2008年05月15日

フルシャ&都響の「ロミオとジュリエット」

5月14日の都響サントリー定期演奏会は、新鋭ヤクブ・フルシャの指揮だ。1981年生まれということだから、まだ26歳くらい。オケの指揮者として、めちゃくちゃ若い。そして、ソリストのガブリエル・リプキンも1977年生まれだから30歳。チェリストとしてもかなり若い部類だ。、今シーズンの都響定期は若手音楽家を登用することが多いが、こういったフレッシュな顔ぶれが楽しめるのもワタシ的には興味深い。

会場は8割弱の入りという感じで、少し空席も目立ったけど、今夜の定期を聴き逃した人はちょっと後悔するべきだと思う。このフルシャという人、これから注目すべき指揮者になるかもしれないからだ。特にプロコフィエフの「ロミオとジュリエット」は絶品! 組曲の順序にこだわらずに、ストーリーに沿った曲順に組みなおしたのは、バレエ・ファンには嬉しい配慮。もちろん演奏も素晴らしい。オケピットで演奏される「伴奏」とはレベルが全く違う演奏で、プロコフィエフの曲の良さが際立つ。

序曲の弦楽器の音の豊潤さ、バルコニーに場面のデュエットの情景のロマンティシズム、ダイボルトの死のダイナミズム、そしてロメオとジュリエットの死の抒情性、どれをとっても高水準の完成度。フルシャの指揮には、迷いは全くなく、見事な統率力で悲劇のストーリーを再現していく。プロコフィエフらしい鋭角的な音楽は影を潜めてしまったので、その向きを期待していた人からはちょっと不満があるかもしれないけど、音色の豊かさ、しなやかな美しさでは申し分ない。これで26歳、・・・これからの活動はホントに注目するべきだと思う。

順序は逆になってしまったが、前半はスメタナの「売られた花嫁」序曲と、ショスタコーヴィチのチェロ協奏曲。スメタナは急ぎすぎの感があり、ちょっと退屈。そして、チェロ協奏曲はいささかテクニックに頼りすぎた演奏で、個人的には好みではない。この曲は、実直、剛直に演奏すれば素直に良さが伝わる曲なのに、なんか妙な表情を付けようとして失敗しているような感じなのだ。ただし、このリプケンというチェリスト、テクニック的にはタダモノではない。

アンコールにはバッハの無伴奏チェロ組曲第3番ブーレと、リプケンが編曲したデュポールのエチュード第7番、そしてポール・ベン・ハイムの「slow」という3曲も演奏したのだが、演奏スタイルの好みの問題は別としてもバッハの無伴奏は軽妙に弾きこなす。デュポールのエチュードは、ひとりで弾いているとは思えないようなテクニックを披露して会場を沸かせていた。まぁ、音楽的にはともかく、見世物としては面白いカモ。このアンコールのおかげで、終演は9時15分。カーテンコールは延々と続いたが、帰路を急ぐ人も多かった。

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posted by のら at 00:28| Comment(0) | TrackBack(0) | orchestra-TMSO
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