2009年06月14日

ロッシーニ「チェネレントラ」@新国立劇場

6月12日の金曜日は、新国立劇場のオペラ・いつもどおり6時半の開演だと思って急いで行ったら、まだ大劇場エントランスのシャッターが閉まっていて、あれっ? 昨日は午後7時開演ですた(汗)。おかげで終演は、午後10時過ぎ。まぁ、金曜日だから遅くなってもいいけどね。

座席は、ワタシが見渡した範囲は満席の状態。今回の豪華キャストを見れば、この客の入りはトウゼンの結果かな・・・ロッシーニはあまり馴染みのないワタシですら心トキメクキャスティングなんだから。

20090612

【作 曲】ジョアキーノ・ロッシーニ
【台 本】ジャコモ・フェレッティ
【指 揮】デイヴィッド・サイラス
【演出・美術・衣裳】ジャン=ピエール・ポネル
【再演演出】グリシャ・アサガロフ
【演技指導】グリシャ・アサガロフ/グレゴリー・A.フォートナー

【ドン・ラミーロ】アントニーノ・シラグーザ
【ダンディーニ】ロベルト・デ・カンディア
【ドン・マニフィコ】ブルーノ・デ・シモーネ
【アンジェリーナ】ヴェッセリーナ・カサロヴァ
【アリドーロ】ギュンター・グロイスベック
【クロリンダ】幸田 浩子
【ティーズベ】清水 華澄
【合 唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

演出は、オーソドックスなポネルのもの。没落した男爵の家で繰り広げられるシンデレラ・ストーリーだ。喜劇なので、かなり高度な演技力が要求されるけど、その点では日本人キャストを含めてみんな水準を超えた内容を見せてくれた。満足。

ただし歌ではちょっと違和感が残った。一番大きい違和感は、主役カサロヴァの声・・・・カサロヴァってあんなに重い声だったっけ?前にも聴いたことがあるはずなんだけど、ロッシーニを歌う主役のメゾは、脂の乗った艶やかな声と、軽やかな歌いクチが必要だと思うのだが、カサロヴァのこの日の声は重いだけで艶が乏しく、歌いクチも悪くはないが声が重いので軽やかには聞こえない。これ、シンデレラの声ですか?とてもそうは思えないデス!

対する王子を歌ったシラグーザ。こっちは最高!彼の声が響くとホールも共鳴して艶やかに響きわたる。その密度の高い高音は、それだけでカイカン、第2幕では大きな拍手に応えてアンコールも疲労してくれた。王子の従者を歌ったカンディアは、歌では少々違和感があったが、演技力は抜群。哲学者のシモーネは、声量は控えめながら説得力の求められる役どころを好演。そして継父のグロイスペックは、没落した男爵をコミカルに演じ、その歌唱も男爵の軽薄さをイイ意味で感じさせるもの。この日、シラグーザに次ぐ内容を見せてくれたんじゃないかな。幸田&清水の姉妹も、実にいい味を見せてくれた。

オーケストラピットは上から見るとスカスカで、かなりの少人数。弦楽器はたぶん9型くらいで、実際、オケの響きはかなり薄かった。もう少し人数を増やしてもイイと思うんだが、ロッシーニは声を楽しむオペラだからということで、あえてオケを薄めにしたんだろうと思う。

久々に聴いたチェネレントラ・・・・たしか藤原歌劇団の1991年以来だったけど、意外とその時の旋律を思い出すことができた。かなりの名歌手を集めないと上演できない演目だけに、シラグーザの声を聴くためだけでも行く価値は十分にある。カサロヴァの声は好みの問題かもしれないけど、その他は概ね満足デス。

posted by のら at 09:54| Comment(0) | TrackBack(0) | opera