12月29日に出発したたびから、昨日帰って来ました。そんなワケで、あけおめ。新幹線から降りると、
南紀よりも東京のほうがちょっと寒い感じ。今回の旅も、まったく初めての土地を訪れたワケだけど、「見る楽しさ」よりも、圧倒的に
「食べる楽しみ」の方が上回った旅になった。やっぱ旨いものは冬に限ると思った一方で、写真的にはあまり収穫はなかったのだが・・・・
(^_^;)。以下、今回の旅で食べたものを列挙してみよう。
■伊勢うどん・・・とりあえず伊勢に着いたら「伊勢うどん」と思って、伊勢市駅近くの「まめや」という店で、一番シンプルな
「伊勢うどん」を注文した。目の前に出されるまで知らなかったんだけど、伊勢うどんは、とても柔らかい。
気をつけないと箸で麺が切れてしまって、口元まで運ぶことができないほどなのだ。もちろん、
一般的なうどんのようなコシの強さなどは期待できないので、歯ごたえ的にはまったく別の食べ物だと思ったほうがよい。
ダシは真っ黒なたまり醤油をベースにカツオを利かせたものだと思う。うどんにサッとダシ醤油をかけて、
きざみねぎを載せたシンプルなうどんは、特別に美味しいというわけでもなく、まぁまぁという感じ。これで470円だったら、個人的には、
やっぱり讃岐うどんのほうが安くて旨いと思う。
■
伊勢海老・・・鳥羽で泊まったのが「海月」
という旅館。夕食は自分で選べる合理的なシステムで、ワタシは奮発して一万円の「贅沢伊勢海老コース」を選んだ(もちろん宿泊費は別だ)。
伊勢海老を本格的に食べたのは初めてかもしれないので、他との比較は出来ないんだけど、これは旨い。めちゃくちゃ旨い。伊勢海老のお造りは、
あまり大きくない海老だけど丸ごと一尾。初めて塩だけで食べたのだが、海老の甘さが引き立つ。この店オリジナルの伊勢海老の竹輪
(つなぎにイカを使っているらしい)は目の前で炭火で焼いていくれる。これがぷりっぷりで香ばしい。思わず酒がはかどってしまうではないか。
続いて目の前で焼いてくれた伊勢海老の焼き物も一尾。これも香ばしくて、ちょうど良い焼き加減。もう信じられない。さらに、
伊勢海老のフライ。単なるエビフライだと思ったら、これがぜんぜん違う。丸ごと一尾の伊勢海老を使ったフライなのだ。かぶりつくと、
サクサクの衣の下から湯気を上げた白い身が現れる。これがマズイはずが無いではないか! ダメ押しは伊勢海老の鍋で、その後に雑炊。
「旅館の料理は量ばかりが多すぎて・・・」と思うことも多いけれど、この「海月」はちょうど良い。
全部で伊勢海老は4尾くらいは使っているはずなのだが、これで1万円で良いのだろうか。ここで伊勢海老を食べれば、
値段以上の満足感を得られることは間違いない。超オススメ。
■めはり寿司 and さんま寿司・・・伊勢海老と違って、こちらは庶民的な味。新宮の「総本家めはりや」で食べた。めはり寿司は、熊野の郷土食で、
高菜のおにぎりだと思えば間違いないのだが、海苔のかわりに高菜の葉で包んであるのがミソ。値段も4個で480円と安く、
これだけでもお腹いっぱいになる。特別に美味しいものではないと思うけど、旅館の料理ばかり毎日食べていると、
こういう素朴でサッパリした味が無性に恋しくなる。さんま寿司は、脂の乗ったさんまを押し寿司にしたもの。これも安くて旨い。個人的には、
さんま寿司のほうがオススメ。
■マグロ・・・
旅の最後に行ったのが紀伊勝浦。駅前から港にかけての一角には、マグロと鯨の店が立ち並ぶ。正月だったので開いている店は少なかったが、
その中からカンで「おがわ」という店を選んだ。
結果的にはこれが大正解。刺身といえばやっぱりマグロだが、この店のマグロは冷凍モノではなく、生のマグロだ。
マグロ丼はランチなら840円だが、これでも生マグロの旨さが存分に味わえる。とにかく、ねっとりとしたモチモチ感は、
これまで味わったことのないマグロの食感だ。旨みも凝縮されている感じで、これまで食べていたマグロは、いったい何だったのだろうと思った。
さらに、夜にも同じ店でマグロの刺身を注文した(1,500円)。メバチ、キハダ、ビンチョウの三種類のマグロを出してくれたが、
中でも赤身のメバチマグロが圧倒的に旨い。東京で同じ刺身を食べたら、値段はいくらになるんだろう。
■クジラ・・・旅の最終日に紀伊勝浦の「
ますだ」という店で。クジラ定食(1,500円)を食べた。冷凍でルイベ状になった刺身を生姜醤油で食べるのだが、・・・
やっぱりマグロのほうが旨い。今ではクジラのほうが珍しさから値段が高くなってしまったが、同じ値段なら圧倒的にマグロのほうが旨いと思う。
ちなみに、この店は一人でも入りやすいので、また紀伊勝浦に行ったときには別のメニューを頼んでみたいと思う。