三楽章は起伏の大きな音楽で締めくくる。田村の目指したい方向性はわかるけど、ロマンチック系の甘い調味料がココまで多いとさすがに食超気味になるし、インバルとの志向性の違いがどうにも気になる。アンコールはメンデルスゾーンの無言歌集より。

後半のチャイコは、壮絶な演奏。トシはとってもインバルはやっぱりインバルなんだと、改めて実感させられた。たぶん、彼のチャイ5は前にも聴いた事があるんじゃないかと思うけど、そのときも全楽章をアタッカで演奏したような、やや怪しげな記憶がある。今回は2楽章の後でインバルは違和感を感じたのか、指揮台を移動するために少々の間をとったけど、たぶん彼は全楽章を続けて演奏したかったのではないか。

さらにインバルはオケに極限的な緊張感を強いるように、旋律を揺らしたり、間をとったり、ダイナミックレンジを最大限に活用しようとする。オケを鳴らしすぎで、音の美しさが後退した感はぬぐえないし、不自然なフレージングは違和感が残る。音楽的に、こういうチャイ5が好きかと問われると否定せざるを得ないが、このインバルの指揮に喰らいつこうとする都響の大熱演を前にすると、インバルの音楽が好きか嫌いかなどは仔細な問題に思えてくるから不思議だ。

普通、インバルくらいの年齢になると、音楽的にも円熟味が増すような気もするが、彼の音楽的な志向性は、80年代後半〜90年代前半のときのそれと本質的には変わっていないことに驚いた。インバルはやっぱりインバルだったのだ。

posted by のら at 21:50| Comment(0) | TrackBack(0) | orchestra-TMSO
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