2005年09月02日

今日から松本へ

 8月も終わって、これから秋のコンサートシーズンが本格化。私も今月はバイエルン国立歌劇場、新国立劇場など、
たくさんの予定が入っている。その秋のシーズンの最初に、恒例のサイトウキネン・フェスティバルに今日から出発だ。
今年は9月4日のシェーンベルグ「グレの歌」の初日公演のチケットを購入した。


 今回は身軽な旅をしたいと思っているので、パソコンは持参せず、現地からの更新はできないけど、その分、日頃の多忙?
を忘れての〜んびりと温泉に入ってきたい。では、今から出発です〜!

posted by のら at 08:35| Comment(0) | Monologue

2005年09月06日

小澤&サイトウキネン「グレの歌」

 サイトウキネンに通うようになって10年を超える年月が経った。毎年、この時期に松本を中心に安曇野、乗鞍、
上高地を訪れてきたけど、今年はちょっと趣向を変えてバスに乗って岐阜県側に渡り、平湯温泉と高山に足を伸ばしてきた。
9月2日は特急あずさで松本まで行って、バスの乗り換えて1時間半、平湯温泉の「平湯館」という旅館に泊まった。
平湯では大型の宿に属するんだろうと思うけど、細やかな心遣いで快適な宿。食事もそれなりに美味しいし、温泉も加水ながら天然温泉掛け流し。


 9月3日は、平湯からバスに乗って1時間、高山の街並みを見に行った。江戸時代の面影を残す街並みは、
ちょっと観光地化されすぎている気がするけれど、それなりの情緒もある。ただ、午後になってから天候が急変し、ものすごい雷雨に見舞われた。
急いで高山のバスターミナルから平湯温泉に戻った。


 9月4日は宿をチェックアウトして、新穂高温泉に向かい、そこからロープウェイに乗って、
標高2,100メートルほどの西穂高に上った。空は曇っていて見晴らしは良くなかったけど、晴れていればきっと絶景だったに違いない。
それにしてもここ数年、サイトウキネンで訪れたときの天気に恵まれていない。なんでだろ?(^_^;)


 さて、その新穂高温泉から特急バスに乗って松本に戻り、まつもと市民芸術館で行われたサイトウキネン・
フェスティバルのシェーンベルグ「グレの歌」の初日を聴いてきた。会場は日曜日ということもあって満員だが、
他の平日公演は売れ残りもあるらしい。セミステージ形式で上演されたのだが、ピットは客席と同じ高さまで持ち上げられ、
ピットと客席の間の壁も撤去されて、フルフラットな状態である。ピットに入りきらないオーケストラは、舞台の上にも上げられて、
さらにその後方にステージが設けられている。そのステージは、とてもシンプルな舞台装置で、
三分解された合唱団用の黒い雛壇が置かれているだけ。


 まずオケの演奏のほうだけど、初日ということもあって、前半はガサガサとした荒さが目立つ演奏になってしまった。
もっともこの荒さは、公演日程が進むにつれて改善するんだろうけど、それ以上に気になったのは、小澤がこの曲を通じて何を言いたいのか、
イマイチ伝わってこなかったこと。もともと小澤にはこの曲の持つ官能的な雰囲気、音色を期待することは難しいのだろうけど、
それにしても曲作りが機械的で、一本調子という感じがぬぐえない。場面に応じた音楽を構築しきれていないのだ。
機能性では世界でもトップレベルのオケなんだろうけど、決してそれだけではこの曲の面白さは伝えきれないんだじゃないだろうか。


 一方、歌手と合唱は、きわめて高水準。特にトーマス・モーザーの柔らかい歌声は魅力的だったし、ミシェル・デ・
ヤングの山鳩も上品な歌唱が印象的。そしてフランツ・グルントヘーバーなんて、農夫/語り手のような「端役」
で使うのは実にもったいない歌手である。オペラシンガーズも例年通り、その実力の高さを見せ付けた。


 そして演出だが、ステージ上での動きも乏しく、わずかに照明や男声合唱の衣装で工夫した程度。・・・・
これならハッキリ言って演奏会形式の方が遥かに良かったのではないだろうか。財政難で、
当初の予定よりも遥かに縮小した演出になったという話もチラッと小耳に挟んだので、演出家を攻めるのは気が引けるけど、
それにしてもこのような演奏会形式に毛が生えた程度の演出では、松本市民がこのように立派な歌劇場を作った意味はない。そんなわけで、
今年のサイトウキネン、ワタシ的にはトータルとして残念な内容に終わってしまった。今回はチケットの売れ残りも多かったようだし、・・・
今後の方向性を見直す時期に来ているんじゃないだろうか。

posted by のら at 22:16| Comment(1) | orchestra

2005年09月25日

ミュンヘン・オペラ

 一昨日はミュンヘンオペラの「タンホイザー」、今日は「マイスタージンガー」に行ってきた。
東京文化会館も神奈川県民ホールも満員の大盛況で、初日公演ということもあって着飾った人も多かった。華やかな雰囲気である。


 でも、やっぱりオケが巧いなぁ。このバイエルン国立歌劇場を聞くのは久しぶりなんだけど、さすがにドイツ・
オペラの最高峰に挙げられるだけあって、実に巧い。日本のオケも悪くないけど、この歌劇場のオケと比べるとスケールの違いに驚かされる。
メータが紡ぎだすアンサンブルはところどころでバラバラになりそうなところもあったけど、危うさに至らなかったのはオケの力量だろうと思う。
重厚さと、しなやかさを併せ持ったワーグナーの世界はキキモノである。


 歌手もイイ! 全体的に水準が揃っていて、穴がないのである。タンホイザーが知性的過ぎるとか、
エリーザベトが清純さが足りないとか、ザックスが老けすぎとか、キャスティングの好みの問題はあるけど、
これは今の日本の歌劇場では実現しえない水準だろうと思う。タンホイザーの演出は小細工が過ぎて好きにはなれなかったけど、
マイスタージンガーのモダンな演出は素晴らしいと思う。どちらかを見るなら、ぜひ「マイスタージンガー」をオススメしたい
(NHKホールはオススメできないけど)。


 さて、明日は新国立劇場の「マイスタージンガー」である。これで3日連続ワーグナー漬けである。
さすがにマイスタージンガーの連続は・・・・マジでツライ(^_^;)。


※今日のマイスタージンガー第3幕では、ハウリング音が煩かったゾ。

posted by のら at 23:06| Comment(0) | opera

2005年09月26日

新国立劇場の「マイスタージンガー」

 いや、それにしても3日連続ワーグナーというのはツライ。特に「マイスタージンガー」
の2日連続というのは拷問に近いものがある(^_^;)。もともと、それほど好きな演目じゃないし、聴きどころの第3幕だけで十分じゃん
(暴言)。そんな私がなんで久しぶりの新国立劇場に、それも「マイスタージンガー」に半日の休暇までとって出かけたのかというと、・・・・
単にチケットを貰ったからなのである。そうでもなけりゃ、バイエルンの翌日に聴きに行こうとは思わない。そんなワケで、
期待値は低いまま初台に向かったんだけど、いま、聞き終えて一言、・・・・「意外とイイ」。
音楽や演出の志向性はバイエルンと正反対なんだけど、新国立劇場は繊細さの勝利というべきか、
ザックスやエヴァなどの登場人物の心理が上手に描かれていたのである。見終わって感心したのはバイエルンのほうかもしれないけど、
感動したのは新国立劇場のほうかもしれない。


 とはいっても、歌手、オケとも、地力は圧倒的にバイエルンのほうに分がある。音楽のスケール感、豊かな音色、そして歌手の声量、
存在感、舞台装置の豪華さ、いずれもバイエルン国立歌劇場の方が素晴らしい。ひとつのエンターテイメントとしては、
コンピュータやプロジェクターを駆使し、インターネットやデジタルカメラやカメラクルーを登場させ、夜警はホームレス、
群集にネオナチを登場させた政治的なメッセージも含めて、バイエルンのマイスタージンガーは面白い。しかしながら、その素晴らしさが、
登場人物の心理に結びついていたかというと、実は疑問が残る。


 新国立劇場の歌手は、バイエルンを聞いた後だと正直言って小粒に感じる。第一幕なんかは声が飛んでこないので「あれっ?」
と感じたほどだ。しかし幕が進むにつれて声がとどきはじめる。そして、聞かせどころのひとつである第3幕の五重唱の美しさはどうだろうか。
繊細で美しかった新国立劇場のほうが、ワタシ的には感動的だった。バイエルンの年老いたザックスに比べ、
壮年のザックスを演じさせた新国立劇場のほうが、物語的に遥かに説得力があるし、舞台栄えする可憐なエヴァの容姿・歌唱も良かった。
そういったエンターテイメント以外の部分では、新国立劇場のほうが好ましいと思った。演出や舞台装置に疑問が残るものの、
第三幕前半のこじんまりとした部屋の舞台は、歌手の声を最重視した演出、舞台装置だったろうと思う。


 この新国立劇場とバイエルン国立歌劇場、故意か偶然かは知らないけど、同一時期に同じ都市の中で「マイスタージンガー」
という超重量級の演目が同一時期に上演されるというのはひとつの「事件」だったのかもしれない。
この演目がこんなかたちで聴き比べができる機会は、もう二度と来ないと思う。「マイスタージンガー」は、ちょっと苦手な演目だったんだけど、
この2日聞き続けて、ちょっと好きになってきたかもしれない(^_^;)。

posted by のら at 22:21| Comment(0) | opera