2014年05月31日

R・シュトラウス「アラベッラ」@新国立劇場

5月31日(日)は新国立劇場の「アラベッラ」を見に行った。この演目は、R・シュトラウスの歌劇の中では上演頻度が少なく、私も新国による2010年の初演以来の2度目。日本初演も1988年のバイエルン国立歌劇場の上演だから、R・シュトラウスの作品としては異様に遅い初演だった。それだけ上演するのが難しい演目なのかもしれない・・・、営業的な意味も含めて。

指揮:ベルトラン・ド・ビリー
演出・美術・照明:フィリップ・アルロー
衣裳:森 英恵
出演:
ヴァルトナー伯爵/妻屋秀和
アデライデ/竹本節子
アラベッラ/アンナ・ガブラー
ズデンカ/アニヤ=ニーナ・バーマン
マンドリカ/ヴォルフガング・コッホ
マッテオ/マルティン・ニーヴァル
エレメル伯爵/望月哲也
ドミニク伯爵/萩原 潤
ラモラル伯爵/大久保光哉
フィアッカミッリ/安井陽子
カルタ占い/与田朝子
合唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

このアルロー版による演出を見るのは前述のように2度目なのだが、正直言ってこの演出の青い色彩感はあまり好きではない。青と白というと、今様に言えば「アナと雪の女王」的な雰囲気もあるのだが、この物語は19世紀の没落貴族のストーリー。青い舞台は、それらしい重厚感も感じられない。もちろん現代的なポップな演出であれば、それはそれで一つの指向性ではあるのだが、衣装だけは19世紀的なので統一感が感じられないのだ。

歌手は、どのキャストもスキのない出来栄え。主要キャストの妻屋、竹本は、外国人の客演キャストと比べても全く遜色のない内容だった。その中でも特筆すべきは、マンドリカのヴォルフガング・コッホで、粗野な成金ぶりは「はまり役」。

やや残念だったのはオーケストラ。第一幕・第二幕の音色には、R・シュトラウス的な室内楽的な精緻さが感じらない。R・シュトラウスのオペラは、官能的な管弦楽が生命線だから、これが決まらないとオペラの魅力が伝わってこない。その魅力が現れはじめたのは第3幕からで、結果的に第3幕は非常に魅力的な舞台になった。アラベッラとマンドリカの二重唱の美しさはこのオペラの白眉であり、有名なグラスを割るシーンにも心奪われた。

ま、逆に言ってしまうと、良かったのは第3幕だけだったのだが、弦楽器の上昇線と下降線が織りなすその美しさ、それがたった一瞬であっても満足感があるのがR・シュトラウスのオペラの特質なのである。

posted by のら at 21:40| Comment(0) | TrackBack(0) | Information

ベランダ菜園

今年のベランダ菜園は、苗から育てたトマト。トマトは意外なほど育てるのがカンタンで、成長がめっちゃ早い。植えてから一月半くらいなのに、もう1m近い高さになっている。トマトの黄色い花が咲いて、そこからトマトの実がなる。この実を甘くするためには、適度に水不足な状況を作り出し、葉がすこししおれた感じになってから適度に水を与えるといいらしい。収穫まであと2〜3週間くらい。楽しみ!

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ピーマンも実に簡単!白い可憐な花が咲き、それがピーマンの実になる。これもたくさん収穫できそう。

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このほかには、緑のカーテン的になるように、ゴーヤとアサガオを栽培中。こちらは花が咲くのはもう少し先になりそう。

posted by のら at 12:12| Comment(0) | TrackBack(0) | Monologue

山内ひなこ@みなとみらい ポートレート

ポートレートを撮るのは2年ぶり。

仕事でプロフィール写真を撮る機会がそれなりにあって、男女問わずに写すんだけど、そこにはポートレートで培った経験が活きてくる。ただ、モデルさんをしばらく撮らないと、そのカンが鈍ってくるのもはっきりと実感する。

この日のポトレのモデルは、山内ひなこさん。あえて芸能人的に言うと新垣結衣系? 撮影会モデルを始めてまだ2カ月ということだったが、「新人」とは思えないポージングと表情を見せてくれる。私はどちらかというと自然体の写真が好きなので、この日はあえてそういう「固め」のポーズの写真が多いかも。

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これからがとても楽しみなモデルさん。夕暮れ時の一番いい時間帯に撮影打ち切りになってしまったのが心残り。それは、また次の機会に。

OLYMPUS OM-D E-M5、OLYMPUS PEN E-PL5、M.ZUIKO 12mmF2、75mmF1.8、LEICA DG SUMMILUX 25mmF1.4

posted by のら at 11:52| Comment(0) | TrackBack(0) | Photograph-Portrait

あれから3年w

このブログが更新停止してから、そろそろ3年。パソコンを買い替えてブログ更新ツールの設定が面倒になり、そのまま放置していたんだけど、その背景にあるのはブログオーナーの更新意欲の低下があることは明らかですw ・・・というのも、この3年間はじつに多くのことがあって、それは良い意味での「多くのこと」なのだけれども・・・ブログを更新するよりも優先すべき日々の日常があったということなのだろう。

ただ、あとで自分のことを振り返った時に、自分の見てきたオペラやバレエ、コンサート、そして旅のことの記録と記憶が残っていないことに気が付く。Twitterも過去のログはところてん式に消えて行ってしまうし、facebookのように個人情報をさらしたかたちでの日常は書きたくない。あー、やっぱりブログを書いておくんだったなぁ・・と思うことも多く、この先少しでもこのページに記録と記憶を残していくべきだろうと思ったのが最近の心境なのです。

下の写真は、最近のマイブーム的被写体の月。天体写真の機材がほしいけど、さすがにこれ以上散財は難しいw

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OLYMPUS E-M5 ZUIKO 75-300mmで撮影してトリミング

posted by のら at 04:11| Comment(0) | TrackBack(0) | Information

2011年07月06日

飛行機の旅

これまでに離着陸したことのある空港をリストアップしてみた。

【北海道】
稚内、女満別、旭川、中標津、釧路、千歳、函館、

【東北】
青森、秋田、山形、

【関東甲信越】
羽田、

【関西・中四国】
神戸、高松、徳島、高知、松山、広島、鳥取、出雲、萩石見、

【九州】
北九州、福岡、大分、宮崎、熊本、長崎、鹿児島、福江、屋久島、奄美、喜界、徳之島、

【沖縄】
那覇、宮古、石垣、与那国

全部で36空港にもなった。飛行機がそんなに好きというわけではないけど、マイレージの関係で飛行機を使ったほうが安くて早いので、このところ飛行機ばっかり。是から先も空港履歴を増やすとすれば、関西や中部、伊豆諸島あたりに行くのが合理的だなw

posted by のら at 19:44| Comment(0) | TrackBack(0) | Trip

2011年06月25日

瀬尾由布子@新宿2011 その2

久しぶりのポトレ撮影だったので、もっとカンが失われているんじゃないかと思っていたんだけど、意外とスムーズな撮影ができた。モデルさんもこちらの感覚を知っていてくれるのも幸いしたかも。

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風景(旅写真)をメインに、猫やポトレを撮っているけど、いろいろなジャンルを撮ることって大切だと思っている。被写体によって独立したジャンルは存在するけど、それが写真である以上、相互に共通するスキルがあると思うし、別の被写体の違った側面から自分のスキルを見つめなおすことができる。ポートレートを撮り始めて自分自身、風景の撮り方が変わったなーと思う。特にライティング=光線の大切さはポトレから学んだ。これからもジャンルを問わずに雑食性でいこうw

Nikon D7000 Tamron SP17-50mm F2.8VR & AF-S 35o F1.8

posted by のら at 09:14| Comment(0) | TrackBack(0) | Photograph-Portrait

2011年06月20日

新宿西口公園のぬこ

昨日のロケハン中に発見したノラネコ。手すりの上を器用に歩いている。人に慣れているみたいで、カメラを近づけても逃げる様子もなく、あごの下をこちょこちょしてもヘーキw

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それにしても、こんなに細い手すりの上で器用だねー。

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居心地がいいんでしょうか?w

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他にも一匹、ぬこが居たけど、野良にしてはキレイな猫。地域猫っぽいマークはなかったけど、世話をしている人がいるのかな?

posted by のら at 22:51| Comment(2) | TrackBack(0) | Cats

2011年06月19日

瀬尾由布子@新宿2011

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なんと7ヶ月ぶりのポートレート撮影でしたw

Nikon D7000
Tamron SP17-50mm F2.8VR、AF-S 35mm F1.8、AF-S 50mm F1.4 

posted by のら at 22:17| Comment(0) | TrackBack(0) | Photograph-Portrait

2010年12月28日

小浜島の夕景

ツイッターには流し済みだけど、ブログにも貼っとくです。ハワイじゃないよw 小浜島だよ!

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ここまでオレンジ色の色彩感が濃くて、キレイな夕陽を見たのは、昨日の小浜島がはじめてかも。

posted by のら at 22:53| Comment(0) | TrackBack(0) | Trip

イリオモテの夜

昨日の小浜島に続いて、今日、イリオモテも夜空の星がスゴイ。この冬に、ここまで星空が見えるのは、まさに猫神さまのお恵みというほかないww

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ただし、波照間と違って、写真を撮ろうと思ったとき、他の島の光害を受けやすい。夜空のコントラストの高さで言えば、明らかに波照間のほうがキレイに星空は臨めると思う。

さて、このパイヌマヤリゾート(西表島温泉)も、今年1月にドコモとauの電波が届くようになったらしい。昨年7月に来たときにはケータイ未開拓地帯だったのにww でもソフトバンクは相変わらずー。

posted by のら at 22:42| Comment(1) | TrackBack(0) | Trip

西表島温泉

温泉の泉質としては、ちょっとヌルヌル感はあるものの、無臭であまり温泉らしさはない。しかも循環で加温。塩素臭も多少漂う。でもここは好きな温泉ナノダw 繰り返し言うけど、ここは泉質を楽しむための温泉ではなく。ナマのジャングル露天風呂を楽しむ温泉なのだ。

ここには日本最南端の温泉と日本最西端の温泉が並んでいる。ここにくればその両方を制覇できる。

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この近辺は、ヤマネコの目撃例も多いところ。極めて運がよければ、・・・・目撃できるかもしれない。集落からは離れているためにソフトバンクはもとより、au、ドコモとも携帯電話は全滅する。唯一の通信手段は、ホテルロビーの無線LANだけ。ここに来たら、温泉から上がったらビールでも飲みながら、窓の外のジャングルを眺めつつ、ゆったりと時間の経過を楽しむのがいい。

posted by のら at 16:08| Comment(0) | TrackBack(0) | Trip

はいむるぶしの夜

12月28日未明、ふつうなら曇天、雨天が続く八重山の空は最高の誕生日プレゼントを贈ってくれた。冬の短期間の旅行中に、これだけ晴れ渡った星空を見ることができるのは、ちょっと珍しい。でも、月明かりと水銀灯がちょっと邪魔かなw

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はいむるぶしは、小浜島のリゾートホテル。その名は「南十字星」を意味する。でも残念ながら南十字星は写っていませんww

posted by のら at 03:38| Comment(0) | TrackBack(0) | Trip

2010年12月20日

フルシャ&都響定期(12/20 東京文化会館)

都響の定期で、東京文化会館が満員になることは少ないけど、まだ知名度が高いとはいえない若手指揮者で、しかもメインがマルティヌーというプログラムにも関わらず、今日の演奏会は5回サイドの端まで聴取が入って、ほとんど満員。若干の空席はあるものの、フルシャの凄さが広まった結果だろうと思う。いまはネット社会、・・・・良い指揮者の評判は、すぐに広がる。

第709回定期演奏会 Aシリーズ
ヤクブ・フルシャ プリンシパル・ゲスト・コンダクター就任披露公演

会場:東京文化会館

指揮:ヤクブ・フルシャ
ピアノ:ニコライ・ルガンスキー

リスト:交響詩「レ・プレリュード」
ショパン:ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 作品11
マルティヌー:交響曲第3番

リストのプレリュードは、もはや巨匠風の堂々たる演奏。都響の暑い弦楽器がオルガンのように響き、音楽の骨格を作り上げる。もう少し早めの演奏のほうがワタシの好みではあるのだけど、これはこれで立派な演奏。つづくショパンは、個人的にはザンネンな演奏ー。ショパン特有の身悶えするようなロマンティックな楽想がぜんぜんイメージと違う。打鍵が強すぎ、詩情が乏しく、歌心がないー!!って単に好みの問題かもしれないけど、ぜんぜんイメージと違う演奏なのだよ。それにコンサート中の客席の雑音も大杉!!演奏はすぐにドアを出てしまったのだが、会場内は大きな拍手で「幻想即興曲」をアンコール。ドアから漏れ聞こえる演奏を聴いていても、・・・・ダメだ、これはww まぁ、でも、このピアニストに関しては、ワタシのような評価は少数派だとは思うw

後半のマルティヌー。これはフルシャの真骨頂が発揮された演奏と言ってよいと思う。まだこの曲の真価を理解できているとは言いがたいのだが、美しくも悲しく、そして戦争への怒りが内包された作品だ。都響の演奏は、室内楽的な演奏で、透明感と密度感がある弦楽器が美しい。いやー、29歳の指揮者がこんな完成度の高い演奏しちゃっていいのかなー?と思うほど、隙のない内容で、これは文句なし。

フルシャには最低でも年2回は都響に客演して欲しいよ。プログラムも東欧系ばかりじゃなくって、もっと多彩なプログラムを聴いてみたい。でも来年12月までおあずけorz

posted by のら at 23:26| Comment(0) | TrackBack(0) | orchestra-TMSO

大友直人&東響 MUZA名曲全集

MUZA名曲全集の連続券を買うと漏れなく12月の第九がついてくる。個人的には年末に第九を聴く趣味もなく、むしろ悪しき習慣とすら思う天邪鬼なのだがww、連続券なら拒否するわけにも意かないw そんなわけで12月19日の日曜日、満員となったMUZA川崎に行ってきた。チケットは完売らしい。

【出 演】
指揮:大友直人
ヴァイオリン:アリョーナ・バーエワ
ソプラノ:小林沙羅 メゾ・ソプラノ:加納悦子
テノール:佐野成宏 バリトン:三原 剛
合唱:東響コーラス
【曲 目】
J.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲第2番
ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調 作品125「合唱」

最初のバッハのヴァイオリン協奏曲。キレイな音だねー。こういう曲だと東響の弦楽器の美点がよく現れる。透明感があって、その中をソリストが音楽の旋律を構築していく。美しすぎて眠くなるけどww

後半の第九は、前半は正直良くなかったと思う。弦楽器が薄く、全体の音が溶け合わない。こういう音楽は退屈モード。。。。第4楽章は、ようやく音楽の流れが良くなってのってきたけど、テノールの声が不調なのか飛んでこないし、200名を超える大合唱団も、迫力はあるのだけど、単調で平板的。。。。すんまそー、ワタシ的には、いまいちの演奏会ですた。

posted by のら at 22:37| Comment(0) | TrackBack(0) | orchestra-TSO

2010年12月14日

ヤクブ・フルシャPGC就任披露演奏会(都響サントリー定期)

ヤクブ・フルシャをはじめて聴いたのは2008年5月14日のこと。その時のプロコフィエフ「ロミオとジュリエット」抜粋は、若干26歳の指揮者とは思えない完成度で、その才能の素晴らしさを見せてくれた。・・・・あれから2年、フルシャは「ゲストプリンシパル・コンダクター」という立場で都響の指揮台に帰ってきた。いまの都響の顔は言うまでもなくエリアフ・インバルだけど、なんとなく一枚看板というという印象だった。ここにタイプの違う俊英ヤクブ・フルシャが加わったことは指揮者陣の厚みを数倍に増す効果があると思われ。

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第708回定期演奏会
Bシリーズ ヤクブ・フルシャ プリンシパル・ゲスト・コンダクター就任披露公演
2010年12月14日(火)19:00開演(18:20開場) サントリーホール

指揮:ヤクブ・フルシャ
ソプラノ:アドリアナ・コフートコヴァー
アルト:ヤナ・シーコロヴァー
テノール:リハルト・サメク
バリトン:マルティン・グーバル
合唱:晋友会合唱団

ドヴォルジャーク:序曲「フス教徒」 作品67
スメタナ:交響詩「ブラニーク」
マルティヌー:リディツェへの追悼
ヤナーチェク:グラゴル・ミサ

客の入りは9割強。若干の空席はあるものの、ほぼ満席の聴衆からは、フルシャがステージに現れると同時に大きな拍手が贈られた。明らかに普段の定期とは違う雰囲気で、歓迎ムード一色。プログラムは、出身のチェコ・プログラムだ。

で、最初に書いておくけど、上記のプログラムで、聴き馴染んでいた曲は2曲目のスメタナだけで、他は初めて。グラゴル・ミサはYoutubeで聴いたけどw、ま、はじめてと言って良いかも。そんなワケで曲の解釈云々の話はヌキということでww

ドヴォルジャークの「フス教徒」とスメタナの「ブラニーク」は、両方ともローマ帝国と戦ったフス教徒をテーマにした曲で、音楽的にも共通の主題が登場するところが面白いプログラミング。そして序曲「フス教徒」から、明晰この上ない演奏を聴かせてくれた。ボヘミアの香りを適度に漂わせ、「プラジャーク」で聴き馴染んだ主題を織り交ぜながら、ドラマティックな音楽を構築していく。オーケストラを統率する力も抜群で、アンサンブルは緻密で、ダイナミックレンジの広さも印象的。もしかしたらボヘミアの濃厚な民族的な音色という意味では、物足りなく感じる向きもあろうかと思うけど、都響というオケの機能性を最大限に生かし、1曲目からフルシャの実力を見せ付けた演奏になった。

2曲目のスメタナも、とても端正かつ明晰な演奏で好演。厚みのある弦楽器が印象深い。ナチスドイツへの抵抗を描いたマルティヌーの曲も含めて、前半はチェコの悲劇的な歴史の中から生まれた音楽の紹介となった。

後半は「グラゴル・ミサ」。ミサとは名づけられているけれど、派手で多彩な音色が華々しい作品だ。ほぼ初聴きのため、この作品の良さはイマイチわからないのだが、ダイナミックレンジは広く、オルガンも含めて多彩な音色が練りこまれ、オバケの運動会みたいな部分も含めてw、ドラマチックな「ミサ」が上演される。 管弦楽が大規模になった分、前半よりも音の純度が若干低下したような印象も残ったけど、全体的には文句のつけようがない演奏だと思われ。合唱団のパノラマ的な声の広がり、ソプラノを初めとするソリストも申し分なし。

曲が曲だけに、音楽的な解釈はわからないが、オケを統率し、精緻なアンサンブルを作り上げることに関しては、もはや完成の域に達しているように思える。若干29歳のフルシャが、これから都響でどのような演奏を聞かせてくれるのか楽しみ。次はAプログラムだー。

posted by のら at 23:26| Comment(0) | TrackBack(0) | orchestra-TMSO