2008年10月19日

アイスランド交響楽団の来日中止!

11月にすみだトリフォニーホールでシベリウスを中心とした音楽を中心に演奏する予定だったアイスランド交響楽団の来日公演が急遽、中止することになった。トリフォニーの紹介するオケはとっても個性的で面白いオケが多いので私もチクルス券を買っていたのだけれど、ホールから公演中止と返金の案内がきた。トリフォニーホールのHPによると、・・・

「ペトリ・サカリ指揮アイスランド交響楽団」公演中止のお知らせ(2008.10.16更新)

この度、11月4日(火)、5日(水)、6日(木)、7日(金)に予定しておりました「ペトリ・サカリ指揮 アイスランド交響楽団《シベリウス交響曲全曲連続演奏会&アイスランド音楽の夕べ》」公演に関し、国際情勢の変化により、アイスランド共和国に厳しい経済危機が発生し、来日できなくなりました。これに伴い、残念ながら急遽公演を中止させていただくことになりました。
チケットをご購入いただきましたお客様には、お詫びを申し上げますとともに、何卒ご了承いただきますようお願い申し上げます。
つきましては、公演チケットの払い戻しをさせていただきますので、11月14日(金)迄にご購入いただきました各プレイガイドにてお手続きをお願いいたします。
大変お手数をお掛けしますが、何卒ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

つまり、アイスランドで起こっている経済危機・金融危機が原因らしい。報道では「国家崩壊の恐れも」というセンセーショナルな見出しがつけられるほど、深刻な経済危機に陥っているとのことだ。年率14%ものインフレに、15.5%の高金利、そして対ユーロで30%の通貨の下落に見舞われ、対策として銀行の国有化が行われたが、危機は一向に収まっていないらしい。高金利を目当てに世界中から資金が集まっていたらしいけど、アイスランドの通貨の価値が大幅に下落したため、その多くが原本割れはおろか、焦げ付く恐れもある。もしかしたらこの危機は、アイスランドだけに収まらないかもしれない。

いずれにしても、クラシック音楽は、スポンサーなしにはなりたたない。今回の来日公演もアイスランドの企業がスポンサーになって実現することになっていたらしいけど、こういった金融危機が影響を及ぼしやすい分野はやはり企業メセナで成り立っている分野だ。クラシック音楽は、その最たるものと言ってよいだろう。今回のアイスランド交響楽団の来日公演の中止は、他人事とは思わないほうがいいのかも・・・・。

posted by のら at 18:42| Comment(0) | TrackBack(0) | Classical Music

キタエンコ&東京交響楽団 MUZA名曲全集

このところ気乗りがせず、・・・というか日頃の疲れがたまってしまい、都響定期とNJP定期を流してしまったんだけど、10月18日(日)のMUZA名曲全集には行くことができた。ロシアの名匠キタエンコの登場と、チャイコフスキーの名曲ということもあって、ホール内は概ね満員の大盛況だった。

指揮:ドミトリー・キタエンコ
ヴァイオリン:鍵冨弦太郎 

チャイコフスキー:歌劇「エフゲニー・オネーギン」〜ポロネーズ
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35
チャイコフスキー:交響曲 第5番 ニ短調 作品64

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結論から言うと、キタエンコの指揮者としての力量をはっきりと示し、東響の実力を引き出すことに成功し、チャイコフスキーの新たな一面を堪能できた演奏会になった。少なくとも今シーズンの東響のMUZA名曲全集の中で、最も充実した演奏会になったのではないかと思う。

最初の「オネーギン」から、弦楽器は非常に充実した響きを聞かせてくれて、いつもの東響とは一味違う感じ。厚みが増し、しっとりとしたパールのような光沢感を感じさせてくれる。テンポも遅めで、フレーズもじっくりと歌わせ、堂々とした巨匠風のポロネーズ。そして、その傾向はチャイコフスキーの交響曲第5番も変わらなかった。ふつうなら金管楽器全開で華々しく終わるようなところでも、あえて金管楽器軍を抑え、弦楽器の音をメインに音楽を構築する。こういう、美しいチャイコフスキーの5番を聴いたのは、もしかしたら初めてかもしれない。遅いテンポに金管などはツライ側面もあったとは思うが、現在の東響としては最高の演奏でキタエンコの指揮に応えたといって良いのではないか。

ただ残念だったのがコンチェルト。ソリストのヴァイオリンの音色は、ところどころハッとするような美しいところもあったのだが、旋律の歌わせ方が作為的で、早いパッセージがぎこちなくなり、音程も怪しげになる。音量もオケに埋没してしまうところが多く、まだまだこれからのソリストだろうと思う。対して、サポートのオケの響きの充実が印象的だった。

キタエンコは、以前にモスクワ・フィルとの来日公演のときに聴いた記憶があるけど、そのときはこんなに良い識者だとは思わなかったが(爆)、今回の東響との演奏会は素晴らしい力量を発揮して見せた。ぜひぜひ、再来日を望みたい。

posted by のら at 09:25| Comment(0) | TrackBack(0) | orchestra-TSO